金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年01月08日

Klippel-Trenaunay症候群の慢性DICと新規経口抗凝固薬

論文紹介です。

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クロスミキシングテスト


「Klippel-Trenaunay症候群に合併したDICに対する経口抗Xa薬治療」

著者名:Randrianarisoa E, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 24: 766-770, 2013.


<論文の要旨>

Klippel-Trenaunay症候群(KTS)は、リンパ管や血管の異形成で特徴付けられるまれな先天性疾患です。

また、軟部組織や骨の発育障害をきたします。

臨床所見は多様性に富み、静脈の奇形のため播種性血管内凝固症候群(DIC)に起因する血栓塞栓症の危険が増大します。

著者らは、深部静脈血栓症を繰り返し、消費性凝固障害のために致命的な出血をきたしたKTSの1例を報告しています。

また、新規経口抗凝固薬であるリバーロキサバン(抗Xaの薬の一つ)による抗凝固療法により長期的な管理に成功している。



(Klippel-Trenaunay症候群)

1900年にフランスのKlippelとその弟子Trenaunayの二人により初めて報告されました。

患肢の骨軟部組織の過成長と低流量性の血管奇形を伴う疾患です。


(三兆候)

1)    ポートワイン斑(port wine stain)

2)    静脈の異常(先天性静脈瘤•深部静脈形成不全;典型的には患肢の外側面に拡張した異常血管がみられる)

3)患肢の骨軟部組織の過成長による肥大


(合併症)


深部静脈血栓症、肺塞栓症、感染・敗血症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、直腸出血•血尿




<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37| 出血性疾患