金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年10月11日

Factor VIIa製剤:第VII因子欠乏症/血小板無力症

論文紹介です。

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「Factor VIIa製剤の過去•現在」

著者名:桑原光弘
雑誌名:日本血栓止血学会誌 25: 475-481, 2014.

<論文の要旨>

インヒビターを保有する先天性あるいは後天性の血友病患者の止血治療には、第VIII因子/第IX因子をバイパス(迂回)する製剤が必要になります。


薬理学的濃度の遺伝子組換え活性型凝固第VII因子製剤(rFVIIa)は、活性化血小板膜上で、第VIII因子/第IX因子をバイパスして直接第X因子を活性することが出来ます。


血漿から精製された活性型凝固第VII因子が、インヒビターを保有する先天性血友病A患者に初めて投与され、1983年に報告されました。

その後rFVIIaは1996年に欧州で、2000年に日本で製剤として正式に承認されました。


また現在rFVIIaは、先天性第VII因子欠乏症や、グランツマン血小板無力症の出血抑制に対しても承認されています。


現在、rFVIIaの改良型製剤、あるいは別の作用機序によるrFVIIaの代替製剤の開発が、複数メーカーより行われています。



<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学

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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:04| 出血性疾患