2014年04月06日
東日本大震災:血友病患者ネットワーク
論文紹介です。
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「東日本大震災における血友病患者の震災体験と災害時ネットワーク」
著者名:今泉益栄、他。
雑誌名:日本血栓止血学会誌 25: 82-91, 2014.
<論文の要旨>
2011.3.11東日本大震災による社会的インフラの崩壊は製剤供給と医療機能を遮断し、血友病患者は生活と診療の基盤を同時に喪失した。
本研究は、被災県血友病患者の震災体験と災害時ネットワークの調査記録である。
対象者は震災1年後の調査に回答した血友病患者62名(20歳以下18、21歳以上44;居住県:岩手13、宮城43、福島3)である。
外傷や製剤喪失など直接的被害は約10%であったが、避難環境が困難を増強した。
約50%が通院や通勤、関節症状、製剤確保や家庭注射などで困難を経験し、震災1年後も約10%が身体症状や不安•精神的問題を訴えた。
血友病ネットワークとして「医療機関」が最も有用であり、「生活周囲」「患者同士」「製薬会社」は有用と同程度に不足と感じられた。
ネットワーク状態に関する「患者同士」の良〜不良は他ネットワークの自己評価と相関を認めた。
本調査記録は血友病における災害の備えに貴重な資料となる。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47| 出血性疾患