後天性von Willebrand病:VWFpp/VWF抗原比
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「後天性von Willebrand病:VWFpp/VWF抗原比による寛解予知」
著者名:Lee A, et al.
雑誌名:Blood 124(5): e1-e3, 2014.
<論文の要旨>
著者らは、自己免疫性疾患を有しvon Willebrand因子(VWF)に対する抗体が出現した後天性von Willebrand病(AVWS)の症例を報告しています。
診断時には、VWF活性、VWF抗原、VWFマルチマー、第VIII因子活性はほとんど検出されませんでしたた。
VWFプロペプチド(VWFpp)は上昇しており、またVWFpp/VWF抗原比(VWFpp:Ag)は高度に上昇しており、VWFクリアランスの上昇が示唆されました。
免疫抑制療法を行ったところ臨床症状は軽快したもののVWFpp:Agは高値(正常の2倍)が持続したために、VWF抗体は残存しVWFのクリアランスは亢進したままと考えられました。
すなわち、VWFの産生が亢進しているために代償されている病態と考えられました。
本例は、VWFpp:Agが再度著しく高値となった時点で再発しました。
その後、VWFpp:Agが正常化したときに初めてVWF抗体は検出されなくなり完全寛解となりました。
以上、再発と寛解を繰り返すAVWSにおいて、VWFpp:Agが寛解状態を評価する上で有用と考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:58
| 出血性疾患
遺伝性出血性毛細血管拡張症とトラネキサム酸
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「遺伝性出血性毛細血管拡張症に鼻出血に対するトラネキサム酸治療(第IIIB相臨床試験)」
著者名:Geisthoff UW, et al.
雑誌名:Thromb Res 134: 565-571, 2014.
<論文の要旨>
鼻出血は遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)に最も高頻度にみられる症状ですが、適切な治療法はありません。
しばしば重症の貧血をきたしQOLを低下させます。
HHTにおける鼻出血に対して抗線溶薬であるトラネキサム酸が有効ではないかと指摘されています。
著者らはこの点について明らかにすべく検討しました。
プラセボを対照とした二重盲検無作為cross-over臨床試験(IIIB相)で、トラネキサム酸1gまたはプラセボが3ヶ月間(1日3回)経口投与され、合わせて6ヶ月間の内服としました。
HHT22症例が検討症例でした。
その結果、Hbの有意な変動はありませんでした。
鼻出血スコアによる評価では、トラネキサム酸によりプラセボ内服期間中と比較して54%の減少をきたしました(P=0.0031)。
副作用はみられませんでした。
以上、トラネキサム酸(TA)はHHTにおける鼻出血を減少させるものと考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52
| 出血性疾患
鼻出血は冬期多い:遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)他
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「鼻出血の季節性変化と予測因子」
著者名:Purkey MR, et al.
雑誌名:Laryngoscope 124: 2028-2033, 2014.
<論文の要旨>
鼻出血頻度の季節性変化、年齢との関係、各種危険因子について検討しました。
対象は、鼻出血のために2008年〜2012年に入院または外来受診となった2,405例(3,666回)です。
その結果、多変量解析を行ったところ、鼻出血の危険因子としては、アレルギー性鼻炎(AR)、慢性副鼻腔炎(CRS)、凝固異常、遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)、造血器悪性腫瘍、高血圧症(HTN)が挙げられました。
鼻出血は寒い時期そして高齢者でより高頻度にみられた。
以上、鼻出血は冬期により生じやすく、AR、CRS、凝固異常、HHT、造血器悪性腫瘍、HTNの患者において、鼻出血の頻度が高いものと考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47
| 出血性疾患
遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT):舌の赤い丘疹
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「片麻痺をきたした症例における舌の丘疹」
著者名:Chiu HY, et al.
雑誌名:JAMA 312: 741-742, 2014.
<論文の要旨>
著者らは、片麻痺で受診した症例において舌に赤い丘疹のあることを確認したことで容易に診断された教育的症例を報告しています。
症例は39才女性で、急激な頭痛、右片麻痺、発熱がみられました。
頭部CTでは左前頭頂葉に輪状に造影される病変が指摘されました。
本症例では舌、体幹、四肢に多数の丘疹がみられました。
また、小児期より鼻出血を繰り返していました。
遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)を基礎疾患として、脳腫瘍をきたした症例と診断されました。
舌の毛細血管拡張性に起因する丘疹および繰り返す鼻出血に遭遇したら、HHTを疑う必要があります。
HHTでは動静脈シャント病変がみられることがあり、脳膿瘍をきたすことがあります。
そのため、CT検査により、肺や肝の動静脈奇形の有無を精査することが重要です。
また、出血の家族歴(HHTは常染色体優性遺伝)や鼻出血などのHHT特有の症状の有無を聴取することが肝要です。
以上、脳膿瘍や鼻出血の症例では、舌の毛細血管拡張性病変を確認することでHHTの迅速な診断が可能となる場合があります。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:41
| 出血性疾患
遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)とSurgiflo
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
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「遺伝性出血性毛細血管拡張症の再発性鼻出血に対する新しい治療法」
著者名:Gantone E, et al.
雑誌名:Am J Emerg Med 32: 952, e1-e2, 2014.
