金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2016年07月12日

抗リン脂質抗体症候群(APS)

平成28年度血液内科学系統講義試験
細胞移植学(血液内科)
平成28年7月13日(水)

問24.    典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)に関する記載内容として、誤っているのはどれか。1つ選べ。

a.    血栓症を有する患者でループスアンチコアグラントが陽性であればAPSである。
b.    動脈血栓症では脳梗塞が最も多い。
c.    静脈血栓症では深部静脈血栓症が最も多い。
d.    不育症の女性に対しては、妊娠時へパリンの皮下注が有効である。
e.    希釈ラッセル蛇毒時間が短縮する。



(解説)


a. 正しい。血栓症を有する患者では、ループスアンチコアグラントまたは抗カルジオリピン抗体のいずれかが陽性であれば抗リン脂質抗体症候群(APS)である。
b. 動脈血栓症では脳梗塞が最も多いが、心筋梗塞は少ない。
c. 静脈血栓症では深部静脈血栓症が最も多く、ついで肺塞栓である。
d.不育症の女性に対しては、妊娠時へパリンの皮下注が有効である。アスピリンも併用することが多い。ワルファリンは催奇性の副作用がある。
e. 希釈ラッセル蛇毒時間は延長する。



(正答)
e

 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:15| 医師国家試験・専門医試験対策