金沢大学・血液内科・呼吸器内科
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2014年6月30日

インヒビター保有の第V因子欠損症:濃厚血小板とノボセブン

論文紹介です。

関連記事:APTT血友病後天性血友病第V因子インヒビター第VIII因子インヒビターPT-INR

クロスミキシングテスト


「インヒビター保有の先天性第V因子欠損症の止血治療」

著者名: Ardillon L, et al.
雑誌名:Vox Sang 107: 97-99, 2014.


<論文の要旨>

先天性第V因子欠損症において新鮮凍結血漿(FFP)を使用しますと、まれに(約3%)第V因子インヒビターが出現することが知られていますが、その際の治療法は困難です。


著者らは重症の第V因子欠損症(FV<1IU/dL)においてインヒビターを発症した症例(46才、男性)を経験しました。

関節鏡検査の際にFFP 15ml/kg/dayを4日間使用したところ、30日後に第V因子インヒビター(1BU)が出現しました。

その後、最高8BUまで力価が上昇しました。

Day5において、腎血腫と血尿のためにHb<8.0 g/dalとなりました。

止血治療は遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)と濃厚血小板(PC)を用いました。

モニターはトロンビン形成試験(TGA)を用いました。


その結果、止血治療のためにrFVIIaを用いたところ効果は限定的でしたが、rFVIIaとともにPCを静注したところ劇的な効果がえられました。

その後の止血治療はPC単独でも有効でした。

しかし、TGAの結果と臨床効果の間には相関はみられませんでした。


PCの効果は血小板から遊離される第V因子のためと考えられますが、血中の抗体の影響をうけにくいため有効ではないかと考えられました。

<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38 | 出血性疾患

2014年6月29日

凝固異常出血でのrFVIIa用量と血栓塞栓症の発症頻度

論文紹介です。

関連記事:APTT血友病後天性血友病第V因子インヒビター第VIII因子インヒビターPT-INR

クロスミキシングテスト


「凝固異常を伴う出血に対するrFVIIaの用量と血栓塞栓症の発症頻度」

著者名: Bucklin MH, et al.
雑誌名:Thromb Res 133: 768-771, 2014.


<論文の要旨>

遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)の適用外使用は、血栓塞栓症の発症リスクを上昇させることが懸念されてきましたが、用量との関連を論じた報告はありません。

著者らは、2005〜2012年の間にrFVIIaの適用外使用の行われた全成人症例を対象として検討しました。


低用量使用群(L群:<50μg/kg)と高用量使用群(H群:≧50μg/kg)における血栓塞栓症発症率を一次エンドポイントとして、血栓塞栓症発症までの期間、動脈または静脈血栓症の頻度、死亡率を二次エンドポイントとしました。


上記の登録基準をみたした152症例のうち、L群は66症例、H群は86症例でした。

rFVIIaの平均使用量は、L群30.2±9.5μg/kg、H群99.8±64.7μg/kgでした。


その結果、血栓塞栓症の発症率は全体で12.5%でした。

L群では12例(14%)、H群では7例(10.6%)でした。

二次エンドポイントは、いずれも有意差はありませんでした。

心臓手術患者では20.8%、貫通性外傷患者では21.4%と特に高頻度でした(残りの患者では6.7%)。


以上、rFVIIaの用量によって血栓塞栓症の発症率に差はみられませんでしたが、全体での発症率が低く、サンプル数も小さいため、解析に第2種過誤が存在するかもしれません。


<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学

血液凝固検査入門(図解シリーズ)
播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:29 | 出血性疾患

2014年6月28日

小児の致命的出血に対するrFVIIaの有用性

論文紹介です。

関連記事:APTT血友病後天性血友病第V因子インヒビター第VIII因子インヒビターPT-INR

クロスミキシングテスト


「重症または致命的な出血をきたした非血友病小児に対するrFVIIaの有用性」

著者名: Blatny J, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 25: 326-332, 2014.