<論文の要旨>
遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT、あるいはオスラー病)は、皮膚、消化管粘膜、気道粘膜における血管拡張性の血管異形成で特徴つけられます。
耳鼻科領域では、鼻出血が最も高頻度にみられる症状であり、鼻中隔の穿孔をきたすこともあります。
また鼻出血が高度の症例では貧血をきたします。
くり返す鼻出血に対して、いくつかの治療法では失敗に終わったり、あるいは観血的で痛みを伴う治療もあるため、簡単で確実な効果の期待できる治療法が望まれます。
最近、Surgiflo(ゼラチンとトロンビンの配合された外用薬)が鼻出血に対して適用する方法が提案されています。
著者らは、鼻出血を繰り返すHHTの外来患者に対して、Surgifloが有効であった3症例を報告しています。
今後、HHTの難治性鼻出血に対して期待できる治療法ではないかと考えられます。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:30
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血液内科学卒業試験:血液凝固検査
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
9. 血栓止血関連マーカーの変動を示した下記の記載のうち正しいものはどれか。1つ選べ。
|
疾患/病態 |
出血時間 |
PT |
APTT |
HPT |
a |
第V因子インヒビター |
正常 |
正常 |
延長 |
正常 |
b |
肝硬変 |
正常 |
延長 |
延長 |
低下 |
c |
先天性第XIII因子欠損症 |
正常 |
正常 |
延長 |
正常 |
d |
アスピリン内服 |
延長 |
正常 |
正常 |
低下 |
e |
von Willebrand病 |
延長 |
正常 |
延長 |
正常 |
PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
HPT:ヘパプラスチンテスト
(解説)
a. 第V因子インヒビターでは、PTは延長します。
b. 肝硬変では血小板数が低下して、出血時間は延長します。
c. 先天性第XIII因子欠損症では、APTTは正常です。
d. アスピリン内服してもHPTは正常です。
e. von Willebrand病では、出血時間とAPTTが延長します。
(正答)e
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:12
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血液内科学卒業試験:骨髄異形成症候群& EBウイルス
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
6. 造血必須物質に関する以下の記載のうち誤りはどれか。1つ選べ。
a. 発作性夜間血色素尿症では鉄欠乏が起こりやすい。
b. 長期経腸栄養患者では亜鉛欠乏による貧血が起こりすい。
c. 代謝拮抗薬投与は葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血をひき起こす。
d. ビタミン B12欠乏性貧血は菜食主義者に起こりやすい。
e. 鉄欠乏性貧血の治療には酸化鉄が用いられる。
7. 骨髄異形成症候群の予後に影響を与える因子はどれか。3つ選べ。
(1) 血小板減少の程度
(2) 染色体異常の種類
(3) 骨髄中の芽球の割合
(4) 網状赤血球数
(5) 骨髄細胞における異形成の程度
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
8. EBウイルスが発症に関与するリンパ系腫瘍はどれか。3つ選べ。
(1) 血管内大細胞型B細胞リンパ腫
(2) リンパ形質細胞性リンパ腫
(3) 移植後リンパ増殖性疾患
(4) 節外性NK/T細胞リンパ腫
(5) ホジキンリンパ腫
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)
6)b
7)a
8)e
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:56
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血液内科学卒業試験:貧血
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
25歳の男性。
数日前から咽頭痛、鼻汁などの風邪症状を認めていたが、試験前であったため無理をして大学に通い、試験勉強を続けていた。
今朝起きたところ強い倦怠感を覚えた。
無理をして試験は受けたが、倦怠感が持続するため救急外来を受診した。
血液所見:赤血球数320万/μl、Hb 9.8g/dl、Ht30%、白血球数7,800/μl、血小板数21.4万/μl、網赤血球8.8万/μl、血清総蛋白 5.2g/dl、LDH 190 IU/l、総ビリルビン 1.2 mg/dl、間接ビリルビン0.3 mg/dl、CRP 0.1mg/dl。末梢血塗抹標本をスライドDに示す。
貧血の原因として可能性が高いものはどれか。1つ選べ。
a. 鉄欠乏性貧血
b. 慢性炎症に伴う貧血
c. 出血による貧血
d. 赤芽球癆
e. 溶血性貧血
(正答)c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37
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血液内科学卒業試験:肝腫大
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
4. 40歳の女性。
半年前に受けた健康診断でAST 36 IU/l、 ALT 30 IU/L、γ-GTP 237 IU/lなどの異常を指摘された。
近医で再検査を受けたところこれらの検査値は改善していた。
1か月前より腹部の膨満感が出現したため、大学病院を受診。
肝生検(スライド4)の結果、血液内科での治療が必要と判断された。
身体所見:眼瞼結膜貧血なし、球結膜黄疸なし。右肋弓下に肝を5横指触知する。脾は触知しない。
血液所見:
赤血球数394万、Hb 10.2g/dl、Ht 31.1%、白血球数7,590(好中球68%、リンパ球26%、単球2%、好酸球2%、好塩基球1%、骨髄球1%)、血小板数33.1万、網赤血球5.9万、ALP 721 IU/l (肝性(高分子) 13.7 %、肝性 59.2 %、骨性 14.7 %、小腸性 12.4 %), γ-GTP 314 IU/l、AST 38 IU/l、ALT 25 IU/l、LDH 217 IU/l、NT-proBNP 647 pg/ml、BNP 134.4 pg/ml、血清蛋白免疫電気泳動でベンスジョーンズ型κ鎖陽性。
4-1.本疾患で侵されやすい臓器はどれか。3つ選べ。
(1) 胃
(2) 肺
(3) 膵臓
(4) 心筋
(5) 腎臓
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
4-2.本疾患の治療に用いられる治療はどれか。3つ選べ。
(1) シトシンアラビノシド
(2) 副腎皮質ステロイド
(3) 自己末梢血幹細胞移植
(4) メルファラン
(5) シクロスポリン
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)
4-1:c
4-2:d
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:28
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血液内科学卒業試験:白血球増多
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
3. 80歳の女性。
検診で白血球増多を指摘されて来院した。
自覚症状はない。
身体所見:眼瞼結膜貧血なし、球結膜黄疸なし。表在リンパ節は触知しない。胸・腹部所見異常なし。下腿に浮腫なし。
血液所見:赤血球数424万、Hb 12.9g/dl、Ht 39.6%、白血球数73,100(好中球9%、リンパ球91%、単球0%、好酸球0%)、血小板数12.7万、網赤血球2.2万、LDH 256 IU/l。
骨髄塗抹像をスライド3に示す。
3-1. 診断に有用な検査はどれか。1つ選べ。
a. フローサイトメトリーによる細胞表面マーカー解析
b. 末梢血FISH検査
c. bcr/abl融合遺伝子の検出
d. 骨髄穿刺
e. 染色体分析
