金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年02月06日

新規経口抗凝固薬(NOAC)のモニタリング(PT、APTT)

スライド35

新規経口抗凝固薬(NOAC)は、当初はワルファリンのような毎回のモニタリングは必要ないことをメリットにしていました。

しかし、NOACは抗凝固療法の治療薬であり出血の副作用を伴う可能性があるにもかかわらず、モニタリングが不要というのは大変に違和感があります。

PT、APTTで出血の副作用がでないかどうかのモニタリングが必要と考えられます。

いろんな考え方があるとは思いますが、やはりNOACの血中濃度がピークの時点であっても、PT、APTTの延長が想定範囲内であることを確認すべきでしょう(トラフでPT、APTTが想定以上に延長していたら問題外です)。

NOACの種類によって、PTが延長しやすい薬剤と、APTTが延長しやすい薬剤があります。
延長しやすい方のみのチェックで良いのでしょうか?
いいえ、そうではないでしょう。
APTTが延長しやすいNOACであったとしても、PTもチェックしたいです。ワルファリンとNOACの併用というとんでもないことが起きても、すぐに見抜くことができます(APTTでは見抜けないです)。

逆に、PTが延長しやすいNOACであったとしても、APTTもチェックしたいです。隠れvon Willebrand病(VWD)を見抜くことができるでしょう。

ただし、PT試薬、APTT試薬に何を用いるかによって、データはまるで変わってきます。
NOACと自施設のPT、APTTとの相性をしっておく必要があります。


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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:15| 抗凝固療法