2015年01月16日
血栓止血研究室(4)NOACとDIC
血栓止血研究室(4)NOACとDIC
新規経口抗凝固薬(NOAC)を適切に処方できるかどうかによって、患者さんの受ける恩恵も変ると思います。
NOACは抗凝固療法を大きく変えたと言えるでしょう。
個人的には、抗リン脂質抗体症候群(APS)の不育症症(習慣性流産)に対して、将来NOACを使用できないかと思っていますが(ワーファリンは催奇形性あり)、この将来がいつくるかは不透明です。
DICに対してワーファリン(基質としての凝固因子VII、IX、X、II活性を低下させます)を投与しますと大出血をきたしますので絶対禁忌です。
DICをコントロールするためには、基質としての凝固因子を低下させても全く無効であることは、凝固因子が枯渇した劇症肝炎でもDICを発症することから理解できます。
DICをコントロールするためには、活性型凝固因子(トロンビンやXaなど)を抑制することが不可欠です。
この点、NOACはDICに対して有効である可能性があります(Hayashi T, et al: Ann Intern Med, 2014)。
今後の展開が期待されます。
(続く)金沢大学 血栓止血研究室:インデックス
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
血液凝固検査入門(図解シリーズ)へ
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
金沢大学血液内科・呼吸器内科HPへ
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログへ
研修医・入局者募集へ
参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
金沢大学血液内科・呼吸器内科HPへ
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログへ
研修医・入局者募集へ
参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31| 血栓止血(血管診療)