3-2. 治療方針として正しいのはどれか。1つ選べ。
a. アフェレーシスによる白血球除去
b. プリン誘導体
c. リツキシマブ
d. 無治療経過観察
e. イマチニブ
(正答)
3-1:a
3-2:d
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18
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血液内科学卒業試験:扁桃腺腫脹
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
2. 58歳の女性。
1か月前から咽頭の違和感があり、徐々に増強したため近くの耳鼻科を受診。
左扁桃の著しい腫大と左頸部リンパ節腫大がみられたことからリンパ系腫瘍が疑われた。
精査のため大学病院の耳鼻科を紹介された。左扁桃の生検結果をスライドAに示す。
2-1. 本患者において優先的に行うべき検査・処置はどれか。3つ選べ。
(1) 血清蛋白免疫電気泳動
(2) EBウイルス抗体価の測定
(3) 上部消化管内視鏡
(4) 骨髄穿刺・生検
(5) FDG-PET
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
2-2. 治療方針を早期に決定するために採取扁桃組織を用いて行われる検査
はどれか。3つ選べ。
(1) フローサイトメトリーによる細胞表面マーカー解析
(2) スタンプ標本の観察
(3) サザンブロッティングによるDNA解析
(4) 組織培養
(5) 免疫組織染色
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)
2-1:e
2-2:b
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:10
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血液内科学卒業試験:貧血とLDHの上昇
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
52歳の女性。
数年前から家族に顔色不良を指摘されていたが放置していた。
1か月前の検診で貧血を指摘されたため近医を受診したところ、貧血とLDHの上昇を指摘されたため、血液内科に紹介された。
血液検査では白血球数2.500、赤血球数260万、ヘモグロビン8.6 g/dl、ヘマトクリット32.0%、網状赤血球数2.8万、血小板数9.6万、LDH 1240 IU/lであった。
既往歴に特記すべきことはない。
総ビリルビン 2.0 mg/dl、間接ビリルビン1.2 mg/dl、ハプログロビン10 mg/dl以下であった。骨髄塗抹Giemsa標本をスライド@に示す。
1-1 診断のために優先的に行うべき項目はどれか。3つ選べ。
(1) 骨髄染色体分析
(2) 口腔内の観察
(3) 血中ビタミンB12測定
(4) 上部消化管内視鏡
(5) クームス試験
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)d
1-2. 本疾患で予想される血球の異常構造物はどれか。3つ選べ。
(1) カボット環
(2) デーレ小体
(3) ハインツ小体
(4) ハウエルジョリー小体
(5) 好塩基性斑点
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)c
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:51
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血液内科学卒業試験:白血病
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
19. 単クローン性免疫グロブリン血症をきたすのはどれか。3つ選べ。
(1) Castleman病
(2) 原発性マクログロブリン血症
(3) 多発性骨髄腫
(4) POEMS症候群
(5) 全身性エリテマトーデス
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)d
20. 急性前骨髄球性白血病について正しいのはどれか。3つ選べ。
(1) 骨髄中にfaggot細胞を認める。
(2) 血漿フィブリノーゲンが増加する。
(3) 骨髄巨核球が増加する。
(4) 染色体検査にて白血病細胞にt(15;17)を認める。
(5) 全トランス型レチノイン酸が有効である。
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
21. Philadelphia染色体を認めるのはどれか。2つ選べ。
(1) 急性リンパ性白血病
(2) 慢性骨髄性白血病
(3) 成人T細胞性白血病
(4) 原発性骨髄線維症
(5) 慢性リンパ性白血病
a (1), (2) b (2), (3) c (3), (4) d (4), (5) e (1), (5)
(正答)a
22. 急性白血病について誤っているのはどれか。2つ選べ。
(1) ミエロペルオキシダーゼ染色が陰性の急性骨髄性白血病はない。
(2) 単球系の急性白血病ではしばしば血中リゾチーム値が高値を示す。
(3) 急性リンパ性白血病では中枢神経浸潤予防のために抗がん剤を髄腔内投与する。
(4) 急性骨髄性白血病の化学療法ではシタラビンがよく用いられる。
(5) 染色体異常を持つ急性白血病は全て予後不良である。
a (1), (2) b (2), (3) c (3), (4) d (4), (5) e (1), (5)
(正答)e
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:13
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血液内科学卒業試験:輸血
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
15. ABO血液型不適合同種骨髄移植時の血液製剤の選択について誤りはどれか。1つ選べ。血液型の組み合わせはドナー→レシピエントの順に示す。
a. A→B:前処置開始〜直接抗グロブリン試験陰性化まで:赤血球はO型
b. B→A:患者型血球消失後:血小板はB型
c. AB→A:前処置開始〜直接抗グロブリン試験陰性化まで:赤血球はA型
d. A→AB:患者型血球消失後:血小板はA型
e. A→O:前処置開始〜直接抗グロブリン試験陰性化まで:血漿はO型
(正答)e
16. 急性移植片対宿主病(GVHD)の主な標的臓器どれか。3つ選べ。
(1) 皮膚
(2) 消化管
(3) 肝臓
(4) 腎臓
(5) 肺
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)a
17. 新鮮凍結血漿の適切な使用例はどれか。1つ選べ。
a. L-アスパラギナーゼ投与後の低フィブリノーゲン血症
b. 循環血漿量減少
c. 出血性ショック
d. 低栄養状態
e. 肝硬変に伴う難治性腹水に対する治療
(正答)a
18. 輸血後移植片対宿主病(GVHD)の予防に有効な手段はどれか。2つ選べ。
(1) 輸血前の抗ヒスタミン剤投与
(2) 白血球除去フィルターの使用
(3) 血液製剤への放射線照射
(4) 自己血輸血
(5) 血縁者から採血をした新鮮血輸血
a (1), (2) b (2), (3) c (3), (4) d (4), (5) e (1), (5)
(正答)c
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:59
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血液内科学卒業試験:流産
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
7歳の女性。
【既往歴】
22歳:妊娠23週、死産。23歳:妊娠26週、子宮内胎児死亡。右下肢深部静脈血栓症。
【病歴】
2回の妊娠中期以降死産あり。
深部静脈血栓症に対し非妊娠時はワルファリン内服をおこなっていた。
第2回妊娠時より( C )陽性であることが判明しており、第3回妊娠時は低用量アスピリン・ヘパリン療法を行い、妊娠34週に帝王切開にて出産している。
今回第4回目の妊娠が判明し当科紹介受診となる。
【血液検査所見】
WBC 3,490/μl, Hb 9.9g/dl, 血小板数 24.3万, PT-INR 2.08(ワルファリン内服中), APTT 42.3秒, 抗核抗体 20倍
上記の( C )に記載されるべき用語はどれか。1つ選べ。
