金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年10月06日

血液内科試験:リンパ節腫脹

平成25年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学

平成25年9月10日(火)


64歳の女性。

3か月前から38.5 ℃程度までの発熱と軽度の腹痛があり、軽快と増悪を繰り返していた。発熱の際にはひどい盗汗と全身倦怠感を認めた。

近医を受診したところ、血液検査でCRPの上昇と赤沈の亢進がみられたが原因は不明であった。

1か月前から左頚部に1 cm大の腫瘤があることに気付いた。最近になって徐々に増大してきたため内科を受診した。この7か月で体重は47 kgから40 kgに減少していた。

身体所見:左側頚部に2 cm大、3 cm大のリンパ節をそれぞれ1個触知する。弾性硬、可動性は良好で圧痛はない。右頚部、鎖骨窩、腋窩、鼡径部などにリンパ節は触知しない。

血算には異常を認めない。LDH 363 IU/l、CRP 12.6 mg/dl、可溶性インターロイキン2受容体 3,360 U/mlであった。

頸部リンパ節生検のH-E染色標本をスライド2に示す(省略)。

2-1. 本症例について正しいのはどれか。

(1)    生検標本上の大型の細胞はランゲルハンス巨細胞である。
(2)    大型細胞の起源はB細胞である。
(3)    EBウイルスが発症に関与している。
(4)    ツベルクリン反応は陰性化することが多い。
(5)    発熱は稽留熱であることが多い。

a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5)  d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)


2-2. 全身CT・FDG-PETでは左頸部、縦隔のリンパ節腫大に加えて脾腫が認められた。この患者に対して行われる可能性の高い治療はどれか。一つ選べ。

a.    副腎皮質ステロイド
b.    頚部・縦隔に対する放射線照射+摘脾
c.    ABVD療法
d.    R-CHOP療法
e.    リツキシマブ単独療法

 

(正答)

2-1:d
2-2:c


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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:12| 医師国家試験・専門医試験対策