日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案(2)基本的考え方
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(2)基本的考え方
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)
詳細はこちら:http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf
旧厚生省DIC診断基準(旧基準)の修正を行う方法が良いのか、全く新規の基準を作成する方法が良いのかについては、大きな論点です。
日本においては、旧基準を用いて各種薬剤のDIC臨床試験が行われてきた長い歴史がありますんで、全く新規の基準を作成するのは不適当であり、旧基準を基本にすべきであると委員会では結論付けられました。
必然的にスコアリング法による基準とすることになりました。
次に、DIC病態は基礎疾患によって大きく異なっていることが明らかになっている現在、一つの基準で全ての基礎疾患におけるDICを診断することの限界があります。
日本血栓止血学会学術標準化委員会DIC部会:科学的根拠に基づいた感染症に伴うDIC治療のエキスパートコンセンサス.血栓止血誌20: 77-113, 2009.
Asakura H: Classifying types of disseminated intravascular coagulation: clinical and animal models. J Intensive Care 2:20, 2014.
特に、旧基準は感染症においては診断能力が弱いことが以前から指摘されてきました。
また、旧基準では特に肝疾患に伴う凝固異常が、DICと誤診される場合が少なくないために、その対応が重要です。
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02| DIC