臨床研修医募集:能登北部・金沢・北陸
上画像は、平成24年4月18日の北国新聞のニュース(臨床研修医に関して)からです。
関係各位の多大なご努力で、医師不足が深刻な能登北部にも、光が見えてきているのでしょうか。
また、北陸地域における血液内科、呼吸器内科の医師不足は極めて深刻な状態にあります。
我田引水になってしまいますが、金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)への入局を大歓迎しています!
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上画像は、平成24年4月18日の北国新聞のニュース(臨床研修医に関して)からです。
関係各位の多大なご努力で、医師不足が深刻な能登北部にも、光が見えてきているのでしょうか。
また、北陸地域における血液内科、呼吸器内科の医師不足は極めて深刻な状態にあります。
我田引水になってしまいますが、金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)への入局を大歓迎しています!
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金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)の新人歓迎会が、平成24年4月14日(土)(於:金沢都ホテル)におこなわれました。
少しずつ、画像をアップしていきたいと思います。
1回目は、当科の中尾教授です。合成写真にしてみました。
管理人は、画像の合成作業中に中尾教授のお人柄を感じるようでした。
今後とも、多くの若き人達が、入局していただきたいと思っています。
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ビダーザ発売1周年記念講演会
【日 時】 平成24年 4月 20日(金) 19:00〜20:30
【会 場】 ホテル日航金沢 3F ラ・グランドゥ・ルミエール
* 製品紹介 骨髄異形成症候群治療剤 「ビダーザ注射用100mg」
* 一般講演 19:15〜19:30
『der(1;7)(q10;p10)を伴う治療関連骨髄異形成症候群に対しアザシチジンが有効であった73歳男性の1例』
【座長】 岡崎 俊朗 先生 [金沢医科大学 血液免疫内科学 教授]
【演者】 澤 愛子 先生 [石川県立中央病院 血液内科 診療部長 ]
* 特別講演 19:30〜20:30
『MDSの新規治療』
【座長】 中尾 眞二 [金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学 教授]
【演者】 石川 隆之 先生 [神戸市立医療センター中央市民病院 免疫血液内科 部長]
《主催》 日本新薬株式会社 金沢営業所
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02 | 研究会・セミナー案内
金沢感染症カンファレンス
日時:平成24年5月11日(金) 19:00〜20:30
会場:金沢大学附属病院 外来診療棟4階「宝ホール」
座長:金沢大学附属病院 血液内科 講師 山崎 宏人
症例提示19:00〜
特別講演19:30〜
「免疫不全患者の感染症」
独立行政法人国立国際医療研究センター
国際疾病センター 感染症内科 科長 大曲 貴夫 先生
閉会の辞:金沢大学附属病院 呼吸器内科 科長 笠原 寿郎
主催:塩野義製薬株式会社
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:04 | 研究会・セミナー案内
兼六園の桜:金沢大学附属病院より(for 研修医2)より続く。
(続く)兼六園の桜:金沢大学附属病院より(for 研修医4)へ
<リンク>
Web公開セミナーのご案内
「血友病治療の動向」
開催日時:2012年4月17日(火) 19:00〜20:00
座長:西田恭治先生(独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター感染症内科 医長)
演者(医師):天野景裕先生(東京医科大学臨床検査医学講座 准教授)
演者(患者):鈴木幸一さん
公開セミナー参加方法
血友病治療についてのバクスター株式会社ウェブサイト「ヘモフィリアギャラクシー」のTOPページからお入り下さい。当日は18:00より接続が可能になります。
*初めて参加される方は、視聴用ソフトが自動的にダウンロードされます。
従いまして本セミナー開始10分前にアクセス頂く事をお薦めします。
詳細は下記ホームページ上に接続方法のご案内を掲載します。
STEP1 「ヘモフィリアギャラクシー」ウェブサイトにアクセス
www.hemophiliagalaxy.org/
STEP2 「ヘモフィリアギャラクシー」のトップページにあるバナーをクリック
STEP3 特設ページにある「セミナーに参加」ボタンをクリック
*セミナーではチャット機能を通じてライブで質問することができます。
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:59 | 研究会・セミナー案内
兼六園の桜:金沢大学附属病院より(研修医の皆さんへ)より続く。
(続く)兼六園の桜:金沢大学附属病院より(for 研修医3)へ
<リンク>
兼六園は、金沢大学附属病院から歩いて数分です。!
