第2回北陸血友病セミナーのご案内
第2回北陸血友病セミナー
〜最新の血友病治療を考える〜
日時:2017年4月1日(土)16:00〜18:00
場所:ホテル金沢 4階「エメラルド」
情報提供:遺伝子組み換え血液凝固第VIII因子Fc領域融合タンパク質製剤 「イロクテイト」
バイオベラティブ・ジャパン株式会社
Opening Remarks
16:10〜16:15
富山県立中央病院 血液内科 奥村廣和 先生
症例提示
16:15〜17:00
座長:福井赤十字病院 内科 今村 信 先生
「半減期延長製剤血友病B患者への投与経験」
国立病院機構あわら病院 血液内科 大槻 希美 先生
座長:金沢医科大学 発生発達医学(小児科学) 犀川 太 先生
「半減期延長製剤血友病A患者への投与経験」
富山大学医学部 小児科学教室 野村 恵子 先生
コメンテーター:金沢市立病院 血液内科 林 朋恵 先生
特別講演
17:00〜17:50
座長:金沢大学医薬保健研究域血液病態検査学 森下 英理子
「半減期延長型製剤を考える」
〜オルプロリクス、イロクテイトの使用経験を踏まえて〜
演者:聖マリアンナ医科大学 小児科学教室 長江 千愛 先生
Closing Remarks
17:50〜18:00
「血友病治療のこれから」
金沢大学附属病院 高密度無菌治療部 朝倉 英策
主催:バイオベラティブ・ジャパン株式会社
後援:富山県病院薬剤師会、石川県病院薬剤師会、福井県病院薬剤師会
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第10回 北陸ヘモフィリア懇話会の御案内
第10回 北陸ヘモフィリア懇話会の御案内
日時:2017年5月13日(土)16時〜18時00分
場所:アパホテル金沢駅前 1階 「琥珀・珊瑚」
【特別講演】
『今後の血友病治療展開
〜半減期延長製剤の登場でどう変わるのか〜(仮)』
広島大学附属病院 輸血部 藤井 輝久 先生
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血小板の機能と止血や凝固・線溶の機序を説明できる
CBT(コアカリキュラム)の復元問題と解説です。
出血時間が延長し,活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)軽度延長を示す疾患はどれか.
a 血小板無力症
b von Willebrand病
c 血友病A
d 血友病B
e ビタミンK欠乏症
(ポイント)
出血時間は、
1)血小板数の低下、
2)血小板機能の低下、
3)血管壁の脆弱性のいずれかで延長します。
特に、血小板機能の低下で出血時間が延長する意義が大きいです。
APTTは、内因系凝固活性化機序を反映した検査です。
血液凝固第XII、XI、IX、VIII、X、V、II(プロトロンビン)、I因子(フィブリノゲン)活性の低下で延長します。
(選択肢解説)
a 血小板無力症は、GPIIb/IIIaが欠損することで血小板機能(血小板凝集能)が低下する先天性の出血性疾患です。Glanzmann病とも言います。出血時間は延長しますが、APTTは正常です。
b von Willebrand病(VWD)は、von Willebrand因子(VWF)が先天性に低下する先天性の出血性疾患です。
VWFがないために血小板機能(血小板粘着能)が低下し、出血時間が延長します。
さらに、VWFは第VIII因子のキャリアー蛋白でもあるため、VWDでは第VIII因子活性も低下して、APTTが延長します。
出血時間(血小板関連検査)もAPTT(凝固検査)も延長する疾患は、先天性疾患ではVWDのみであり、後天性疾患では肝硬変などがあリマス(ただし肝硬変では、APTTよりもPTの方が延長しやすいです)。
c 血友病Aは、第VIII因子が欠損する先天性出血性疾患です。APTTが延長しますが、出血時間は正常です。関節内出血、筋肉内出血といった深部出血がみられやすいです。
d 血友病Bは、第IX因子が欠損する先天性出血性疾患です。APTTが延長しますが、出血時間は正常です。臨床症状は、血友病Aと同じです。
e ビタミンK欠乏症は、ビタミンK依存性凝固因子である血液凝固第VII、IX、X、II因子(半減期の短い順番)が低下する後天性出血性疾患です。
重症例ではAPTTが延長しますが、出血時間は正常です。
なお、ビタミンK欠乏症ではAPTTよりもPTの方が延長しやすいです。
(正解)b
(鑑別)
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CBT(コアカリキュラム)/PT/PT-INRについて
CBT(コアカリキュラム)の復元問題と解説です。
プロトロンビン時間〈PT〉が延長している.活性が低下しているのはどれか.
