金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2013年12月29日

軽症血友病Aとデスモプレシン治療

論文紹介です。

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「軽症血友病Aに対するデスモプレシン治療の効果と反応決定因子」

著者名:Di Perna C, et al.
雑誌名:Semin Thromb Hemost 39: 732-739, 2013.


<論文の要旨>

デスモプレシン(DDAVP)は軽症血友病Aの治療選択肢の一つと考えられていますが、反応率、反応型、効果決定因子など不明な点が多いです。

著者らは自施設通院中の軽症血友病A全症例を対象に後方視的に検討しました。


DDAVP治療歴のあったのは75症例であり、そのうち57例(76%)は完全あるいは部分的に反応しました。

DDAVPの反応は患者の年齢と相関しており、反応例の年齢中央値は24歳、非反応例は18歳でした。

また、プロモーター領域に変異のある10例は全員が非反応例でした。

第VIII因子活性の基礎値は、反応例で有意に低かったです(反応例0.14, 非反応例0.19IU/mL)。

この理由は、プロモーター領域に変異を有する非反応例は第VIII因子活性の基礎値が高値のためでした。


12年間の経過観察期間中、出血のエピソード82/237回(35%)は27例の反応例で生じ、DDAVPが246回投与されましたが、完全あるいは部分的有効率は92%(75/82)でした。

DDAVPの副作用はみられませんでした。


以上、DDAVPは軽症血友病Aに対して治療または予防として安全かつ有効であり、在宅治療も含めて普及させるべきと考えられました。


<リンク>
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19| 出血性疾患