研修医の皆さん、新しいことの連続で、ストレスがたまっていないでしょうか。
兼六園内を散策というのは如何でしょうか。
(続く)兼六園の桜:金沢大学附属病院より(for 研修医2)へ
<リンク>
金沢大学附属病院構内の桜の木にもようやく春がやってきました!
第三内科(血液・呼吸器内科) は、BSL学生さん、クリクラ学生さん、研修医の方々で満ちあふれています。
みなさんフレッシュな感じです。
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活性化プロテインC(APC)は、日本ではDICを対象に臨床試験が行われ有用性が報告されましたが、認可されませんでした。
関連記事:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果 <インデックス>
Aoki N, et al. A comparative double-blind randomized trial of activated protein C and unfractionated heparin in the treatment of disseminated intravascular coagulation. Int J Hematol. 2002; 75: 540-7.
一方、欧米では敗血症に対するAPCの効果が期待されてきましたが、有用性はないということで昨年に市場から撤退しました。N Engl J Medに報告された内容が、否定されたことになりますので、とても衝撃的です。
Bernard GR, et al. Efficacy and safety of recombinant human activated protein C for severe sepsis. Recombinant human protein C Worldwide Evaluation in Severe Sepsis (PROWESS) study group. N Engl J Med. 2001; 344: 699-709.
Martí-Carvajal AJ, et al. Human recombinant activated protein C for severe sepsis. Cochrane Database Syst Rev. 2012; 3: CD004388.
Thachil J, et al. The withdrawal of Activated Protein C from the use in patients with severe sepsis and DIC [Amendment to the BCSH guideline on disseminated intravascular coagulation]. Br J Haematol. 2012 Jan 9. doi: 10.1111/j.1365-2141.2011.09019.x. [Epub ahead of print]
「敗血症に対する遺伝子組換え活性化プロテインC(APC)」
著者名:Martí-Carvajal AJ, et al
雑誌名:Cochrane Database Syst Rev. 2012 Mar 14; 3: CD004388
<論文の要旨>
著者らは、重症敗血症および敗血症性ショックに対するAPCの有効性と安全性を検証しました。
無作為化比較試験(RCTs)の結果を集積しました(CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、BIOSIS、CINAHLより)。
全部で5つのRCTs(5,101例)での検討になりました。
重症敗血症の成人患者に対してAPCを投与しても28日後の死亡率を低下させませんでした。
また、APCの使用により出血の有害事象が増加しました(RR1.47、p=0.01)。
小児患者においても、APCは死亡率を低下させませんでした。
解析に用いられた臨床試験では特に大きな限界があった訳ではありませんが、ほとんどの臨床試験において一次エンドポイントやプロとコールの修正が行われていました。
APCが重症敗血症や敗血症性ショックに対して有効という証拠は得られませんでした。
加えて、APCにより出血の有害事象が増加しました。
以上、APCは使用すべきでないと考えられました。
