金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2017年07月19日

出血時間・PT・APTT・フィブリノゲン・HPT

平成29年度 血液内科学系統講義試験

平成29年7月12日 水曜日 試験時間 16時00分〜17時00分 (60分間)

問22.    下記の疾患または病態のうち、検査所見の記載が誤っているのはどれか。1つ選べ。

    出血時間 PT
APTT
Fbg HPT
a 単純性紫斑 正常 正常 正常 正常 正常
b 先天性第V因子欠損症 正常 延長 延長 正常 正常
c 先天性第XIII因子欠損症 正常 正常 正常 正常 正常
d アレルギー性紫斑病(※) 正常
正常
正常
正常
正常
e Bernard-Soulier症候群 延長 正常 正常 正常 低下

(※)IgA血管炎ともいう。
PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
Fbg:フィブリノゲン
HPT:ヘパプラスチンテスト



(解説) 
a 単純性紫斑病では、全ての血液凝固検査が正常です。

b 
先天性第V因子欠損症では、PTもAPTTも延長します。HPT(VII、X、IIを反映)は正常です。

c 
先天性第XIII因子欠損症では、PTもAPTTも正常です。

d 
アレルギー性紫斑病では、上記の検査所見は全て正常です。XIII因子活性が低下することはあります。

e 
Bernard-Soulier症候群では、血小板膜糖蛋白のGPIb/IXが欠損して、血小板粘着能(血小板機能)が低下します。HPT(VII、X、IIを反映)は正常です。



(正答)
    e


 <リンク>
血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50| 医師国家試験・専門医試験対策