a. 抗Ib/IX抗体
b. 抗IIb/IIIa抗体
c. 抗第VIII因子抗体
d. 抗血小板第4因子抗体
e. 抗カルジオリピン-β2GPI複合体抗体
(解説)
抗リン脂質抗体症候群の症例です。
簡単すぎましたでしょうか。
試験時間内に、抗リン脂質抗体症候群とはどういう疾患かを理解していただければとの思いで作題しました。
なお、ワルファリンには催奇形性の副作用があることを知っている必要があります。
(正答)e
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47
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血液内科学卒業試験:播種性血管内凝固症候群(DIC)
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
播種性血管内凝固症候群(DIC)について以下に記載されている。
敗血症などの重症感染症に合併したDICにおいては、( B )が著増し線溶抑制状態にあるため、多発した微小血栓が残存しやすい。
このような病態に対して、抗線溶療法を行うことは理論的にも問題があり、絶対禁忌である。
敗血症症例に対して抗線溶療法を行ったという臨床報告はないが、敗血症DICと病態が近似したLPS誘発DICモデルに対してトラネキサム酸を投与すると、出血症状は軽快するが臓器障害は著しく悪化し死亡率も高くなる。
一方、重症の出血症状をきたした線溶亢進型DICに対して、ヘパリン類の併用下にトラネキサム酸を投与すると、出血症状が劇的に改善することがあるのも事実である
( B )に当てはなるのはどれか。1つ選べ。
a. D-ダイマー
b. プラスミノゲン
c. アンチトロンビン
d. 組織プラスミノゲンアクチベータ
e. プラスミノゲンアクチベータインヒビター
(解説)
これもサービス問題です。
試験時間内に、DICの勉強をしていただければとの思いで問題が作成されています。
(正答)e
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:41
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血液内科学卒業試験:凝固カスケード
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
凝固カスケードについて以下に記載されている。
人間の血液は、2つの方法で固まる(凝固する)ことができる。
一つは、組織因子(tissue factor:TF、旧称 組織トロンボプラスチン)による凝固であり、これを外因系凝固活性化機序と言う。
これには凝固第VII、X、V、II、I因子が関与している。
TF・VIIa複合体は、TFが微量にしか存在しない生体内(in vivo)では第IX因子を活性化するのに対して、プロトロンビン時間測定時のようにTFが大量に存在する試験管レベル(in vitro)では第X因子を活性化する。
TF産生細胞は複数知られているが、その代表は( A )と単球/マクロファージである。
これらはLPSやサイトカインの刺激でTFを過剰発現する。
たとえば、重症感染症の敗血症では、過量のLPSやサイトカインの作用により( A )や単球/マクロファージから大量のTFが産生され、外因系凝固が活性化される結果、究極の血栓症とも言える播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症する
( A )に当てはなるのはどれか。1つ選べ。
a. 好中球
b. 血小板
c. リンパ球
d. 平滑筋細胞
e. 血管内皮細胞
(解説)
これはサービス問題です。
試験時間内に、血栓止血の勉強をしていただければとの思いで問題が作成されています。
(正答)e
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:14
| 医師国家試験・専門医試験対策
血液内科学卒業試験:血栓止血の臨床
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
血栓止血の臨床に関する記載として正しいのはどれか。1つ選べ。
a. ビタミンCを内服すると、出血時間が短縮する。
b. ダビガトラン(プラザキサ)を内服すると、血中FDPが上昇する。
c. 上腸管膜静脈血栓症の抗血栓療法としては、アスピリンが第一選択である。
d. ワルファリンを内服すると、血中アンチトロンビン活性が低下する。
e. 深部静脈血栓症の再発予防を目的とした抗血栓療法としては、ワルファリンが第一選択である。
(解説)
a. ビタミンCを内服しても、出血時間に影響を与えません。
b. ダビガトラン(プラザキサ)を内服しても、血中FDPに影響を与えません。
c. 上腸管膜静脈血栓症の抗血栓療法としては、アスピリンのような抗血小板薬ではなく、抗凝固薬が第一選択です。
d. ワルファリンを内服しても、血中アンチトロンビン活性に影響を与えません。PC&PS活性は、ワルファリンで低下しますが。
e. 深部静脈血栓症の再発予防を目的とした抗血栓療法としては、ワルファリンが第一選択です。
(正答)
e
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06
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血液内科学卒業試験:血小板数低下
平成26年度 血液内科学卒業試験(BSL評価試験)
平成26年9月9日(火)(60分間)
血小板数低下をきたす疾患に関する記載として正しいものはどれか。1つ選べ。
a. HELLP症候群の3徴候は、溶血、心不全、血小板数低下である。
b. 抗リン脂質抗体症候群(APS)は、女性においては不妊症の原因となる。
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては、平均血小板容積(mean platelet volume:MPV)が小さくなる。
d. 溶血性尿毒症症候群(HUS)ではADAMTS 13活性が低下する。
e. へパリン起因性血小板減少症(HIT)では、自己抗体が出現する。
(解説)
a. HELLP症候群の3徴候は、溶血、肝障害、血小板数低下です。
b. 抗リン脂質抗体症候群(APS)は、女性においては不妊症の原因ではなく、不育症(習慣性流産を含む)の原因になります。
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては、平均血小板容積(MPV)や血小板分布幅(PDW)は大きくなります。
d. ADAMTS 13活性が低下するのは、TTPです。。
e. へパリン起因性血小板減少症(HIT)では、自己抗体が出現します。
(正答)
e
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55
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悪性腫瘍(癌)と血栓症(20)新規経口抗凝固薬の治療
悪性腫瘍(癌)と血栓症(19)無症候性VTEの治療より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(20)新規経口抗凝固薬の治療
<抗がん剤および免疫抑制剤の新規経口抗凝固薬への影響>
(Blood. 2013; 122: 2310-7.より引用)
新規経口抗凝固薬(new oral anticoagulant: NOAC)は、トロンビンまたは活性型第X因子などの活性型凝固因子を阻止する経口抗凝固薬です。
同じく経口抗凝固薬であるワルファリンが、基質としてのビタミンK依存性凝固因子(半減期の短い順番にVII、IX、X、II因子)を阻止するのに対して、NOACは活性型凝固因子を阻止する点が決定的な違いです。
究極の血栓症ともいえるDICは、基質としての凝固因子を低下させてもコントロールすることができず(凝固因子が枯渇した劇症肝炎でもDICを発症することからも分かるように)、活性型凝固因子を阻止することで初めてコントロール可能となります。
実際、DICに対してワルファリンを投与すると致命的な大出血をきたすことがあり絶対禁忌です。
Munter G, et al Increased warfarin sensitivity as an early manifestation of occult prostate cancer with chronic disseminated intravascular coagulation. Acta Haematol. 2001; 105: 97-9.