(2011.10.25.に, PROWESS-SHOCK study の結果を受けて、Xigris (APC/、drotrecogin alfa) の市場からの撤退が決定されました。今回の解析はPROWESS-SHOCK studyの結果もふまえて、将来アップデートされる予定です)
<コメント>
敗血症に対するAPCの有用性を否定することになった報告ですが、実際にこの後APCは全ての市場、臨床試験から撤退するという結論になっています(本記事アップ時点では、PROWESS-SHOCK studyの全貌は公開されていません)。
ただし、注意すべき点は、これらの臨床試験や検討は、敗血症に対するAPCの有用性を検証したものであって、DICに対する評価ではないことです。
APCがDICに対して有用であるという本邦での臨床試験の報告がありますが、現在の医学標準からすると十分な臨床試験とは言い難く、APCがDICに対して有用かどうかは不明です。
<リンク>
DICに関するコクランレビューを紹介させていただきます。
「急性または慢性白血病に合併したDICに対する薬物療法」
著者名:Martí-Carvajal AJ, et al
雑誌名:Cochrane Database Syst Rev. 2011 Jun 15; 6: CD008562
<論文の要旨>
著者らは、急性または慢性白血病に合併したDICに対する薬物療法の有効性と安全性を検証しました。
無作為化比較試験(RCTs)の結果を集積しました(CENTRAL、MEDLINE、EMBASE、LILACS、African Index Medicusより)。
WHO Clinical Trials Registry PlatformのRCTsも追加しました。
全部で4つのRCTs(126例)での検討になりました。
これらの臨床試験では、活性化プロテインC(APC)、遺伝子組換え活性型トロンボモジュリン製剤(rTM)、トラネキサム酸(TA)、デルマタン硫酸(DS)に関する評価(死亡率、出血)が行われていました。
RCTsでは以下のような分類がなされていました。1)白血病群、非白血病群、2)白血病群のみ。
ただし、白血病の分類に関する情報はありませんでした。
測定結果と、死亡率や出血に関する報告に不一致があり、信頼できる結果を集積できませんでした。
評価の対象となったRCTsにはバイアスがかかっている危険性がありました。
急性または慢性白血病に合併したDICに対して、APC、rTM、TA、DSを投与して有効なのか有害なのか不明でした。
今後、十分に信頼性のあるRCTsが必要と考えられました。
その際、転帰は、院内死亡率、全死亡率、呼吸不全・腎不全・ショックからの離脱率、安全性に関して評価されるべきです。
出血の定義も標準化されるべきです。
<コメント>
この報告では、急性または慢性白血病に合併したDICに対する薬物療法の有用性を明確にしたエビデンスと言えるような臨床試験がないことを指摘しています。
その通りでだと思いますが、日本の臨床現場では、線溶活性化が強く出血が前面にでたようなDICに対してはメシル酸名ナファモスタット(フサン)が頻用されています。
急性前骨髄球性白血病(APL)では、ATRAがDIC治療そのものですが、ATRA症候群など芽球が増加する場合にはATRAでDICをコントロールできなくなることが多く、抗凝固療法(rTMなど)が必要となります。
<リンク>
平成24年4月5日(木)の北国新聞に金沢大学第三内科(血液内科)の森下英理子准教授の記事が掲載されました。
金沢大学第三内科は、血液内科、呼吸器内科ともに、伝統的に女性医師(女医) の多い科です。
将来の進路を考慮中の医学部学生さん、研修医のみなさん、金沢大学第三内科は女性医師を大歓迎していますので、どうぞよろしくお願いいたします。
<リンク>
遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(商品名:リコモジュリン)は、DICに対する特効薬として期待されています。
日本で行われた第三相臨床試験の結果は、欧文学会雑誌に報告されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17059423
今回紹介させていただく論文は、この臨床試験のサブ解析です。
「DIC合併感染症患者に対するトロンボモジュリン治療:第3相試験のサブ解析」
著者名:Aikawa, N. et al.
雑誌名:Shock 35: 349-354, 2011.
