金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年07月10日

早産の凝固プロフィール

論文紹介です。

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「早産の凝固プロフィール」

著者名: Keren-Politansky A, et al.
雑誌名:Thromb Res 133: 585-589, 2014.


<論文の要旨>

早産の原因として過凝固状態が指摘されています。

しかし、早期分娩の凝固状態を検討した報告はありません。

著者らは早産関連子宮収縮(PUC)をきたした妊婦の止血能を評価しました。


対象は、規則的PUCをきたした健常妊婦76例です。

そのうち38例は早産となりましたが(P群)、そのうち14例は前期破水(PPROM)がみられました。

最終的には満期出産となったのは残りの38妊婦であり、対照(C群)としました。


P群ではC群と比較して、PT, APTTに有意短縮しました(それぞれ、9.96±0.5秒 vs. 10.1±0.4秒<P=0.05>、25.7±2.0秒 vs. 27.4±2.7秒<P=0.003>)。


フィブリノゲン、Dダイマー、プロテインC、遊離型プロテインS抗原量、第VIII因子活性、VWF、PAI-1、F1+2、TF、TFPI両群間に差はみられませんでした。

PPROMを伴った早産例では、PPROMのない早産例と比較して、F1+2は有意に低値でした(351±99 pM vs. 561±242pM, P=0.0003)。


PUCをきたした妊婦において、PTやAPTTの短縮は母体における血栓傾向を反映しており、早産の指標になるものと考えられました。


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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21| 出血性疾患