2015年09月05日
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案(3)基礎疾患
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(3)基礎疾患/臨床症状
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)
詳細はこちら:http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf
旧厚生省DIC診断基準(旧基準)においては「基礎疾患あり」で1点加点されますが、基礎疾患のない症例は存在しないために診断には影響を与えず、この加点は意味をなしていません。
基礎疾患あるいは基礎病態ごとにDIC病態に差異が存在しますし、診断に有用な検査項目が異なっています。
基礎疾患や基礎病態を分別して、病態別の診断基準を用いる方向性が妥当と考えられます。
特に、血小板数の低下がDICのみに起因しない症例(造血障害をきたした症例など)では血小板数でスコアリングができないため、必ず区別すべきです。
DICにおける臨床症状は非特異的ですから、基礎疾患やDIC以外の合併症による症状なのか、DICによる症状なのか区別が困難です。
さらに、臨床症状が出現しないとDICと診断されないようでは、早期診断に支障をきたすことになります。
臨床症状を診断基準から削除すべきと考えられます。
日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)
<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)へ
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
金沢大学血液内科・呼吸器内科HPへ
金沢大学血液内科・呼吸器内科ブログへ
研修医・入局者募集へ
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11| DIC