金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年12月23日

遺伝子出血性毛細血管拡張症(オスラー病)の診療

論文紹介です。

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「遺伝子出血性毛細血管拡張症(オスラー病)の適正診療」

著者名:Garg N, et al. 
雑誌名:J Blood Med 5: 191-206, 2014.

<論文の要旨>

遺伝子出血性毛細血管拡張症(HHT)は、Osler-Weber-Rendu病とも呼称され、常染色体優性遺伝します。

皮膚、粘膜、内蔵(脳、肺、肝)に動静脈奇形(AVM)をきたすことでも知られています。

発症頻度は5,000〜8,000人に一人
です。

ほとんどの症例において、endoglin (HHT1)またはACVRLK1(HHT2)遺伝子の変異が原因となっています。

鼻粘膜や胃腸粘膜の毛細血管拡張のために再発性/慢性の出血や鉄欠乏性貧血をきたします。

比較的大きなAVHは、肺(40〜60%)、肝(40〜70%)、脳(10%)、脊髄(1%)にみられます。

激烈で潜在的には致命的な合併症(脳卒中や肺AVMを伴う脳膿瘍など)をきたすこともあるため、無症候性の時期におけるスクリーニングや治療は極めて重要です。

しかし、HHTは依然としてしばしば過少診断されており、多くの血縁者が適切なスクリーニング検査や治療をうけていません。


HHT症例ではVEGFレベルが15倍にまで上昇しており、病態への関与が示唆されています。

Bevacizumab(血管内皮のVEGF受容体に結合するモノクローナル抗体)
の全身投与または局所投与が鼻出血に対して有効との報告があります。


また、タモキシフェン(選択的エストロゲン受容体阻害薬)がHHTの鼻出血に有効との報告もみられます。

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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:25| 出血性疾患