しかし、活性型凝固因子を阻止するNOACであればDICのコントロールが可能な場合があります。
Hayashi T, et al. Rivaroxaban in a patient with disseminated intravascular coagulation associated with an aortic aneurysm: a case report. Ann Intern Med. 2014; 161:158-9.
DICに対する効果が、ワルファリンとNOACでは正反対であることからも、両者の大きな違いを知ることができます。
日本では、ダビガトラン(抗トロンビン薬)、リバーロキサバン(抗Xa薬)、アピキサバン(抗Xa薬)が心房細動に起因する脳梗塞の予防目的で使用可能です。
エドキサバン(抗Xa薬)は、整形外科手術後のVTE発症予防目的に使用可能です。
本稿執筆時点では、VTEの二次予防や治療目的に処方することはできませんが、遠くない将来には可能となることが見込まれています。
NOACは、経口可能であることに加えて、固定用量で良いこと、薬物相互作用が少ないこと、食事制限がないこと、ワルファリンのような頻回の血液検査を必要としないこと(定期的な血液検査は必要ですが)、出血の副作用(特に脳出血)が明らかに少ないこと、などが利点です96)。
朝倉英策. 新規経口抗凝固薬(NOAC). In: 朝倉英策編. 臨床に直結する血栓止血学. 東京: 中外医学社; 2013. p.321-29.
担癌患者におけるVTEの治療や予防に関してはエビデンスがありませんが、今後の展開が期待されます。
特に化学療法中ですと、食事摂取量が大きく変動したり、抗生剤の使用が必要になったりして、ワルファリンコントロールが乱れやすいですが、NOACはこの点でも安定して安全な効果が期待できます。
なお、NOACはワルファリンほど薬物相互作用はないものの一部の抗がん剤、免疫抑制剤での相互作用が知られているため注意したいと思います(表4)。
Lee AY, et al. Treatment of cancer-associated thrombosis. Blood. 2013; 122: 2310-7.
(続く)悪性腫瘍(癌)と血栓症:インデックス
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:30
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(19)無症候性VTEの治療
悪性腫瘍(癌)と血栓症(18)VTEの慢性期治療より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(19)無症候性VTEの治療
癌進行度分類の検査中などに静脈血栓塞栓症(VTE)が偶然に見つかることがあります。
このような場合であっても、VTEは患者のQOLや臨床経過に悪い影響を与えることが知られています。
無症候性PEを有した担癌患者51例と症候性PEを有した担癌患者144例を比較した検討では、12ヶ月間のVTE再発、出血、死亡率は、両群間で差はみられていません。
den Exter PL, et al. Risk of recurrent venous thromboembolism and mortality in patients with cancer incidentally diagnosed with pulmonary embolism: a comparison with symptomatic patients. J Clin Oncol. 2011; 29: 2405-09.
膵癌患者を対象とした検討でも同様の結果が得られています。
Menapace LA, et al. Symptomatic and incidental thromboembolism are both associated with mortality in pancreatic cancer. Thromb Haemost. 2011; 106: 371-8.
無症候性VTEに対して抗凝固療法を行うかどうかは意見の分かれるところです。
無症候性PEを有した肺癌113例での検討では、抗凝固療法を行わなかった群では凝固療法を行った群と比較して、死亡率は有意に高かったと報告されています。
Sun JM, et al. Unsuspected pulmonary emboli in lung cancer patients: the impact on survival and the significance of anticoagulation therapy. Lung Cancer. 2010; 69: 330-6.
無症候性PEを有した膵癌患者を対象とした報告においても、抗凝固療法を行うことによって死亡率を70%低下させていました。
Menapace LA, et al. Symptomatic and incidental thromboembolism are both associated with mortality in pancreatic cancer. Thromb Haemost. 2011; 106: 371-8.
生命予後が悪いと思われる症例では、抗凝固療法を躊躇する傾向にあるため、上記の検討にはバイアスがかかっていると考えられますが、抗凝固療法が禁忌でなければ、担癌患者の無症候性VTEに対して抗凝固療法を行うべきでしょう。
(続く)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:08
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(18)VTEの慢性期治療
悪性腫瘍(癌)と血栓症(17)VTEの急性期治療より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(18)VTEの慢性期治療
ビタミン拮抗薬(Vitamin K antagonists: VKAs、ワルファリン)は、担癌患者でなければ静脈血栓塞栓症(VTE)の慢性期治療、二次予防薬として中心的役割を果たします。
しかし、担癌患者ではVKAsの効果が減弱することが知られています。
担癌患者ではINRがコントロール域にあっても、非担癌患者の3倍の再発率となります88)。
Prandoni P, et al. Recurrent venous thromboembolism and bleeding complications during anticoagulant treatment in patients with cancer and venous thrombosis. Blood. 2002; 100: 3484-88.
癌関連VTEの慢性期治療(3〜6ヶ月の経過観察)を比較すると、VTE再発予防の観点から、LMWHはVKAsよりも有効でした(相対リスクを53%低下)。
Akl EA, et al. Anticoagulation for the long-term treatment of venous thromboembolism in patients with cancer. Cochrane Database Syst Rev. 2014; 7: CD006650.