<論文の要旨>
感染症を基礎疾患とした播種性血管内凝固症候群(DIC)に対する遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)の治療効果を検討するために、二重盲見無作為比較試験(第3相臨床試験)の後方視的サブ解析を行いました。
この第3相臨床試験では、227症例(基礎疾患は感染症および造血器悪性腫瘍)が登録されており、rTM(0.06mg/kgを30分間で点滴静注、1日1回)またはヘパリン(8単位/kg/時を24時間)が6日間投与されました(ダブルダミー法)。
これらの症例のうち、感染症以外に起因する高度の血小板減少患者(造血期悪性腫瘍、再生不良性貧血)147例は、今回の解析から除外されました。
そのため、DICを合併した感染症患者80例が抽出され、後方視的サブ解析を行いました。
急性期DIC診断規準を用いて、7日目におけるDIC離脱率を評価しました。
また、28日目における死亡率を評価しました。
rTM治療群およびヘパリン治療群におけるDIC離脱率は、それぞれ67.5% (27/40)および 55.6%(20/36)でした。
また、28日目における死亡率は、それぞれ21.4%(9/42)および 31.6%(12/38)でした。
DICから離脱した患者での死亡率は、rTM治療群では3.7%(1/27)、ヘパリン治療群では15%(3/20)でした。
以上、rTMは感染症を基礎疾患としたDIC症例に対して有用と考えられました。
<リンク>
第XI因子は、生理的止血における関与は大きくないと考えられています。
そのため、第XI因子をブロックするような治療は、出血の副作用をアップさせることなく抗凝固作用を発揮するのではないかという期待があります。
今回紹介させていただく論文は、究極の血栓症とも言える播種性血管内凝固症候群(DIC)関連ですが、DIC以外の広く一般的な血栓症(参考:深部静脈血栓症/肺塞栓)に対しても有望ではないかと期待させてくれる報告です。
関連記事:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果、トロンボモジュリン製剤、トロンボモジュリン製剤(リコモジュリン):DIC治療薬
「敗血症モデルにおいて凝固第XI因子を抑制することで炎症および凝固異常を軽減する」
著者名:Tucker EI. et al.
雑誌名:Blood. 2012 Mar 22. [Epub ahead of print]
<論文の要旨>
重症細菌感染症では、しばしば全身的な血栓傾向および炎症反応の状態になり、播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症性ショック、多臓器不全をきたします。
接触相に関与する凝固因子である第XII因子、プレカリクレイン、第XI因子の活性化は、凝固活性化および炎症反応を促しますので、接触相に対して介入するような治療は敗血症に対して有効ではないかという考え方がありました。
しかし、重症感染症における接触相活性化の意義は、あまり明らかにされていませんでした。
著者らは、活性化第XII因子(FXIIa)による第XI因子活性化を選択的に抑制する抗体(14E11)を用いて、マウス腸管穿孔腹膜炎モデルに対する影響を検討しました。
その結果、マウスモデルに対して早期に14E11を用いた抗凝固療法を行いますと、TAT、IL-6、TNFαの上昇、血小板数低下、血栓沈着を抑制しました。
腸管穿孔後12時間以内に14E11を投与しますと有意に生存率を改善しました。また、用量を充分に増加させても、尾切断出血量を増やすことはありませんでした。
以上、重症腹部感染症(多細菌性)では第XI因子の活性化を誘導し、生体に不利益をもたらすことが確認されました。
そして、敗血症において第XI因子活性化を抑制したり、第XIIa因子の向凝固活性を抑制して抗凝固療法を行うことで、出血のリスクを増やすことなく播種性血管内凝固症候群(DIC)の発症を抑制できるものと考えられました。
<リンク>
第12回日本播種性血管内凝固症候群(DIC)研究会のプログラムと抄録が、日本DIC研究会のHPにアップされましたので、こちらのブログでも紹介させていただきます。
http://dic.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=6177
開催日:平成24年3月3日(土) 10:00―17:00
場所:東京千代田区丸の内三菱ビルコンファレンススクエアM+
当番幹事
北海道大学医学研究科 侵襲制御医学講座 救急医学分野 丸藤 哲
三重大学大学院医学系研究科 検査医学 和田英夫
