金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年01月10日

血友病Bに対する遺伝子組換え第IX因子/Fc融合蛋白製剤

論文紹介です。

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クロスミキシングテスト


「血友病Bに対する遺伝子組換え第IX因子/Fc融合蛋白製剤の第3相試験」

著者名:Powell JS, et al.
雑誌名:N Engl J Med 369: 2313-2323, 2013.


<論文の要旨>

血友病B患者に対する製剤投与回数を減らす目的で、半減期の長い遺伝子組換え第IX因子/Fc融合蛋白製剤(rFIXFc)が開発されました。


著者らは、治療歴のある重症血友病B 123症例(全例12歳以上、FIX≦2%)を対象に第3相試験を行いました。

症例は4群に分類され、1群(用量調整群):最初はrFIXFc 50IU/kgを週1回(投与間隔は固定)の予防投与、2群(投与期間調整群):100 IU/kg(投与量は固定)を最初は10日間毎から予防投与、3群:20〜100 IU/kgを出血時に投与、4群:周術期に投与、としました。


その結果、遺伝子組換え第IX因子製剤(rFIX)と比較して、rFIXFcは半減期82.1hrと有意に延長していた。

年間出血率の中央値は、1、2、3群でそれぞれ3.0、1.4、17.7でした。


2群では、53.8%の患者では投与間障を14日以上にすることができました。

1、2、3群ともに、出血エピソードの90.4%で1回静注で止血しました。

大手術時の止血効果は全て「極めて良好」または「良好」と評価されました。

インヒビターの出現は1例もみられませんでした。


1、2、3群での有害事象出現率は73.9%であり、重篤な有害事象は10.9%でした。こ

れらの有害事象は血友病一般でみられる率と同等でした。


rFIXFcを1〜2週間に1回の予防投与は、年間出血率を減らすものと考えられました。


<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58| 出血性疾患