LMWHのVKAsと比較して優れた点は効果のみならず、モニタリング不要であること、半減期が短いために観血的処置時や血小板数低下時に中断しやすいこと、薬物相互作用がほとんどないこと、食事制限がないこと、経口内服や胃腸からの吸収に依存しないことも挙げられます。
なお、LMWHは主として腎代謝であるために、重症の腎障害(CrCl<30mL/min)患者では減量の配慮や、VKAsへの変更を考慮する必要があります。
抗凝固療法をいつまで継続するかは臨床的には重要な問題ですが、癌の病勢がある場合には抗凝固療法を行っていてもVTEを再燃するくらいであり、この場合は永続的な治療が必要となります。
ただし、抗凝固療法はメリット(VTEの再発予防)のみならずデメリット(出血の副作用)もあるために、その時の癌の状態、抗癌治療法の種類、QOL、患者希望などを考慮して、適時総合的に判断すべきです。
担癌患者のVTE対策として下大静脈フィルターが留置される場合がありますが、VTE再発は明らかに増加する点に注意が必要です(VTE再発は32%にも至ります)。
Elting LS, et al. Outcomes and cost of deep venous thrombosis among patients with cancer. Arch Intern Med. 2004; 164: 1653-61.
下大静脈フィルターの留置は、抗凝固療法を行うことのできない急性VTEに限定すべきと考えられます。
下大静脈フィルターを留置しても背景にある血栓性病態を改善する訳ではなく、血管内に異物を留置することでむしろ血栓傾向は悪化します(フィルターの近位側にも遠位側にも血栓は形成されます)。
臨床医がフィルター留置によって誤った安心感を抱いてしまうと、抗凝固療法を中止するといった誤った判断にもつながりかねません。
抗凝固療法を行えない出血のある患者に対してやむを得ずフィルターを留置する場合であっても、一過性のフィルターにすべきで、出血のリスクがなくなったらフィルター抜去の上、直ちに抗凝固療法を開始すべきです。
担癌患者では抗凝固療法中であってもVTE再発をきたしやすいことが知られています。
LMWHやUFH投与中であればまずHITを除外します。
VKA投与中であったけれどもコントロールが弱かった場合には、一時的にLMWHやUFHを併用した上でINR2.0〜3.0になるようにコントロールを強化するか、LMWH単独治療に切り替えます。
INRがコントロール域にあったにもかかわらず再発した場合にはLMWH単独治療に切り替えます。
LMWH中に再発した場合には、LMWHを増量します。
(続く)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(17)VTEの急性期治療
悪性腫瘍(癌)と血栓症(16)PVとETに対する治療より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(17)VTEの急性期治療
癌関連の静脈血栓塞栓症(VTE)の初回治療薬としては、低分子へパリン(low molecular weight haparin: LMWH)、未分画ヘパリン(unfractionated heparin: UFH)、フォンダパリヌクス(日本での保険適用は、静脈血栓塞栓症の発現リスクの高い次の患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制:下肢整形外科手術施行患者、腹部手術施行患者、急性肺血栓塞栓症及び急性深部静脈血栓症の治療のみです)が候補にあげられます。
有効性には差はないものの、3ヶ月後の死亡率の評価ではLMWHが優れています。
Akl EA, et al. Anticoagulation for the initial treatment of venous thromboembolism in patients with cancer. Cochrane Database Syst Rev. 2014; 6: CD006649.
この理由は不明ですが、LMWHの抗腫瘍効果の可能性も指摘されています。
LMWHはUFHとは異なりモニタリングが不要である点もメリットです。
現在のエビデンスからは、癌関連血栓症の初回治療薬としてはLMWHが推奨されます(ただし、日本では保険診療の制限がありますので、VTEに対してLMWHは使用しにくい環境にあります)。
Lyman GH, et al. Venous thromboembolism prophylaxis and treatment in patients with cancer: American Society of Clinical Oncology clinical practice guideline update. J Clin Oncol. 2013; 31: 2189-204.
ただし、LMWHと比較して、UFHにも以下のような利点があります(特に腎障害患者において)。
1)半減期が短いこと
2)プロタミン硫酸で中和できること
3)肝代謝にも依存していることの
重症腎障害患者では、LMWHよりもUFHの方が良い適応となる可能性があります。
(続く)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:31
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(16)PVとETに対する治療
悪性腫瘍(癌)と血栓症(15)MPNにおける血栓性対策より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(16)PVとETに対する治療
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真性赤血球増加症(PV)
・ 低リスク:Ht<45%に維持するように瀉血&少量アスピリン併用
・ 高リスク:血栓症既往、年齢60歳超、瀉血の効果不十分、骨髄繊維症の進行
→ 一次選択薬:HUまたはIFN-α
→ 75歳超ではブスルファンを考慮
→ 40歳未満ではHUは慎重投与
本態性血小板血症(ET)
・ 低リスク:微小循環障害に対してアスピリン適応、心血管危険因子のない場合はアスピリンの有用性は不明
→心血管危険因子がコントロールされている場合は、抗腫瘍治療の適応はない。
・ 高リスク:二次予防目的に少量アスピリンの適応あり。
→ 一次選択薬:HUまたはIFN-α
→ 二次選択薬としてanagrelideを考慮。75歳超ではブスルファンを考慮。
→ 40歳未満ではHUは慎重投与
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(Blood. 2013; 122: 2176-84. より改変引用)
低リスク:60歳以下かつ血栓症既往なし。
高リスク:60歳超または血栓症既往あり。
HU:ハイドロキシウレア。
(続く)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(15)MPNにおける血栓性対策
悪性腫瘍(癌)と血栓症(14)MPNの血栓症危険因子より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(15)MPNにおける血栓性対策
PVにおいては、瀉血はヘマトクリットをコントロールするための適した治療法です。
ヘマトクリット<45%を維持することで優れた効果が発揮されています。
Marchioli R, et al; CYTOPV Collaborative Group. Cardiovascular events and intensity of treatment in polycythemia vera. N Engl J Med. 2013; 368: 22-33.
PVに対する少量アスピリン(100mg/日)は、有効性と安全性の両面で検証されています(次回記事の表)。
Landolfi R, t al. Efficacy and safety of low-dose aspirin in polycythemia vera. N Engl J Med. 2004; 350: 114-24.
ETに対しては、アスピリンの血栓症に対する有効性を検証した臨床試験は存在しません。
ただし、少量アスピリン(100mg/日)は、微小循環障害に起因する先端紅痛症、視力障害、末梢性知覚障害には有効です。
また、低リスクET患者を対象とした後方視的検討では、抗血小板療法はJAK2遺伝子変異を有した患者に限定して静脈血栓症を減少させて、心血管危険因子を有した患者の動脈血栓症を減少させるという報告がみられます。
Alvarez-Larran A, et al. Observation versus antiplatelet therapy as primary prophylaxis for thrombosis in low-risk essential thrombocythemia. Blood. 2010; 116: 1205-10.
