金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年07月16日

播種性血管内凝固症候群(DIC)の検査所見

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

播種性血管内凝固症候群(DIC)の記載として正しいものはどれか。1つ選べ。


a.    敗血症に合併したDICでは、フィブリノゲンが著減する。
b.    固形癌に合併したDICでは、血中可溶性フィブリン(SF)が著減する。
c.    急性前骨髄球性白血病(APL)に合併したDICでは、プラスミノゲンが著増する。
d.    動脈瘤に合併したDICでは、血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性が著増する。
e.    羊水塞栓に合併したDICでは、血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する。


(解説)
a. 敗血症に合併したDICでは、フィブリノゲンはあまり低下しません。炎症反応のため上昇することも多いです。

b. DICでは、必ず血中可溶性フィブリン(SF)やTATは上昇します。

c. 急性前骨髄球性白血病(APL)では線溶亢進型DICを発症します。プラスミノゲンは低下します。α2プラスミンインヒビター(α2PI)は、さらに著減します。

d. 動脈瘤では、線溶亢進型DICを合併します。血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)活性は著減します。

e. 羊水塞栓や常位胎盤早期剥離では、線溶亢進型DICを発症します。血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)は著増します。


 (正答) e
 

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23| 医師国家試験・専門医試験対策