<論文の要旨>

著者らは致命的または重症の出血をきたした非血友病小児に対する遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)の有効性と安全性を検討しました。

SeveNBleeP登録(S登録)からのデータを用いました。


S登録は、非血友病患者における重症出血に対するrFVIIaの適用外処方に関する情報を収集するために、2005年に設置された国際登録です。

全部で191症例の登録があり、そのうち164例が検証されました。

164登録のうち、137症例でrFVIIaが出血エピソードに対して用いられました。

137回の治療のうち42回は新生児および1才以下の幼児に用いられました。


rFVIIaは、1才を超えた症例では血液検査(PT, INR, APTT, Ht)を改善し、出血量を減らし、血液製剤(赤血球輸血、FFP)使用量をへらしました。

一方、新生児および1才以下の幼児においては、rFVIIaは血液製剤使用量を減らしませんでしたが、FFP使用量は少なくなる傾向がみられました。

rFVIIaの投与に関連した血栓症は、幼児1例にみられましたが、その他には重篤な有害事象はみられませんでした。


以上、小児の非血友病性出血に対して、rFVIIaは1才を超えた症例では血液製剤を減らすのに有用と考えられましたが、1才以下の症例での有効性は不明と考えられました。


<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11 | 出血性疾患

2014年6月27日

同種造血幹細胞移植後の肺胞出血とrFVIIa(ノボセブン)

論文紹介です。

関連記事:APTT血友病後天性血友病第V因子インヒビター第VIII因子インヒビターPT-INR

クロスミキシングテスト


「同種造血幹細胞移植後の肺胞出血に対するrFVIIa」

著者名: Elinoff JM, et al.
雑誌名:Biol Blood Marrow Transplant 20: 969-978, 2014.


<論文の要旨>

同種造血幹細胞移植後の肺胞出血(AH)の死亡率は60%を超えており、支持療法やステロイド大量療法が行われます。

著者らはAHに対して遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)を用いた場合の利点とリスクについて後方視的解析を行いました。


2005〜2012年の期間で、37症例においてAH57回が確認されました。

14回(14症例)はステロイドのみで治療され、43回(23症例)はステロイドとrFVIIaによる治療が行われました。

ステロイド使用量の中央値は1.9mg/kg/day(IQR0.8〜3.5mg/kg/day:メテルプレドニゾロン換算)であり、両群間に有意差はありませんでした。

rFVIIa投与量の中央値は41μg/kg(IQR:39〜62μg/kg)であり、投与回数の中央値は3回(IQR:2〜17回)でした。

感染症の合併は65%にみられました。

また72%の症例では人工呼吸器が必要となり、42%では生存し抜管可能となりました。


rFVIIaを投与しても、AHからの回復期間、人工呼吸器装着期間、酸素必要期間、院内死亡率に差はみられませんでした。

rFVIIa使用によって、4/43回(9%)で血栓症を併発しました。


以上、同種造血幹細胞移植後のAHにおいて、ステロイドにrFVIIaを併用しても利点はなく、臨床的要素(感染症の悪化、多臓器不全、原疾患の再燃)の方が重要と考えられました。


<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学

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参考:血栓止血の臨床日本血栓止血学会HPへ)
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:50 | 血栓性疾患

2014年6月26日

石川県呼吸器フェローシップセミナー:インデックス

平成26年6月14〜15日に石川県呼吸器フェローシップセミナーが行われました。

金沢大学呼吸器内科(第三内科)のスタッフも大活躍でした。

<インデックス>

1)学生、研修医併せて総勢20名参加

2)懇親会

3)呼吸器内科の魅力

4)当科(第三内科)の木村病棟医長

 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:14 | 呼吸器内科

2014年6月25日

石川県呼吸器フェローシップセミナー(4)

平成26年6月14〜15日に石川県呼吸器フェローシップセミナーが行われました。

金沢大学呼吸器内科のスタッフも大活躍でした。

当科(第三内科)の木村病棟医長も活躍しました!  

 
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:01 | 呼吸器内科

2014年6月24日

石川県呼吸器フェローシップセミナー(3)

平成26年6月14〜15日に石川県呼吸器フェローシップセミナーが行われました。

金沢大学呼吸器内科のスタッフも大活躍でした。

呼吸器内科の魅力が十分に伝わったのではないでしょうか。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:48 | 呼吸器内科

2014年6月23日

石川県呼吸器フェローシップセミナー(2)

平成26年6月14〜15日に石川県呼吸器フェローシップセミナーが行われました。

金沢大学呼吸器内科のスタッフも大活躍でした。

懇親会も盛り上がっています!