テーマ
「理想のDIC診断基準とDIC治療の新展開」
プログラム抜粋(敬称略)
・岡本好司(北九州市立八幡病院 外科)「外科のDIC診断基準」
・射場敏明(順天堂大学 救急・災害医学)「DIC診療ガイドラインの比較」
・和田英夫「ISTH/SSCの取り組み」
・丸藤 哲「外傷急性期に見られる線溶亢進型DICとCoagulopathy of Trauma/Acute Coagulopathy of Trauma Shock (COT/ACOTS)」
・DIC診断基準 理想のDIC診断基準
ー国立病院機構高崎総合医療センター 内山俊正「厚生省DIC診断基準の成り立ちと現状の問題」
ー「プロスペクティブスタデイからわかること」 和田英夫(三重大学)
ー「理想のDIC診断基準―救急領域」 阪本雄一郎(佐賀大学救急医学)
ー「理想のDIC診断基準―内科領域」 朝倉英策(金沢大学)
・丸山征郎(鹿児島大学)「宿命病、あるいはトレードオフとしてのDIC 」
・池添 隆之 (高知大学) 「トロンボモジュリンの血管内皮細胞保護作用の検証」
・竹迫直樹 (国立病院機構災害医療センター血液内科)「TMの臨床成績I」
・川杉和夫 (帝京大学)「造血器悪性腫瘍に合併したDICに対するrTMの臨床効果」
・波部幸司先生(三重大学皮膚科学)「APS症例にDICを合併した2例」
詳細、抄録は、以下のリンク先までどうぞ。
http://dic.kenkyuukai.jp/information/information_detail.asp?id=6177
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36 | 血栓止血(血管診療)
JAK2遺伝子変異と血栓症:活性化プロテインC抵抗性(PS低下)より続く
関連記事:本態性血小板血症/真性赤血球増加症:血栓症(インデックス)
原発性骨髄線維症と血栓症
・JAK2遺伝子変異と血栓症:活性化プロテインC抵抗性(PS低下)
<リンク>
関連記事:本態性血小板血症/真性赤血球増加症:血栓症(インデックス)
「ETおよびPVにおけるトロンビン形成とAPC抵抗性 」
著者名:Marchetti, M. et al.
雑誌名:Blood 112: 4061-4068, 2008.
<論文の要旨>
著者らは、原発性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)症例におけるJAK2遺伝子変異(V617F)に伴う凝固亢進状態を評価するために、トロンビン形成能での検討を行いました。
トロンビン形成は、活性化プロテインC(APC)の存在下および非存在下で測定して、APC抵抗性は、normalized APC sensitivity ratio(nAPCsr)で表示しました。
血漿中の外因系経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)、総プロテインS、遊離型プロテインS(fPS)、プロトロンビン(FII)、第V因子(FV)、顆粒球エラスターゼを測定しました。
また、好中球表面上のCD11b(血中顆粒球エラスターゼ濃度とともに好中球活性化マーカーとして)をFACSで測定しました。
患者においては健常人と比較して、APC非存在下におけるトロンビン形成能は低かったですが、APC存在下におけるトロンビン形成能は高くなりました。すなわち、APC抵抗性の存在が示されました。
JAK2遺伝子変異(V617F)キャリアーにおいては、非キャリアーと比較して、nAPCsrは高値となり、特に、JAK2遺伝子変異のホモ接合体では最も高値となりました。
患者においては、FII、FV、fPS、TFPIは低値でした(主にJAK2遺伝子変異のキャリアーで)。
多変量解析の結果、遊離型プロテインS(fPS)の低値が、最もnAPCsrの高値(APC抵抗性)と関連していました。
患者においては血中顆粒球エラスターゼが上昇しており、fPSと負の相関を示しました(上図)。
以上、ETやPVにおいては、おそらくfPSの低下によって後天性APC抵抗性の病態になっているものと考えられました。
また、APC抵抗性の表現型は、JAK2遺伝子変異によって影響を受けるものと考えられました。
(続く)原発性骨髄線維症(JAK2遺伝子変異)と血栓症 へ
<リンク>
関連記事:本態性血小板血症/真性赤血球増加症:血栓症(インデックス)
「原発性骨髄線維症における血栓症:血栓症の既往が発症予知因子 」
著者名:Elliott, M.A.. et al.
雑誌名:Haematologica 95: 1788-1791, 2010.
