金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年07月19日

血管内皮の抗血栓作用

平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日

問題紹介です。

血管内皮の抗血栓作用と関連しているのはどれか。1つ選べ。

a.    組織因子(TF)
b.    一酸化窒素(NO)
c.    エンドセリン(ET)
d.    トロンボキサンA2(TXA2)
e.    プラスノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)


(解説)
a. 組織因子(TF)は、LPSや炎症性サイトカインの作用によって、血管内皮や単球から産生されます。凝固活性化の観点から、最重要物質の一つです。

b. 一酸化窒素(NO)には、血小板機能抑制作用や、血管拡張作用があります。抗血栓性に作用します。

c. エンドセリン(ET)は血管収縮作用がありますので、向血栓性に作用します。

d. トロンボキサンA2(TXA2)には血小板機能亢進作用や、血管収縮作用があります。向血栓性に作用します。

e. プラスノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)は、組織プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)と1対1結合することでt-PAの活性を阻止して線溶を抑制して、向血栓性に作用します。


 (正答) b
 

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50| 医師国家試験・専門医試験対策