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33 | 呼吸器内科

2014年6月22日

石川県呼吸器フェローシップセミナー(1)

平成26年6月14〜15日に石川県呼吸器フェローシップセミナーが行われました。

金沢大学呼吸器内科のスタッフも大活躍でした。

学生、研修医併せて総勢20名参加され、大盛況に終わりました。

ありがとうございます。

呼吸器3
 
呼吸器2
 
呼吸器1
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31 | 呼吸器内科

2014年6月21日

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会:インデックス

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会:インデックス

平成26年6月8日(日)

<インデックス>
 
1)日曜日
2)先輩からのメッセージ
3)香坂先生の特別講演
4)懇親会開始
5)新入医局員
6)懐かしい先生
7)医局長
8)全体写真
9)中尾眞二教授
10)話に花が咲きます
11)関連病院(I)
12)関連病院(II)
13)懇親会中締め
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20 | その他

2014年6月20日

金沢大学第三内科同門会(13)懇親会中締め

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(13)

平成26年6月8日(日)

中締めは、NTT西日本金沢病院長 上田幹夫先生にしていただきました。

楽しい和気藹々とした懇親会を総括していただきました。
ありがとうございます。
 
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:03 | その他

2014年6月19日

金沢大学第三内科同門会(12)関連病院(II)

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(12)

平成26年6月8日(日)
 
関連病院の先生方にはいつも大変にお世話になり、ありがとうございます。

第三内科の良き伝統を守りながら、交流を深めていければと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
 
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3403
 
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17 | その他

2014年6月18日

金沢大学第三内科同門会(11)関連病院(I)

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(11)

平成26年6月8日(日)

関連病院の先生方にはいつも大変にお世話になり、ありがとうございます。
御礼申し上げます。
 
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3402
 
3410
 
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:03 | その他

2014年6月17日

金沢大学第三内科同門会(10)話に花が咲きます

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(10)

平成26年6月8日(日)

あちらこちらで、話に花が咲いています!

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話
 
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49 | その他

2014年6月16日

金沢大学第三内科同門会(9)中尾眞二教授

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(9)

平成26年6月8日(日)

中尾眞二教授の納まった画像をアップさせていただきます。

いつもスマイリーな教授です。

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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:24 | その他

2014年6月15日

金沢大学第三内科同門会(8)全体写真

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(8)

平成26年6月8日(日)

 全体写真を早々にアップさせていただきます。
多くの先生にご出席いただき、ありがとうございました。
 
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:34 | その他

2014年6月14日

金沢大学第三内科同門会(7)医局長

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(7)

平成26年6月8日(日)

 
近藤医局長はお立場上、いろいろとお忙しかったことと存じます。
医局員のために医局長としての激務をこなしていただり、いつもどうもありがとうございます。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:21 | その他

2014年6月13日

金沢大学第三内科同門会(6)懐かしい先生

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(6)

平成26年6月8日(日)

 
久しぶりの先生にもたくさんお会いしました。お元気なご様子を拝見できるのは、本当に嬉しいものですね。

これが、同門会の醍醐味ですね。ありがとうございます。

 
懇親会1
 
懇親会
 

<リンク>
「臨床に直結する血栓止血学」
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:48 | その他

2014年6月12日

金沢大学第三内科同門会(5)新入医局員

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(5)

平成26年6月8日(日)


懇親会では新入医局員の紹介もしていただきました。

お仕事の都合で全員のご紹介ができず、申し訳ございませんでした。  

新人
 
 
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57 | その他

2014年6月11日

金沢大学第三内科同門会(4)懇親会開始

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(4)

平成26年6月8日(日)

懇親会が始まろうとしています。   

開始1
 
開始2
 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:42 | その他

2014年6月10日

金沢大学第三内科同門会(3)香坂先生の特別講演

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(3)

平成26年6月8日(日)

特別講演は、金沢大学人間社会環境研究科地域創造学専攻准教授の香坂玲先生に「人と里山里海の共生を考える〜世界農業遺産の地 石川 から〜」の講演を頂きました。

個人的には細菌はまだ10%しか既知でないことや、微生物ハンターの存在などは大変興味深かったです。

特別講演のあとは全体写真撮影となり、そして懇親会へと移行しました。

香坂先生1
 
香坂先生2
 
懇親会へ

 


<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:54 | その他

2014年6月9日

金沢大学第三内科同門会(2)先輩からのメッセージ

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(2)

平成26年6月8日(日)

第三内科先輩からのメッセージでは、石井陽先生、小澤眞二先生から素晴らしいご講演をいただきました。同門会会員一同、感銘いたしました。ありがとうございます。

2 

3364

1

 

