2014年04月18日
血友病における心血管疾患リスク
論文紹介です。
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「血友病における心血管疾患リスク」
著者名:Kamphuisen PW, et al.
雑誌名:Blood 123: 1297-1301, 2014.
<論文の要旨>
長年にわたり凝固能の低下している血友病患者においては、一般人と比較して心血管疾患発症のリスクが低いと考えられています。
しかし、血友病患者における心血管疾患の「危険因子」の頻度は一般人と同程度であり、高血圧症は血友病ではむしろより高頻度です。
さらに、動脈硬化の程度も一般人と同程度です。
血友病患者において心血管疾患による死亡率が低いのは、凝固能が低下していることにより血栓が形成されにくいためと説明されるでしょう。
一方、トロンビン形成能の低下している血友病においては、動脈硬化プラークが安定している可能性があります(マウスでの検討では確認されています)。
血友病のような出血性素因のある患者においては、心血管疾患発症時の抗血栓療は安易でないことが多いため、心血管疾患を発症する前の心血管疾患の「危険因子」のチェックおよびその治療は重要です。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:13| 出血性疾患