2015年03月16日
フィブリノゲン補充療法:クリオ製剤/フィブリノゲン濃縮製剤
論文紹介です。
「後天性出血に対するフィブリノゲン補充療法」
著者名:Levy JH, et al.
雑誌名:Blood 125: 1387-1303, 2015.
<論文の要旨>
フィブリノゲンは止血および凝血塊の形成に重要な蛋白です。
しかし、出血患者におけるフィブリノゲン値をどこに設定するのが良いのかについては、ガイドラインでの記載は種々です。
多くの臨床試験では、後天性凝固異常に対するフィブリノゲン補充療法の有効性を支持しており、現在もいくつかの臨床試験が進行中です。
フィブリノゲン補充療法は、クリオ製剤およびフィブリノゲン濃縮製剤によって行うことができますが、国の保険認可状況や供給状況によって実用の可否が決定されています。
フィブリノゲン濃縮製剤は動物モデルや臨床試験で検討されており、出血患者に対してフィブリノゲンを補充することが大変有用であることが示されています。
心血管手術、出産後出血、外傷のような状況下における止血目的としてフィブリノゲン補充療法を適切に行うためには、POCT検査は重要な意義をもつでしょう。
凝固異常を伴う出血に対する多様な治療戦略のなかでも、フィブリノゲン補充療法は重要な意義を有しています。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
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参考:血栓止血の臨床(日本血栓止血学会HPへ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54| 出血性疾患