<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」

 

投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:30 | その他

2014年6月8日

金沢大学第三内科同門会(1)日曜日

金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)同門会総会/開講記念会(1)

平成26年6月8日(日)

以前は土曜日に開催していましたが、近年は日曜日開催になっています。日曜日の方が、より多くの先生方に集まっていただけるようです。

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3354
 
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<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05 | その他

2014年6月7日

金沢大学第三内科同門会総会/開講記念会:H26年6月8日(日)

第31回金沢大学第三内科同門会総会
第46回金沢大学第三内科開講記念会


1.日時:平成26年6月8日(日)

・同門会総会:午後1時00分〜

・開講記念会:午後1時30分〜

2.場所:金沢エクセルホテル東急
 5階「ボールルーム」


< 第31回 同門会総会 > (13:00〜13:20)

1. 同門会長挨拶   近藤 邦夫

2. 役員会報告・会計報告   朝倉 英策

3. 会計監査報告   中積 泰人


< 第46回 開講記念会 >
(13:30〜15:00)

1. 教授挨拶   中尾 眞二

2. 教室便り(10分間)   近藤恭夫

3. 優秀研究発表(10分間以内/1研究室)

・血液・移植研究室(司会:近藤恭夫)
 「症例特異的PCRを用いた骨髄腫微少残存病変検出法の確立」高松 博幸

・血栓止血研究室(司会:朝倉 英策)
  「動脈瘤合併DICに対する新規経口抗凝固薬」林朋恵

・呼吸器研究室(司会:笠原 寿郎)
「気管支平滑筋収縮をトリガーとする咳嗽に対する炎症メディエーターの影響」岡崎 彰仁

★<金沢大学第三内科 優秀研究賞>授与   近藤 邦夫


4. 第三内科先輩からのメッセージ(10分間×2)

司会:近藤恭夫

・心療内科石井クリニック   石井 陽

・福井社会保険病院   小澤 眞二


5.教授講演(20分間)         
司会:大竹 茂樹
「 第3内科(血液・呼吸器内科)の現状と将来 」 中尾 眞二


6.特別講演(15:10〜16:10) 司会:朝倉 英策

「人と里山里海の共生を考える〜世界農業遺産の地 石川 から〜」

香 坂 玲 先生
(所属:金沢大学人間社会環境研究科地域創造学専攻准教授)

★記念全体写真(16:20〜16:50)

★ 懇親会(17:00〜)を行います。


<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18 | 医局内行事・研修医・専門医

2014年6月6日

血友病検査:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。受験生の記憶による再生問題ですので、実際の問題とは違っている可能性があります。


血友病の凝固能検査結果について正しいのはどれか。

検査

a 1
b 2
c 3
d 4
e 5


(解説)

出血性疾患と基本的な検査の関係を問う良問です。

・    血友病では出血時間は正常です。

・    血友病ではAPTTが延長します。

・    血友病ではPTは正常です。


(正解)
c


(備考)

<出血時間の延長する病態>

1.    血小板数の低下。
2.    血小板機能の低下。
3.    血管壁の脆弱性がある場合。

(疾患/病態)

特に2.のスクリーニング検査としての意義が大きいです。出血時間が延長する代表的な疾患としては、血小板無力症、von Willebrand病、Bernard-Soulier症候群、尿毒症、非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)内服、抗血小板薬内服時など。

(備考)血友病は出血性疾患であるが、上記3項目のいずれにも相当しないために、出血時間は正常です。


<PTの延長する病態>

VII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)のいずれか一つ以上の凝固因子活性が低下している場合に、PTが延長します。


(疾患/病態)

ワルファリン内服中、ビタミンK欠乏症、肝不全(肝硬変、劇症肝炎、慢性肝炎など)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、凝固第VII・X・V・II・I因子の欠損症またはこれらの凝固因子に対するインヒビター、低栄養状態などです。

 

<APTTの延長する病態>

XII、XI、IX、VIII、X、V、II(プロトロンビン)、I(フィブリノゲン)のいずれか一つ以上の凝固因子活性が低下している場合に、APTTが延長します。

(疾患/病態)

血友病Aまたは第VIII因子インヒビター、血友病Bまたは第IX因子インヒビター
、von Willebrand病、先天性第XII、XI因欠損症(または、これらの凝固因子に対するインヒビター)、

