金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年08月20日

後天性血友病AとFVIII&低用量rFVIIa併用療法

論文紹介です。

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FVIII&低用量rFVIIa併用療法は後天性血友病A患者における止血を改善する」

著者名:Zhang XH, et al.
雑誌名:Thromb Res 135: 835-40, 2015.

<論文の要旨>

後天性血友病A(AHA)は、潜在的に重度の出血につながり、死亡率が高い自己免疫性疾患です。

この共同研究は、AHA患者におけるFVIIIおよび低用量rFVIIaの併用療法の効果を評価することを目的に行われました。


本研究では、FVIII /低用量rFVIIa併用療法(初回用量:25-55μg/ kg)を、FVIII/PCC併用療法や低用量rFVIIa単独療法と後方視的に比較しました。

副作用や再発性出血も調査しました。

これら3群の治療結果を比較するために、粗比較や条件付きロジスティック回帰解析を行いました。


5センターからの連続した患者56例の最初の出血エピソードを分析した結果、37出血エピソード(66.1%)が重症と診断されました。

特記すべきは、低用量rFVIIa単独療法またはFVIII / PCC療法に比較して、FVIII /低用量rFVIIa併用療法で有意に出血のコントロール率が高かったことです(それぞれ、58.3%、41.7%、95.0%)。


出血エピソード合計236回の分析の結果、止血治療の有効性と早期治療開始との間に明らかな正相関がみられたました。

血栓症などの治療関連有害事象は報告されませんでした。


以上、FVIIIおよび低用量rFVIIa併用療法は、理想的な止血効果を発揮して、AHA患者のための実現可能かつ安全な治療プロトコールとして推進されて良いものと考えられました。




<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38| 出血性疾患