金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2018年03月24日

DICの基礎疾患(CBT)

CBTの再現問題と解説です。

DICの基礎疾患として誤っているのはどれか.

 a 敗血症
 b 羊水塞栓症
 c 重症急性膵炎
 d 腹部大動脈瘤破裂
 e ビタミンK欠乏症



(解説)

DICでは多くの基礎疾患が存在します。
三大基礎疾患は、敗血症、固形癌、急性白血病です。
その他、産科合併症、大動脈瘤、急性膵炎など。

a 敗血症は、線溶抑制型DICを合併します。臓器症状が見られやすいです。

b 産科合併症の、常位胎盤早期剥離や羊水塞栓症などでは、線溶亢進型DICを合併します。
大出血が見られやすいです。

c 重症急性膵炎は、DICの基礎疾患の一つです。

d 大動脈瘤、解離性大動脈瘤では、線溶亢進型DICを合併します。

e ビタミンK欠乏症はPT延長が見られる出血性疾患ですが、DICとは無関係です。




(正解)e



(ポイント)


DICの基礎疾患
1.    感染症:敗血症、その他の重症感染症
2.    造血器悪性腫瘍:急性前骨髄球性白血病(APL)、その他の急性白血病、悪性リンパ腫など
3.    固形癌(通常は転移を伴った進行癌)
4.    組織損傷:外傷、熱傷、熱中症、横紋筋融解症
5.    手術後
6.    血管関連疾患:大動脈瘤、解離性大動脈瘤、巨大血管腫
7.    肝障害:劇症肝炎、急性肝炎、肝硬変
8.    急性膵炎
9.    ショック
10.    溶血、血液型不適合輸血
11.    蛇咬傷
12.    その他

<リンク>

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:08| 医師国家試験・専門医試験対策