凝固第X・V・II・I因子の欠損症またはこれらの凝固因子に対するインヒビター、ループスアンチコアグラント、ヘパリン投与時、ワルファリン内服中またはビタミンK欠乏症(ただしPTの方が延長しやすい)で延長します。




<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49 | 医師国家試験・専門医試験対策

2014年6月5日

血栓/血管内皮:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。受験生の記憶による再生問題ですので、実際の問題とは違っている可能性があります。

血栓形成を促進させる因子はどれか.

a プロスタサイクリン
b アンチトロンビンIII
c トロンボキサンA2
d 一酸化窒素
e プラスミノーゲンアクチベーター


(解説)

抗血栓的に作用する因子であるか、向血栓的に作用する因子であるかを理解していれば解答可能です(参考:血管内皮:トロンボモジュリン、ヘパリン様物質、PGI2、NO、t-PA)。

a プロスタサイクリン(別名:PGI2)は血管内皮から産生されて、血小板機能抑制作用、血管拡張作用(血流を増加させる)により、抗血栓的に作用します。

b アンチトロンビンIII(ATIII)は、最近は単にアンチトロンビン(AT)と呼ばれることが多いです。トロンビンや活性型第X因子(FXa)などの活性型凝固因子と1対1結合することで抗凝固活性を発揮します。ATはヘパリンと結合することで、抗凝固活性が飛躍的に増強します。

c トロンボキサンA2(TXA2)は血小板から産生されて、血小板機能活性化作用、血管収縮作用(血流を減少させる)ことで、向血栓的に作用します。

d 一酸化窒素(nitric oxide:NO)はPGI2同様に、血管内皮から産生されて、血小板機能抑制作用、血管拡張作用により、抗血栓的に作用する。

e 組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)は血管内皮から産生される線溶因子です。t-PAはプラスミノゲンをプラスミンに転換して、プラスミンが血栓(フィブリン)を分解して、FDPにします。


(正解)
c

(備考)

 血管内皮の抗血栓機序
血管内皮には上記のような抗血栓作用を有した物質が存在します。

1)    トロンボモジュリン(TM):トロンビン(T)と結合するのみでなく、トロンビン-トロンボモジュリン複合体は、プロテインC(PC)を活性型プロテインC(APC)に転換します。

APCは、活性型V因子(Va)と活性型VIII因子(VIIIa)を不活化することでも、抗凝固活性を発揮します。

2)    ヘパリン用物質:抗凝固作用を有するアンチトロンビン(AT)と外因系経路インヒビター(TFPI)が結合しています。

3)    一酸化窒素(NO):血小板機能抑制作用、血管拡張作用を有します。

4)    PGI2:NOと同じ。


<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:34 | 医師国家試験・専門医試験対策

2014年6月4日

血小板:CBT(コアカリ)

CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。受験生の記憶による再生問題ですので、実際の問題とは違っている可能性があります。

血小板を作るのはどれか.

a 巨核球
b 網赤血球
c 形質細胞
d 単球
e 好酸球


(解説)

血球は骨髄で産生されます。血小板は巨核球から産生されます。

巨核球はその名の如く巨大な核を有し、骨髄中最も巨大な細胞です。

骨髄塗抹標本では、引き終わりに観察されやすいです。

a 巨核球から血小板が産生されます。

b 赤芽球→網赤血球→赤血球と分化します。

c 形質細胞は抗体を産生します。なお、骨髄腫では、異常な形質細胞が増加します。

d 単芽球→前単球→単球と分化します。

e 好酸球は白血球分画の一つで、アレルギー反応の制御を行っています。


(正解)

a


(備考)

骨髄において巨核球の細胞質が分解して血小板が産生されます。

巨核球が増加する疾患としては、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、原発性血小板血症、真性多血症、骨髄繊維症などが知られています。

巨核球が減少する疾患としては、再生不良性貧血などが知られています。

 

<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23 | 医師国家試験・専門医試験対策

2014年6月3日

血栓症の原因:CBT(コアカリ)の問題

CBT(コアカリ)の問題紹介と解説です。受験生の記憶による再生問題ですので、実際の問題とは違っている可能性があります。


血栓症の原因にならないのはどれか。

A.    第VIII因子欠損症
B.    プロテインS欠損症
C.    プロテインC欠損症
D.    アンチトロンビンIII欠損症
E.    トロンボプラスチン欠損症


(解説)

