2014年09月27日
遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT):舌の赤い丘疹
論文紹介です。
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「片麻痺をきたした症例における舌の丘疹」
著者名:Chiu HY, et al.
雑誌名:JAMA 312: 741-742, 2014.
<論文の要旨>
著者らは、片麻痺で受診した症例において舌に赤い丘疹のあることを確認したことで容易に診断された教育的症例を報告しています。
症例は39才女性で、急激な頭痛、右片麻痺、発熱がみられました。
頭部CTでは左前頭頂葉に輪状に造影される病変が指摘されました。
本症例では舌、体幹、四肢に多数の丘疹がみられました。
また、小児期より鼻出血を繰り返していました。
遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)を基礎疾患として、脳腫瘍をきたした症例と診断されました。
舌の毛細血管拡張性に起因する丘疹および繰り返す鼻出血に遭遇したら、HHTを疑う必要があります。
HHTでは動静脈シャント病変がみられることがあり、脳膿瘍をきたすことがあります。
そのため、CT検査により、肺や肝の動静脈奇形の有無を精査することが重要です。
また、出血の家族歴(HHTは常染色体優性遺伝)や鼻出血などのHHT特有の症状の有無を聴取することが肝要です。
以上、脳膿瘍や鼻出血の症例では、舌の毛細血管拡張性病変を確認することでHHTの迅速な診断が可能となる場合があります。
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:41| 出血性疾患