金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(10)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(9)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
極めてオリジナリティの高い芸を披露していただきました。
インパクトファクターは、ネイチャーに匹敵するかもです。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:45
| その他
「Hematology Conference in 北陸」の御案内
GSK Hematology Conference in 北陸
日時:2014年4月26日(土)17:00〜18:30
会場:KKRホテル金沢 3階「孔雀の間」
【開会の辞】金沢医科大学附属病院血液免疫内科学 准教授 福島俊洋先生
一般講演(17:10-17:30)
座長 福井大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科 教授 上田 孝典 先生
講演 NTT西日本金沢病院 血液内科 部長 村田 了一 先生
「当院における ofatumumab の使用経験(仮)」
特別講演(17:40-18:30)
座長 金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学 教授 中尾 眞二
演者 岩手医科大学内科学講座 血液・腫瘍内科 教授 石田 陽治 先生
「血小板造血の最近の話題」
主催:グラクソ・スミスクライン株式会社
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40
| 研究会・セミナー案内
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(9)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(8)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
近藤医局長の画像3連発です。共通して写っているのが、医局長です。
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(8)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(7)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
金沢大学附属病院内の多くの関係部署の皆様方、関連病院の多くの先生方 には大変にお世話になっています。いつもありがとうございます。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(7)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(6)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
普段あまり話す機会のない方々との交流を持てる良い機会になっています。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(6)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(5)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
あちらこちらで、話に花が咲いています。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(5)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(4)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
血液内科の中尾科長と、呼吸器内科の笠原科長の写真を4つあわせてみました。
お二人ともに、スマイリーです。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:24
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(4)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(3)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
第三内科の良いところは、何と言ってもファミリアルなところではないかと思います。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:09
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(3)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(2)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
病棟ナースの方々や、留学生の方々にもご参加いただけますので、ほのぼのとした会になります。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(2)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(1)より続く。
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
スピーチにしっかり聞き入っています。
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:30
| その他
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会(1)
金沢大学第三内科(血液・呼吸器内科)新人歓迎会が行われました。
平成26年4月12日(土)(ホテル金沢)
毎回楽しい会になります。
<リンク>「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17
| その他
救急領域の出血と凝固異常:von Willbrand病(VWD)
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「救急領域における出血と凝固異常」
著者名:Hunt MD.
雑誌名:N Engl J Med 370: 847-859, 2014.
<論文の要旨>
このN Engl J Medの総説では、救急領域で遭遇する出血や凝固異常について論じています。
その中で、von Willbrand病(VWD)の部分のみを抄録します。
もし説明できない出血がみられたら、先天性出血性素因の症例ではあるが異常な出血症状出現が遅い時期になった症例でないか考慮する必要があります。
出血症状に関する既往歴や家族歴を聴取は重要です。
外傷や手術後に出血が持続する場合には、軽症VWDのことがあります。
後天性VWD(AVWD)は、自己抗体、骨髄増殖性疾患、リンパ増殖性疾患に合併することがあります。
あるいは、血管内または体外循環に伴う高ずり応力によってvon Willbrand因子(VWF)の高分子マルチマーが分解されることによっても発症します。
体外循環中の高ずり応力は、膜型肺による体外酸素化法や、左心循環補助装置でも生じえます。
大動脈弁狭窄症による血管内高ずり応力も、AVWDの原因となり胃腸出血をきたします(Heyde症候群)。
AVWDの出血は、DDAVPまたはVWF含有凝固因子製剤で治療されますが、後者の方がより有効です。
抗線溶剤は、粘膜出血を軽減させることができます。
AVWDでは、可能であれば高ずり応力をきたしている原因を除去することが最重要です。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18
| 出血性疾患
血友病における心血管疾患リスク
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「血友病における心血管疾患リスク」
著者名:Kamphuisen PW, et al.
雑誌名:Blood 123: 1297-1301, 2014.
<論文の要旨>
長年にわたり凝固能の低下している血友病患者においては、一般人と比較して心血管疾患発症のリスクが低いと考えられています。
しかし、血友病患者における心血管疾患の「危険因子」の頻度は一般人と同程度であり、高血圧症は血友病ではむしろより高頻度です。
さらに、動脈硬化の程度も一般人と同程度です。
血友病患者において心血管疾患による死亡率が低いのは、凝固能が低下していることにより血栓が形成されにくいためと説明されるでしょう。
一方、トロンビン形成能の低下している血友病においては、動脈硬化プラークが安定している可能性があります(マウスでの検討では確認されています)。
血友病のような出血性素因のある患者においては、心血管疾患発症時の抗血栓療は安易でないことが多いため、心血管疾患を発症する前の心血管疾患の「危険因子」のチェックおよびその治療は重要です。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:13
| 出血性疾患
毛細血管拡張症に起因する難治性鼻出血
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「毛細血管拡張症に起因する難治性鼻出血」
著者名:Stoddard T, et al.
