金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年03月09日

CBT(コアカリキュラム)/止血機序

CBT(コアカリキュラム)の復元問題と解説です。

血管内皮においてコラーゲンと血小板を接着するのはどれか.

a Ca++
b 第VIII因子
c フィブリノーゲン
d 組織因子
e vWF


(ポイント)

止血のプロセスにおいて、まず血小板がコラーゲンに粘着します(血小板粘着)。
この際、von Willebrand因子(VWF)の介在が必要です。
ついで、フィブリノゲンを介在して血小板が凝集します(ここまでが一次止血)。
血小板上で多くの凝固因子が集合して最終的にトロンビンが形成されると、フィブリノゲンがフィブリンに転換します(ここまでが二次止血)。


(選択肢解説)
a Ca++は、凝固活性化のいくつかのステップで必要です。

b 第VIII因子は、第IX因子の補酵素です。第VIII因子が先天性に欠損している疾患は、血友病Aです。

c フィブリノーゲンは血小板凝集時に、血小板間に介在します。

d 組織因子は、第VII因子とともに、外因系凝固活性化機序の最上流に位置します。

e vWFは、血小板が粘着する際に必要です。


(止血機序)図解します。

止血




<リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44| 医師国家試験・専門医試験対策