A:第VIII因子の先天性欠損症は、血友病Aです。関節内出血、筋肉内出血などの深部出血がみられます。第IX因子の先天性欠損症は、血友病Bです。

B:プロテインSは、プロテインCの補酵素です。いずれも、アンチトロンビン(AT)同様に、凝固阻止因子です。

C:活性化プロテインCは、活性型V因子と活性型VIII因子を不活化することで、抗凝固活性を発揮します。

D アンチトロンビンIIIは近年は単にアンチトロンビンということが多いです。トロンビン、活性型X因子などの活性型凝固因子を不活化します。

E トロンボプラスチン欠損症という病気はありません。ただし、〜欠損症という病気で、医学部生が知っているべき血栓性疾患はB、C、D以外に思い当たりません。どのような問題だったのでしょうね。


(備考)

血液学的な血栓性素因として、以下があります。

1.先天性凝固阻止因子欠乏症

・アンチトロンビン欠損症
・プロテインC欠損症
・プロテインS欠乏症

2.線溶異常症

・プラスミノゲン異常症
・高Lp(a)血症

3.後天性血栓性素因

・抗リン脂質抗体症候群:抗カルジオリピン抗体、ループスアンチコアグラントを測定する。
・高ホモシステイン血症
 

 
<リンク>
「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:15 | 医師国家試験・専門医試験対策

2014年6月2日

急性前骨髄球性白血病(APL)とDIC

CBT(コアカリ)問題の紹介と解説です。

骨髄血塗抹May-Giemsa(メイ・ギムザ)染色標本を示す(註:すぐに分かるAPL細胞です)。
合併症として最も懸念されるのはどれか。


A.    深部静脈血栓症
B.    狭心症
C.    腎盂腎炎
D.    DIC
E.    関節内出血


(解説)

A:深部静脈血栓症(DVT)の危険因子としては、脱水、肥満、妊娠・出産、経口避妊薬、下肢骨折・外傷、手術後(特に骨盤内臓・整形外科領域)、下肢麻痺、長期臥床、ロングフライト、悪性腫瘍、心不全、ネフローゼ症候群、血栓性素因(先天性アンチトロンビン欠損症、プロテインC欠損症、プロテインS欠損症、抗リン脂質抗体症候群など)などが知られています。

B:高コレステロール血症、糖尿病、喫煙などが狭心症の危険因子です。

C:急性腎盂腎炎は、DICの基礎疾患の一つです。

D:DICの基礎疾患としては、敗血症、急性白血病、固形癌、産科合併症(常位胎盤早期剥離,羊水塞栓)、外傷、熱傷、膠原病(特に血管炎合併例)、ショック、大動脈瘤、劇症肝炎、肝硬変、急性膵炎などが知られています。

特に、急性前骨髄球性白血病(APL)では、DICは必発です。

E 関節内出血は、血友病の出血症状として有名です。

(備考)

骨髄血塗抹May-Giemsa(メイ・ギムザ)染色標本は、faggotがみられるAPL細胞でした。

急性前骨髄球性白血病(APL)は、線溶亢進型DICを合併することで有名です。しばしば、重症の出血症状をきたします。

DICの検査所見としては、FDP上昇、D-ダイマー上昇、フィブリノゲン低下、プロトロンビン時間延長などがあります。

なお、急性白血病では、DIC合併の有無と関係なく血小板数は低下するため、血小板数はDICの診断に用いることはできません。

 
<リンク>
「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53 | 医師国家試験・専門医試験対策

2014年6月1日

新しいDIC診断基準へ:インデックス

新しいDIC診断基準へ(9)改訂へより続く

しみじみわかる血栓止血 Vol.1 DIC・血液凝固検査編 リンク


新しいDIC診断基準へ:インデックス

1)現行基準の問題点

2)基礎疾患/臨床症状

3)プロトロンビン時間(PT)

4)分子マーカー:TAT・SF・F1+2

5)FDP/D-ダイマー

6)フィブリノゲン

7)血小板数

8)アンチトロンビン(AT)

9)改訂へ


DIC の病型分類: Classifying types of disseminated intravascular coagulation: Clinical and animal models. Journal of Intensive Care 2:20, 2014

 
<リンク>
「臨床に直結する血栓止血学」


投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:02 | DIC

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