金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年03月22日

血友病とビタミンK欠乏症の鑑別(CBT)

CBTの再現問題と解説です。

血友病とビタミンK欠乏症の鑑別に有用な値はどれか.


 a  APTT
 b  PT
 c  フィブリノゲン濃度
 d  血小板数
 e  出血時間




(解説)

a 血友病A(第VIII因子の先天性欠損)、血友病B(第IX因子の先天性欠損)のいずれであっても、APTTは延長します(PTは正常)。
ビタミンK欠乏症では、重症例ではPTのみならずAPTTも延長します。
ただし、軽症例ではPTのみ延長が見られ、APTT延長は見られないことも多いです。

b 血友病ではPT延長は見られません。ビタミンK欠乏症では、PT延長が特徴的です。

c 血友病とビタミンK欠乏症ともに、フィブリノゲン濃度は正常です。

d 血友病とビタミンK欠乏症ともに、血小板数は正常です。

e 血友病とビタミンK欠乏症ともに、出血時間は正常です。

出血時間が延長するのは、

1)血小板数の低下
2)血小板機能の低下
3)血管壁の脆弱性の存在

の3つの場合のみです。




(正解)b

 

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54| 医師国家試験・専門医試験対策