金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年08月06日

インヒビターの血友病A死亡率に対する影響

論文紹介です。

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インヒビターの血友病A死亡率に対する影響(米国)

著者名:Walsh CE, et al.
雑誌名:Am J Hematol 90: 400-405, 2015.

<論文の要旨>

以前に報告されてきた死亡率に関する研究は、血友病集団に限定されていますが、第VIII因子インヒビターを保有していても死亡率が上昇しないことを示しています。

この後方視的研究では、インヒビター保有と死亡との関連を評価するために、重症血友病A男性患者 7,386名(13年間)のデータを収集して解析しました。

試験期間中に432名が死亡しましたが、そのうち48名がインヒビターを有していました。


死亡に最も強く関連した臨床的特徴は、出血回数、肝疾患、HIVまたはHCVの感染、インヒビターの保有でした。

多変量解析では、現在インヒビターを保有している患者では、インヒビターを保有しない患者と比較して、死亡のオッズは70%増加しました(P <0.01)。

インヒビター保有患者では、インヒビターを有していない患者と比較して出血性合併症に起因する死亡がはるかに多い結果でした(42対12%、P <0.0001)。


以上、重症血友病A患者において、インヒビターの存在は死亡のリスク上昇と関連していると考えられました。



<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37| 出血性疾患