2013年06月22日
先天性第VII因子欠損症とrFVIIaによる予防
論文紹介です。
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「先天性第VII因子欠損症における予防」
著者名:Napolitano M, et al.
雑誌名:Haematologica 98: 538-544, 2013.
<論文の要旨>
第VII因子は半減期が大変に短いために、第VII因子欠損症の出血予防対策は難しいと考えられてきました。
Seven Treatment Evaluation Registry (STER)では、第VII因子欠損症における予防レジメの有効性、安全性、適用について評価されました。
第VII因子欠損症の34症例(1〜45才、女性21例)、38臨床経過につき解析されました。
最重症の表現型(中枢神経系、消化管、関節出血)では、最も予防レジメが使用されました。
21症例(24経過)では遺伝子組換え活性型第VII因子(rFVIIa)が使用され、4症例では血漿由来製剤が使用され、10症例ではFFPが使用されました。
予防計画は、frequent courses(週3回;n=23)、infrequet courses(週2回以下、n=15)に分類されました。
frequentとinfrequent couresesでの著効率はそれぞれ18/23(78%)、5/12(41%)でした。
長期予防は、1〜10年以上継続されました。
血栓症発症やインヒビターの出現はみられませんでした。
以上、先天性第VII因子欠損症の一部の患者では重症出血のため予防が必要でした。
rFVIIaを使用する場合は、週3回(毎週計90μg/kg)投与が有効と考えられました。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36| 出血性疾患