金沢大学・血液内科・呼吸器内科
※記事カテゴリからは過去の全記事をご覧いただけます。
<< 前のエントリトップページ次のエントリ >>
2014年01月31日

金沢大学第三内科:血液・移植グループ(4)

金沢大学第三内科:血液・移植グループ(3)より続く。

「血液・移植グループ」(4)  by 山崎宏人

5. 研究

今年もそれぞれから紹介してもらいます。

【細川晃平】

13q欠失を伴うMDS-UはPNH型血球が高率に検出され、免疫抑制療法によって改善する良性の骨髄不全である事を報告しました(第26回内科学会奨励賞)。

再生不良性貧血患者において、高頻度に検出される可溶性血漿HLAペプチドームを同定し、それらの一部が既知の腫瘍関連ペプチドに一致する事を報告しました(2013年日本血液学会、優秀ポスター賞)。

また、シクロスポリン単独療法で改善する早期の再生不良性貧血では骨髄中のNr4a familyの発現が亢進している事を報告しました(2013年米国血液学会)。


【吉田晶代】

現在、金沢大学がん進展制御研究所腫瘍分子生物学講座にてご指導頂いております。

講座の主な研究テーマは、腫瘍抑制遺伝子Rbが腫瘍細胞においてどのように腫瘍としての動態を制御しているかを明らかにすることです。

講座のメンバーはそれぞれ、Rbによる転写・脂質代謝・炭素代謝・炎症などの制御とそれによる腫瘍細胞の増殖や幹細胞性への影響などを様々な手法を用いて研究されております。

自分は、RbによるROS制御・Rbにより発現変動するmiRNAの探索とその意義・Rbに制御される発現変動遺伝子群の同定とその機能解析などを明らかにするというテーマを頂いて研究を始めました。

約1年経ちましたが、多少知識は増えてもまだ勉強せねばならぬ事は限りなく多く、研究的思考も身につかぬ自分に時折愕然とします。

けれど、講座の皆様が熱心に且つ楽しそうに研究されている姿勢に励まされ、自分ももっと精進しなければと思います。

基礎研究には診療・臨床研究とは違う大変さと楽しさがあると感じます。

基礎研究に触れる時期を持てたことは悦びでありますがその事のみに満足せず、皆様のご指導のもと結果を出せるよう引き続き努めます。

(続く)


<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
金沢大学血液内科・呼吸器内科HP
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログ
研修医・入局者募集

参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36| 血液内科