金沢大学血液内科学系統講義試験:輸血関連
平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)
赤字が正答です。
問30. 血小板製剤について誤っているものはどれか。1つ選べ。
(1) 主に成分献血から製造される。
(2) 室温(20〜24℃)で振とう保存する。
(3) 輸血に際して交差適合試験は不要である。
(4) 成人では2単位製剤の輸血が一般的である。
(5) 採血日を1日目として採血後4日間使用できる。
問31. 不規則抗体について正しいものはどれか。1つ選べ。
(1) 主にIgMである。
(2) 陽性率は10-20%である。
(3) 急性溶血を来たしやすい。
(4) 輸血歴のない妊婦でも保有していることがある。
(5) 種々の抗原を持つAB型赤血球を患者血清が凝集させるかどうかで判定する。
問32. 輸血後GVHDの予防対策として有効なものはどれか。
(1) 自己血輸血
(2) 免疫抑制剤投与
(3) 血縁者からの輸血
(4) 白血球除去フィルター
(5) 血液製剤への放射線照射
a. (1)(2) b. (2)(3) c. (3)(4) d. (4)(5) e. (1)(5)
問33. ABO不適合輸血に伴う急性溶血について正しいものはどれか。
(1) 死亡率は約80%である。
(2) 即時型血管内溶血が起こる。
(3) 溶血の原因に補体系の活性化が関与している。
(4) 原因として最も多いのは血液型判定のミスである。
(5) AB型患者にO型赤血球製剤を輸血した時に生じることが多い。
a. (1)(2) b. (2)(3) c. (3)(4) d. (4)(5) e. (1)(5)
問34. 手術時の輸血について誤っているものはどれか。1つ選べ。
(1) 出血量が循環血液量の20%以内であれば、通常、赤血球輸血を必要としない。
(2) 予測出血量が少なく輸血の可能性が低い待機手術では、一般にtype & screen法が採用されている。
(3) SBOE(surgical blood order equation)はMSBOS(maximum surgical blood order schedule)より準備血液量が少なくて済むメリットがある。
(4) MSBOSとは、平均出血量の1.5倍以下の血液製剤をあらかじめ交差適合試験を行った上で準備しておく方式をいう。
(5) 冠動脈疾患・肺機能障害・脳循環障害を有する患者の手術時は、Hb値を12 g/dL以上に保つように赤血球輸血を行う。
問35. HLA適合同胞ドナーからの同種骨髄移植よりも、自家末梢血幹細胞移植を行うことが多い疾患はどれか。
(1) 多発性骨髄腫
(2) 急性骨髄性白血病
(3) 骨髄異形成症候群
(4) 急性リンパ性白血病
(5) ホジキンリンパ腫の再発
a. (1)(2) b. (2)(3) c. (3)(4) d. (4)(5) e. (1)(5)
問36. 急性GVHDの重症度を判定する際に評価の対象となる症状はどれか。
(1) 発熱
(2) 黄疸
(3) 下痢
(4) 皮疹
(5) 意識障害
a. (1)(2)(3) b. (1)(2)(5) c. (1)(4)(5) d. (2)(3)(4) e. (3)(4)(5)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49| 医師国家試験・専門医試験対策