金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年01月07日

慢性ITPに対するエルトロンボパグ長期間投与

論文紹介です。

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「治療歴のある慢性ITPに対するエルトロンボパグ3年間投与」

著者名:Katsutani S, et al.
雑誌名:Int J Hematol 98: 323-330, 2013.


<論文の要旨>

エルトロンボパグ(E薬)は、免疫性血小板減少症(ITP)に対して許可されたトロンボポエチン受容体作動薬です。

著者らは、E薬6ヶ月間の初期臨床試験の終了した慢性ITPの日本人患者19例について、3年間投与の安全性、忍容性、有効性について検討しました。


患者は、初期臨床試験終了時のE薬投与量(12.5,25,50mg)で1日1回の内服を継続しました。

血小板数5〜20万を維持できるように、E薬投与量の調整や中断は主治医判断に委ねられました。

主要評価項目は、E薬長期間投与の安全性と忍容性です。

投与期間の中央値は27.5(9.9〜32.3)ヵ月間でした。


有害事象出現率は短期間投与時の初期臨床試験と同様であり、治療中断となった例はありませんでした。

重篤な有害事象の報告は9件でした。

血小板数の中央値は、E薬投与1週間後より上昇がみられはじめ、観察期間中5万以上を維持しました。

出血事例は、治療開始2週間で63%から21%に低下して、その後も低いレベルが維持されました。

当初ITPの他の治療も併用されていた15例のうち、10例では永続的に併用量法が不要になったり1つ以上の治療薬が不要になりました。


以上、日本人の慢性ITPに対してE薬の長期間投与は、安全で、忍容性と有効性が高いと考えられました。



<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:29| 出血性疾患