金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年07月14日

播種性血管内凝固症候群(DIC)の病型

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年7月12日 水曜日 試験時間 16時00分〜17時00分 (60分間)

問25.    以下の疾患のうち、合併する播種性血管内凝固症候群(DIC)の病型が他の4つと異なるものはどれか。

a.    常位胎盤早期剥離
b.    羊水塞栓
c.    急性前骨髄球性白血病(APL)
d.    大動脈瘤
e.    腹膜炎





(解説)
a.    常位胎盤早期剥離は、線溶亢進型DICを合併して大出血をきたします。

b.    羊水塞栓:同上です。なお、出産時の大出血の原因としては、線溶亢進型DICの他に、後天性血友病も知っておきたいです。

c.    急性前骨髄球性白血病(APL)では、APL細胞にアネキシンIIの過剰発現が診られます。
アネキシンIIは、APLの線溶活性化病態に深く関与しています。

d.    大動脈瘤:線溶亢進型DICを合併します。

e.    腹膜炎、敗血症などの重症感染症では、線溶抑制型DICを発症します。



(正答)   e


 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:12| 医師国家試験・専門医試験対策