a 第IV因子
b 第V因子
c 第VI因子
d 第VII因子
e 第VIII因子
(ポイント)
PTは外因系凝固活性化機序を反映した検査です。
血液凝固第VII、X、V、II(プロトロンビン)、I因子(フィブリノゲン)活性の低下で延長します。
(選択肢解説)
a 第IV因子は死語に近いですが、カルシウムイオンを指しています。
カルシウムイオンがないと血液凝固は進行しません。
カルシウムイオンが低下すると純学問的にはPTは延長しますが、問題の文意から第IV因子はナンセンス選択肢と判断します。
b 血液凝固第X、V、II(プロトロンビン)、I因子(フィブリノゲン)活性が低下している場合には、PTもAPTTも延長します。
c 第VI因子は欠番です。ナンセンス選択肢です。
d 第VII因子活性が低下している場合には、PTは延長します(APTTは正常)。
e 第VIII因子活性が低下している場合には、APTTは延長します(PTは正常)。
(正解)b、d
(PT/PT-INRについて)
PT(prothrombin time):プロトロンビン時間
PT-INR(PT-international normalized ratio):プロトロンビン時間国際標準比
正常値
PT:用いる試薬により異なりますが、通常は、10〜12秒程度。
PT-INR:正常値は1.0。ワーファリンコントロール時には、INR 2〜3でコントロールすることが多いです。
意義
PTは、外因系凝固活性化機序を反映する検査です。
すなわち、凝固VII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)因子の活性低下で、PTは延長します(INRは上昇します)。
PTが延長することと、INRが上昇することは同義です。
ISI:PT試薬ごとに国際感受性指標 (International Sensitivity Index:ISI)が設定されています。
ISIが、1.0に近いPT試薬が好まれます。
PTが延長する(=INRが上昇する)病態
1) ワルファリン内服中:ワルファリンはビタミンKの拮抗薬。ビタミンK欠乏状態に伴い、VII、IX、X、IIの順番で凝固因子活性が低下します。VII因子が最も半減期が短いため、最初に低下します。そのため、ビタミンK欠乏症では、APTTよりもPTの方が先に延長します。
2) ビタミンK欠乏症:同上。
3) 肝不全:凝固因子は肝臓でできるため、肝不全ではPTやAPTTが延長します。
特に、半減期の短い第VII因子を反映するPTは、敏感に延長します。
4) 凝固第VII、X、V因子、プロトロンビン、フィブリノゲンの欠損症または、これらの凝固因子に対するインヒビター。
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CBT(コアカリキュラム)/止血機序
CBT(コアカリキュラム)の復元問題と解説です。
血管内皮においてコラーゲンと血小板を接着するのはどれか.
a Ca++
b 第VIII因子
c フィブリノーゲン
d 組織因子
e vWF
(ポイント)
止血のプロセスにおいて、まず血小板がコラーゲンに粘着します(血小板粘着)。
この際、von Willebrand因子(VWF)の介在が必要です。
ついで、フィブリノゲンを介在して血小板が凝集します(ここまでが一次止血)。
血小板上で多くの凝固因子が集合して最終的にトロンビンが形成されると、フィブリノゲンがフィブリンに転換します(ここまでが二次止血)。
(選択肢解説)
a Ca
++は、凝固活性化のいくつかのステップで必要です。
b 第VIII因子は、第IX因子の補酵素です。第VIII因子が先天性に欠損している疾患は、血友病Aです。
c フィブリノーゲンは血小板凝集時に、血小板間に介在します。
d 組織因子は、第VII因子とともに、外因系凝固活性化機序の最上流に位置します。
e vWFは、血小板が粘着する際に必要です。
(止血機序)図解します。
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CBT(コアカリキュラム)/APTT延長・PT正常
CBT(コアカリキュラム)の復元問題と解説です。
40歳の男性.幽門狭窄症で胃の部分切除を受けた.出血時間に異常はないが,APTT延長,PT正常であった.異常がある凝固因子はどれか.
a II
b V
c VII
d VIII
e IX
f X
g XI
h XII
i XIII
(ポイント)
PTが正常ということは、血液凝固VII、X、V、II(プロトロンビン)、I因子(フィブリノゲン)には異常ないと考えられます。
PTが正常で、APTTのみが延長している場合には、血液凝固XII、XI、IX、VIII因子のいずれかの活性が低下していることになります。
(正解)d、e、g、h
(APTTの延長する代表的疾患・病態)
1) 血友病A:先天性の第VIII因子欠損症。
2) 血友病B:先天性の第IX因子欠損症。
3) von Willebrand病(vWD):先天性のvon Willebrand因子(vWF)欠損症。vWFは、第VIII因子のキャリアー蛋白でもあります。vWDでは、第VIII因子を産生できますが、vWFがないために第VIII因子は安定して血中に存在できません。vWDでは、血中第VIII因子活性も低下してAPTTは延長します。
4) 後天性血友病A(第VIII因子インヒビター):第VIII因子活性が低下。
5) ビタミンK欠乏症:この疾患では、ビタミンK依存性凝固因子である、凝固VII、IX、X、II因子活性が低下します。まず半減期の短い第VII因子が低下するため、PTの延長が目立地ますが、さらに進行するとAPTTの延長もみられます。
6) ループスアンチコアグラント(LA):LA陽性では、APTTが延長することがあります。LAは抗リン脂質抗体症候群の診断に不可欠な検査です。
7) 肝不全:肝不全ではほとんど全ての凝固因子産生が低下するため、PT&APTTが延長します。初期には半減期の短い第VII因子をひっかけるPTの延長が目立ちますが、進行するとAPTTの延長もみられます。
8)検体へのヘパリンの混入:いわゆるartifactです。ヘパリンロック部位からの採血、透析回路からの採血、動脈留置カテーテルからの採血などでみられることがあります。
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