金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年07月04日

先天性無フィブリノゲン血症と硬膜外(下)血腫

論文紹介です。

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「先天性無フィブリノゲン血症小児における自然硬膜外血腫と硬膜下血腫」

著者名: Y AK, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 25: 398-400, 2014.


<論文の要旨>

先天性無フィブリノゲン血症は伴性劣性遺伝するまれな凝固異常です。

本疾患の有病率は、約100万人に1人ですが、血族結婚が普通に行われている国においては本疾患は増加しています。


最初にみられる症状は通常新生児期における臍出血ですが、更に遅れての症状出現もまれではありません。

本疾患で小児期にみられる出血部位は、胃小腸、泌尿生殖器、粘膜、筋肉、関節、頭蓋内です。

頭蓋内出血はまれですが、無フィブリノゲン血症の主たる死因となっています。


この論文では、無フィブリン血症の19才女性の報告がなされています。

本症例では、自然大量硬膜外血腫および硬膜下血腫がみられており、手術が必要となっています。


<先天性無フィブリノゲン血症の治療>
(参考)

•フィブリノゲン製剤:止血レベル≧50mg/dL、手術時≧100mg/dL(止血、創傷治療が完了するまで維持)。

•フィブリノゲン製剤の半減期:2〜4日間(手術時や出血時には短縮)。

•フィブリノゲン製剤の定期補充療法:妊婦や頭蓋内出血既往症例において。

•副作用:血栓傾向、抗体産生、アナフィラキシーショック。


<リンク>
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06| 出血性疾患