金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年09月02日

DICとアンチトロンビン(AT)6:アルブミンとの相関/白血病

DICとアンチトロンビン(AT)5:アルブミンとの相関/産科より続く。    

AT6
 
 
この報告は30年くらい前の論文ですが、重要な論文ではないかと思います。

まず、播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併の有無によって、アンチトロンビン(AT)もプロテインC(PC)もレベルは変らないことが分かります(図内の表)。換言しますと、DICを合併しましても、血中AT活性や、PC活性は低下しないことを意味しています。

一方で、アンチトロンビン活性は、アルブミンやコリンエステラーゼとは有意に相関しています。プロテインCに関しても同様です。

つまり、急性白血病においてアンチトロンビン(or プロテインC)が低下する場合であっても、それはDICのためではなく、肝予備能の低下のためと考えられます。

参考;TAT

 

(続く)DICとアンチトロンビン(AT)7:AT活性の低下

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17| DIC