ET患者では、血小板中のサイクロオキシゲナーゼ-1の再生が早まっているために、アスピリン1日1回の投与では不十分であるという考えがあり、例えば1日2回の投与法も検討されて良いのかもしれません。
Pascale S, et al. Aspirininsensitive thromboxane biosynthesis in essential thrombocythemia is explained by accelerated renewal of the drug target. Blood. 2012; 119: 3595-603.
Tefferi A, et al. Personalized management of essential thrombocythemia-application of recent evidence to clinical practice. Leukemia. 2013; 27: 1617-20.
HUは血球を低下させることで血栓症発症を抑制することを期待して、高リスクのPVやETで用いられることがあります。
HUには白血病化の懸念はないとされてはいるものの、40歳未満など若年者での投与は慎重であるべきでしょう。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:00
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(14)MPNの血栓症危険因子
悪性腫瘍(癌)と血栓症(13)MPNにおける血栓性病態より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(14)MPNの血栓症危険因子
骨髄増殖性腫瘍(MPN)における血栓性の危険因子として、高齢と血栓症既往は重要です。
PV患者における心血管合併症は65歳を超える場合には5.0%、血栓症既往者4.93%であるのに対して、血栓症既往のない65歳以下の患者では2.5%でした。
Marchioli R, et al. Vascular and neoplastic risk in a large cohort of patients with polycythemia vera. J Clin Oncol. 2005; 23: 2224-32.
また、ET患者においても、血栓症発症のハザード比は、60歳を越える場合と血栓症既往がある場合では、それぞれ1.5、1.93でした。
Carobbio A, et al. Risk factors for arterial and venous thrombosis in WHO-defined essential thrombocythemia: an international study of 891 patients. Blood. 2011; 117: 5857-59.
PV患者では赤血球数の増加が血液粘度の上昇につながり、心血管疾患の原因となります。
ヘマトクリットを瀉血やHU治療により45%未満にコントロールした場合には、心血管疾患による死亡率や血栓症が有意に少なくなると報告されています。
Marchioli R, et al; CYTOPV Collaborative Group. Cardiovascular events and intensity of treatment in polycythemia vera. N Engl J Med. 2013; 368: 22-33.
一方で、PVやETにおいて、血小板数や血小板機能と血栓症の関連を論じた報告はありません。
ただし、血小板数が増加することで大出血をきたすやすくなるという報告は多いです。
血小板数>125万/μLになると、出血のリスクは10倍以上になります。
Campbell PJ, et al. Correlation of blood counts with vascular complications in essential thrombocythemia: analysis of the prospective PT1 cohort. Blood. 2012; 120: 1409-11.
従って、血小板数を低下させる治療を考慮する意義は、血栓症ではなく出血を抑制することにあります。
Barbui T, et al; European LeukemiaNet. Philadelphia-negative classical myeloproliferative neoplasms: critical concepts and management recommendations from European LeukemiaNet. J Clin Oncol. 2011; 29: 761-70.
MPNにおける白血球数増加は、動脈血栓症の独立した危険因子です。
Barbui T, et al. Perspectives on thrombosis in essential thrombocythemia and polycythemia vera: is leukocytosis a causative factor? Blood. 2009; 114: 759-63.
PVやETにおいて骨髄抑制治療を行う意義としては、白血球数を正常域に保つこともあげられます。
従来より良く知られている動脈硬化(心血管疾患)の危険因子である高血圧症、脂質異常症、糖尿病、喫煙も、MPNにおける血栓症の危険因子となっています。
ET患者における血栓症発症リスクを評価するIPSET-thrombosisスコアでは、心血管疾患の危険因子も含まれています(下表)。
ET患者におけるIPSET-thrombosisスコア
Barbui T, et al. Development and validation of an International Prognostic Score of thrombosis in World Health Organization-essential thrombocythemia (IPSETthrombosis). Blood. 2012; 120: 5128-33.
血栓症発症リスクは、低リスク群、中等度リスク群、高リスク群においてそれぞれ、1.03%、2.35%、3.56%(人・年)でした。
骨髄抑制治療は、高リスク群に対してのみ行われるべきでしょう。
(続く)
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(13)MPNにおける血栓性病態
悪性腫瘍(癌)と血栓症(12)骨髄増殖性腫瘍における血栓症の疫学より続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(13)MPNにおける血栓性病態
骨髄増殖性腫瘍(MPN)患者における血小板は活性化された状態にあり、P-セレクチンやTF発現の亢進、好中球や単球により貪食される血小板分画の増加、血小板活性化産物である血中βTGやPF4濃度の増加などが報告されています。
Falanga A, et al. V617F JAK-2mutation in patients with essential thrombocythemia: relation to platelet, granulocyte, and plasma hemostatic and inflammatory molecules. Exp Hematol. 2007; 35: 702-11.
Maugeri N, et al. Clearance of circulating activated platelets in polycythemia vera and essential thrombocythemia. Blood. 2011; 118: 3359-66.
Jensen MK, et al. Increased platelet activation and abnormal membrane glycoprotein content and redistribution in myeloproliferative disorders. Br J Haematol. 2000; 110: 116-24.
ETやPV患者では、幼若血小板(網血小板;活性が高い)が増加しており、JAK2遺伝子変異の存在と関連しているという興味ある報告もあります。
Panova-Noeva M, et al. JAK2V617F mutation and hydroxyurea treatment as determinants of immature platelet parameters in essential thrombocythemia and polycythemia vera patients. Blood. 2011; 118: 2599-601.
PV患者におけるヘマトクリットの上昇は、血栓傾向と密接に関連しているます。
Adams BD, et al. Myeloproliferative disorders and the hyperviscosity syndrome. Hematol Oncol Clin North Am. 2010; 24: 585-602.
静脈のような低ずり応力下では血液粘度の上昇が重要な要素であり、高ずり応力下では赤血球量が多いことで血小板が血管壁に密着しやすくなり血小板活性化をきたしやすくなります。
Barbui T, et al. Myeloproliferative neoplasms and thrombosis. Blood. 2013; 122: 2176-84.
