金沢大学血液内科学系統講義試験:血戦止血領域
平成30年度血液内科学系統講義試験の問題紹介と正答です。
(平成30年7月9日 月曜日)
赤字が正答です。
問23. 出血と血栓の両病態がみられる疾患・病態として誤っているものはどれか。1つ選べ。
(1) HELLP症候群
(2) 本態性血小板血症
(3) Bernard-Soulier症候群
(4) ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
(5) ワルファリン起因性皮膚壊死(warfarin induced skin necrosis)
問24. 典型的な抗リン脂質抗体症候群(APS)に関する記載内容として、誤っているものはどれか。1つ選べ。
(1) 動脈血栓症では脳梗塞が最も多い。
(2) 静脈血栓症では深部静脈血栓症が最も多い。
(3) APTTの延長が、正常血漿の添加で是正される。
(4) 不育症患者でループスアンチコアグラントが陽性であればAPSである。
(5) 習慣性流産の女性に対しては、アスピリン内服とヘパリン皮下注の併用が有効である。
問25. 播種性血管内凝固症候群(DIC)について誤っているものはどれか。1つ選べ。
(1) 敗血症では、FDPが著増する。
(2) 常位胎盤早期剥離では、フィブリノゲンが著減する。
(3) 羊水塞栓では、可溶性フィブリンモノマーが著増する。
(4) 腹膜炎では、プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)が著増する。
(5) 急性前骨髄球性白血病では、プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する。
問26. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)および溶血性尿毒症症候群(HUS)の両者に共通した所見の記載として誤っているものはどれか。1つ選べ。
(1) 赤血球破砕像
(2) 血清LDH上昇
(3) 血清間接ビリルビンの上昇
(4) 血清ハプトグロビンの低下
(5) 血清ADAMTS13活性の低下
問27. 血栓止血関連疾患の検査・治療に関する記載として正しいものはどれか。1つ選べ。
(1) 健常人は、PT-INR 1.5前後である。
(2) 妊娠により血中プロテインC活性が低下する。
(3) von Willebrand病の出血に対しては、遺伝子組換え第VIII因子製剤が有効である。
(4) 心房細動に起因する脳塞栓の発症予防としては、直接経口抗凝固薬(DOAC、新規経口抗凝固薬 NOACとも言う)内服が有効である。
(5) オスラー病(遺伝性出血性毛細血管拡張症、遺伝性出血性末梢血管拡張症とも言う)の出血に対しては、血漿由来第VIII因子製剤が有効である。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57| 医師国家試験・専門医試験対策