2015年02月09日
心房細動に対する新規経口抗凝固薬とSFの変動
これは、心房細動の、大変に興味ある症例報告です。
左心耳内血栓が、新規経口抗凝固薬(NOAC)の一つであるアピキサバン(商品名:エリキュース)を使用することで完全に消失しています。
この臨床経過も興味深いのですが、管理人がさらに興味深いと思うのは、血栓止血関連マーカーの推移です。
まず、アピキサバンですので、PT、APTTはほとんど変動(延長)していません。
可溶性フィブリン(SF)は、一貫して低下しています。
さて、D-ダイマーですが、一旦上昇した後に低下しています。
SFと平行して動いているわけではない点が注目されます。
D-ダイマーは形成された血栓が分解されたときに血中濃度が上昇します。
つまり、SFは低下して凝固活性化に抑制がかかって、その後に遅れて血栓が溶解したことになります。
本症例は、D-ダイマーとSFが同じ動態を示していないことから、両マーカーの異なった意義を示した点でも貴重な症例報告と考えられます。
左心耳内血栓が、新規経口抗凝固薬(NOAC)の一つであるアピキサバン(商品名:エリキュース)を使用することで完全に消失しています。
この臨床経過も興味深いのですが、管理人がさらに興味深いと思うのは、血栓止血関連マーカーの推移です。
まず、アピキサバンですので、PT、APTTはほとんど変動(延長)していません。
可溶性フィブリン(SF)は、一貫して低下しています。
さて、D-ダイマーですが、一旦上昇した後に低下しています。
SFと平行して動いているわけではない点が注目されます。
D-ダイマーは形成された血栓が分解されたときに血中濃度が上昇します。
つまり、SFは低下して凝固活性化に抑制がかかって、その後に遅れて血栓が溶解したことになります。
本症例は、D-ダイマーとSFが同じ動態を示していないことから、両マーカーの異なった意義を示した点でも貴重な症例報告と考えられます。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
血液凝固検査入門(図解シリーズ)へ
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:34| 抗凝固療法