<論文の要旨>
原発性骨髄線維症205例(年齢中央値62歳)(JAK2 V617F遺伝子変異を有することがあることで知られています)を対象とした後方視的検討によりますと、13.2%の症例では診断時または診断前に血栓症を発症していました。
その後の経過観察(中央値31ヶ月)では、22症例(10.7%)で血栓症の発症がみられ、その内訳は動脈血栓症9症例(4.4%)(動脈血栓9回)、静脈血栓16症例(7.8%)(静脈血栓24回)でした。
静脈血栓症を発症した大多数(71%)では、手術、CVカテーテル留置、ホルモン療法など、その他の外的な血栓症危険因子を有していました。
多変量解析(年齢、JAK2遺伝子変異、白血球数を共変量として含む)では、血栓症の既往のみが血栓症発症の予知因子でした(全体ではp=0.04)(動脈血栓症p=0.007、静脈血栓症p=0.02)。
以上、原発性骨髄線維症においては、診断後に動脈血栓症よりも静脈血栓症を発症しやすく、特に血栓症の既往のある症例では注意が必要と考えられました。
(続く)JAK2遺伝子変異と血栓症:活性化プロテインC抵抗性(PS低下) へ
<リンク>
骨髄増殖性疾患における血栓症と言えば、まず真性赤血球増加症、本態性血小板血症を想起すると思いますが、骨髄線維症においても本態性血小板血症に匹敵する血栓症の問題があります。
今回紹介させていただく論文は、原発性骨髄線維症における血栓症の頻度と危険因子について論じています。
関連記事:本態性血小板血症/真性赤血球増加症:血栓症(インデックス)
「原発性骨髄線維症における血栓症:頻度と危険因子 」
著者名:Barbui, T. et al.
雑誌名:Blood 115: 778-782, 2010.
<論文の要旨>
著者らは、欧州4施設で診療された原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis: PMF)707症例における心血管イベントの発症頻度および危険因子を検討しています。
236症例(33%)では死亡されており、全体的な死亡率は7.7%/年でした。
致命的あるいは非致命的な血栓症は51症例(7.2%)でみられ、1.75%/年でした。
多変量解析では、60歳以上であることとJAK2遺伝子変異陽性のみが有意に血栓症と関連していました。一方、白血球数15,000/μL以上と心血管イベントの既往は、関連性がわずかでした。
致命的あるいは非致命的な血栓症が最も高頻度となるのは、JAK2遺伝子変異陽性かつ白血球数15,000/μL以上の時でした。
今回の検討は今までの中で最も多いPMF患者を対象としています。
この検討結果により、PMFにおける心血管イベント発症は、本態性血小板血症状(ET)に匹敵する頻度と考えられました。
そして、高齢、JAK2遺伝子変異陽性、白血球増加が重要な危険因子と考えられました。
(続く)原発性骨髄線維症と血栓症:血栓症発症の予知因子 へ
<リンク>
DIC講演会の御案内です。多数お誘い合わせの上、ご出席いただければと思います。
特別講演のテーマは「造血器腫瘍に合併したDICに対するrTMの使用経験」です。
遺伝子組換え活性型トロンボモジュリン製剤(リコモジュリン)は、抗凝固活性のみならず抗炎症効果もある点が特徴です。
造血幹細胞移植後のSOS(VOD)などにも期待されています。
DIC講演会
日時:平成24年4月27日(金) 19時00分より
場所:金沢都ホテル 5階 「能登の間」
製品関連情報(19:00〜19:15)
「DIC治療薬 リコモジュリン最新情報」 旭化成ファーマ株式会社 学術
一般演題(19:15〜19:30)
特別講演(19:30〜20:30)
『造血器腫瘍に合併したDICに対するrTMの使用経験』
高知大学医学部 血液・呼吸器内科 講師 池添 隆之 先生
主催:旭化成ファーマ株式会社
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20 | 研究会・セミナー案内
北陸血栓止血検査懇話会は、検査技師中心の会ですが、医師、医学関係学生さんなど自由にご出席いただけます。
毎回、素晴らしい講師の先生にご講演いただいています。今回は、何と鈴木宏治先生の特別講演です。とても楽しみです。お誘い合わせの上、多数ご参加いただければと思います。
第9回 北陸血栓止血検査懇話会
日時: 2012年7月14日(土)(15:10〜17:00)
場所:金沢都ホテル7階
学術情報提供:15:10〜15:40「新しい抗凝固剤について」
特別講演:16:00〜17:00
講師:鈴鹿医療科学大学(元三重大学) 教授 鈴木宏治 先生
演題:「血栓症の分子病態—血栓止血検査の重要性—」
主催:積水メディカル株式会社
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55 | 研究会・セミナー案内