2015年11月11日
症例から学ぶDIC(10)症例2:FDPとD-ダイマーの乖離現象
症例(2)
症例から学ぶ播種性血管内凝固症候群(DIC)(インデックス)
<FDPとD-ダイマーの乖離現象>
本症例では、血中FDPとDダイマーは上昇していますが、両者の間に乖離現象があるために、FDP/Dダイマー比は上昇しています(Dダイマー/FDP比は低下しています)。
線溶活性化が高度であるためにフィブリン分解のみならず、フィブリノゲン分解が進行していると推測されます。
つまり、フィブリノゲンの低下は消費性凝固障害のみでなくフィブリノゲン分解も加味されているものと考えられます。
線溶活性化の評価のためには、PIC、α2PIの測定が不可欠ですが、必ずしもこれらのマーカーが即日結果がそろう医療機関ばかりとは限りません。
そのような場合には、フィブリノゲン低下、FDP著増所見に加えて、FDPとD-ダイマーの乖離現象を評価することで、線溶亢進型DICと推測することが可能です(FDP著増は大前提)。
なお念のためですが、線溶亢進型DICの診断のためには、FDP著増は大前提です。FDP/Dダイマー比の上昇があっても、FDPが著増していなければ、線溶亢進型DICではありません。
症例から学ぶ播種性血管内凝固症候群(DIC)(インデックス)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50| DIC