輸血の副作用、ABO major不適合輸血、手術時の輸血
平成27年度 血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成27年7月14日 火曜日
問題紹介です。
問24. 輸血の副作用について正しいものはどれか。2つ選べ。
(1) 非溶血性副作用の出現頻度は血小板製剤がもっとも高い。
(2) 血小板輸血不応に関する同種抗体の多くは抗HPA抗体である。
(3) 輸血後6時間以内に起きる呼吸不全を伴う心不全をTRALI(transfusion related acute lung injury)と呼ぶ。
(4) 1999年にNAT検査が導入されて以降、輸血を介したHIV感染の報告はない。
(5) 輸血後鉄過剰症の診断には血清フェリチン値の測定が有用である。
a. (1)(2) b. (2)(3) c. (3)(4) d. (4)(5) e. (1)(5)
問25. ABO major不適合輸血について正しいものはどれか。2つ選べ。
(1) 原因として最も多いのは血液型判定のミスである。
(2) IgGクラスの抗Aあるいは抗B抗体が赤血球に結合することが発症の引き金となる。
(3) 即時型血管内溶血が起こる。
(4) 溶血の原因に補体系の活性化が関与している。
(5) 輸血量が10mLを超えると救命は困難である。
a. (1)(2) b. (2)(3) c. (3)(4) d. (4)(5) e. (1)(5)
問26. 手術時の輸血について誤った記載はどれか。1つ選べ。
a. 出血量が循環血液量の20%以内であれば、通常、赤血球輸血を必要としない。
b. 冠動脈疾患・肺機能障害・脳循環障害を有する患者の手術時は、Hb値を12g/dL以上に保つように赤血球輸血を行う。
c. 予測出血量が少なく輸血の可能性が低い待機手術では、一般にtype & screen法が採用されている。
d. MSBOS(maximum surgical blood order schedule)とは、平均出血量の1.5倍以下の血液製剤をあらかじめ交差適合試験を行った上で準備しておく方式をいう。
e. SBOE(surgical blood order equation)はMSBOSより準備血液量が少なくて済むメリットがある。
(正答)
問24 e
問25 c
問26 b
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43| 医師国家試験・専門医試験対策