金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2015年09月07日

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案(5)フィブリノゲン/PT

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(5)フィブリノゲン/PT

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)


詳細はこちら:http://www.jsth.org/committee/pdf/DIC_3.pdf


DICを診断する上において、フィブリノゲンは、特異度は高いが感度は低いマーカーです。

特に炎症性疾患では、DICと思われる症例であってもフィブリノゲンは低下せず、むしろ上昇することも少なくありません。

一方で、フィブリノゲンがマーカーとして価値が高い基礎疾患もあり、例えば、固形癌、造血器悪性腫瘍、産科合併症、頭部外傷、動脈瘤などではフィブリノゲン低下がみられやすく重要な所見です。

基礎疾患別に適用する診断基準の検査評価を変えて対応する方法が考えられます。



プロトロンビン時間(PT)は臓器障害や予後を反映しますが、一方で肝疾患やビタミンK欠乏症でも延長するために、DICに特徴的なマーカーではない点に注意が必要です。

日本血栓止血学会DIC診断基準暫定案を考える(インデックス)



<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)

播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26| DIC