また、ETやPVでは赤血球膜や赤血球内成分の生化学的変化を生じて、赤血球凝集をきたしやすくなります。
JAK2経路によるLu/BCAMのリン酸化のために、赤血球が血管内皮下のラミニンに異常に粘着するという報告もあります。
De Grandis M, et al. JAK2V617F activates Lu/BCAM-mediated red cell adhesion in polycythemia vera through an EpoRindependent Rap1/Akt pathway. Blood. 2013; 121: 658-65.
MPN患者の血管内皮は障害されていることを指摘する報告も多いです。
流血中を循環する血管内皮細胞が増加している、また、血管内皮活性化マーカーである血中トロンボモジュリン、セレクチン、von Willebrand因子(VWF)の上昇がみられるなどの報告があります。
Marchetti M, et al. Leukocytosis, JAK2V617F mutation, and hemostasis in myeloproliferative disorders. Pathophysiol Haemost Thromb. 2008; 36: 148-59.
Trelinski J, et al. Plasma levels of angiogenic factors and circulating endothelial cells in essential thrombocythemia: correlation with cytoreductive therapy and JAK2-V617F mutational status. Leuk Lymphoma. 2010; 51: 1727-33.
Belotti A, et al. Circulating endothelial cells and endothelial activation in essential thrombocythemia: results from CD1461 immunomagnetic enrichment—flow cytometry and soluble E-selectin detection. Am J Hematol. 2012; 87: 319-20.
ETやPV患者、とくにJAK2遺伝子変異を有している場合には、活性型プロテインC抵抗性の病態になります。
Marchetti M, et al. Thrombin generation and activated protein C resistance in patients with essential thrombocythemia and polycythemia vera. Blood. 2008; 112: 4061-68.
ET患者ではプロテインSの分解が進行しているけれども、ハイドロキシウレア(HU)治療により血小板数が正常化すると、プロテインS活性が正常化するという報告があります。
Dienava-Verdoold I, et al. Platelet-mediated proteolytic down regulation of the anticoagulant activity of protein S in individuals with haematological malignancies. Thromb Haemost. 2012; 107: 468-76.
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:46
| 血栓性疾患
悪性腫瘍(癌)と血栓症(12)骨髄増殖性腫瘍/血栓症の疫学
悪性腫瘍(癌)と血栓症(11)Khorana VTEリスク評価スコアより続く
悪性腫瘍(癌)と血栓症(12)骨髄増殖性腫瘍における血栓症の疫学
骨髄増殖性腫瘍(myeloproliferative neoplasmas:MPN)は、造血幹細胞レベルにおける異常のために、一系統以上の骨髄系細胞が腫瘍性に増殖する疾患群です。
MPNのなかで、真性赤血球増加症(polycythemia vera:PV)、本態性血小板血症(essential thrombocythemia:ET)、原発性骨髄線維症(primary myelofibrosis:PMF)は、臨床上血栓症や出血が問題になります。
特に、血栓症の合併は予後規定因子の一つとして重要です。
近年のMPN関連の話題の一つとして、JAK2遺伝子変異を挙げることができます。
JAK2遺伝子変異は、JAK2のエクソン12上にある1,849番目の塩基がGからTに変異を生じており、その結果617番目のバリンがフェニルアラニンに変換(V617P)しています。
PVの95%以上、ETやPMFの約60〜70%ではJAK2に遺伝子変異が生じています。
Tefferi A, et al. Myeloproliferative neoplasms: molecular pathophysiology, essential clinical understanding, and treatment strategies. J Clin Oncol. 2011; 29: 573-82.
その結果、サイトカインの刺激がない状態でもJAK2は常に活性化されるようになり、サイトカイン刺激によらない細胞の自律増殖が生じることになります。
JAK2は、血栓症との関連でも大変注目されています。
PVに関しての最大規模の疫学調査では、全死因の41%(1.5死亡/100人/年)は心血管疾患であり、その内訳は冠動脈疾患が全死因の15%、心不全8%、脳梗塞8%、肺塞栓8%でした。
非致死性の血栓症は、3.8回/100人/年であり、動脈血栓症と静脈血栓症は同程度でした。
Marchioli R, et al. Vascular and neoplastic risk in a large cohort of patients with polycythemia vera. J Clin Oncol. 2005; 23: 2224-32.
ETに関しての前向き試験では、致死性および非致死性の血栓症発症率は、2〜4%であり、動脈血栓症は静脈血栓症よりも2〜3倍多い結果でした。
Harrison CN, et al; United Kingdom Medical Research Council Primary Thrombocythemia 1 Study. Hydroxyurea compared with anagrelide in high-risk essential thrombocythemia. N Engl J Med. 2005; 353: 33-45.
Gisslinger H, et al; ANAHYDRET Study Group. Anagrelide compared with hydroxyurea in WHO-classified essential thrombocythemia: the ANAHYDRET Study, a randomized controlled trial. Blood. 2013; 121: 1720-28.
Carobbio A, et al. Risk factors for arterial and venous thrombosis in WHO-defined essential thrombocythemia: an international study of 891 patients. Blood. 2011; 117: 5857-59.
MPNに特徴的にみられる重症合併症として、内蔵性静脈血栓症があります。
Budd-Chiari症候群1, 062症例うちMPNに起因するのは40.9%、門脈血栓症855症例うちMPNに起因するのは31.5%と報告されています。
Smalberg JH, et al. Myeloproliferative neoplasms in Budd-Chiari syndrome and portal vein thrombosis: a meta-analysis. Blood. 2012; 120: 4921-28.
ETやPVにおいては、大血管の血栓症に加えて微小循環障害に起因する症状がみられることがあります。
具体的には、血管性頭痛、めまい、視力障害、末梢性知覚障害、先端チアノーゼ、先端紅痛症などです。
Elliott MA, et al. Thrombosis and haemorrhage in polycythaemia vera and essential thrombocythaemia. Br J Haematol. 2005; 128: 275-90.
PMFに関しては、707症例での検討があり、心血管死と非致死性血栓症(摘脾後の血栓症は除外)の発症は2.23回/100人/年でした。
動脈血栓症と静脈血栓症は同程度でした。
Barbui T, et al. Thrombosis in primary myelofibrosis: incidence and risk factors. Blood. 2010; 115: 778-82.
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43
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