雑誌名:JAMA Otolaryngol Head Neck Surg 140: 160-163, 2014.
<論文の要旨>
米国において、鼻出血は耳鼻科領域で最も多い緊急病態です。
ほとんどの場合や第1選択の治療法で対処できますが、ときに難治性の場合がありベロックタンポン、外科手術、血管治療が必要となります。
遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病;HHT)における鼻出血は良く知られていますが、全身性疾患を伴わない孤立性の毛細血管拡張に起因する再発性鼻出血についての報告はありません。
著者らはこのような症例に対するバイポーラー電気焼灼術(BES)について報告しています。
この論文中で著者らは、ベロックタンポンや塞栓術が無効であった1例を報告しています。
また、2009年から2012年の間に加療された全部で鼻出血16症例(6症例は難治性)の成人症例を報告しています(HHTはありません)。
これらの症例は毛細血管拡張部位から出血するという共通点がありました(前中隔が42%と最も多かったです)。
このような全身性疾患を有していない場合の毛細血管拡張症に起因する鼻出血であっても、BESの方がより侵襲的で医療費のかかる手術や血管治療よりも有効と考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:07
| 出血性疾患
遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)の妊娠転帰
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「遺伝性出血性毛細血管拡張症(オスラー病)患者における妊娠の転帰」
著者名:de Gussem EM, et al.
雑誌名:Obsted Gynecol 123: 514-520, 2014.
<論文の要旨>
トロント遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHT)データベースを用いて、HHT女性(18〜55歳)の妊娠経過について後方視的検討を行いました。
対象はHHT女性87症例の244妊娠です。
その結果、流産は20%にみられました。
HHT関連の合併症としては、2回の妊娠での喀血(1.1%)、4回の妊娠での血胸(2.1%)がありました。
血胸をきたした1例では、前回の妊娠時に一過性脳虚血発作(奇異性血栓によると考えられる)をきたしていました。
脳内出血をきたした1例、心不全をきたした1例もありました。
これらの合併症は、それまでに動静脈奇形の精査や加療の行われたことのない女性でみられました。
HHTと直接関連しない合併症としては、深部静脈血栓症(n=1)、肺塞栓(n=1)、心筋梗塞(n=1)、狭心症(n=1)がありました。
多くの例で妊娠中に鼻出血の回数が増加したり、新しい毛細血管拡張の出現を自覚していました。
185出産中92回(50%)で硬膜外麻酔または脊椎麻酔が行われて合併症はありませんでしたが、麻酔前に脊椎動静脈奇形の有無についてスクリーニングされていませんでした。
以上、動静脈奇形チェックのされたことのないHHT女性は、重症の妊娠合併症のリスクが高いと考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:00
| 出血性疾患
血友病A患者におけるデスモプレシンの反応
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「第VIII因子活性<0.10IU/mLの血友病A患者におけるデスモプレシンの反応」
著者名:Stoof SCM, et al.
雑誌名:J Thromb Haemost 12: 110-112, 2014.
<論文の要旨>
デスモプレシン(D薬)は、血管内皮からのvon Willbrand因子(VWF)放出を促し、それに伴い第VIII因子(FVIII)も3〜5倍上昇するため、VWDや軽症〜中等症の血友病患者の治療選択肢となります。
著者らは、今までのFVIIIの最低値が<0.10IU/mLの症例(最低値でもFVIIIを測定可能な症例)で、D薬の反応を後方視的に調査しました。
検討症例では48例であり、65%は軽症、35%は中等症でした。
43例では経静脈的に、5例では径鼻的に投与されていました。
D薬投与前のFVIIIの平均は0.09IU/mLであり、ピークは0.42IU/mLに達し、3時間後に0.28IU/mL、6時間後に0.22IU/mLとなりました。
軽症の外傷や小手術ではFVIII≧0.30IU/mLが必要とされていますが、著者らが検討対象とした症例では大部分の症例で、D薬により少なくとも3時間後まで維持されました(6時間後まで維持される例は少数でした)。
D薬によるFVIII上昇は短時間の維持ではあるものの、今までのFVIII最低値が0.10IU/mL未満の症例では、小手術などに対する治療選択肢と考えられました。
D薬は第VIII因子製剤よりも安価であり、インヒビター発症の懸念もありません。
非重症血友病A患者においては、D薬による治療の可能性を評価するために全例で試験投与を推奨してもよいかもしれません。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53
| 出血性疾患
妊娠関連後天性血友病(第VIII因子インヒビター)と免疫吸着療法
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「妊娠関連の重症後天性血友病に対する免疫吸着療法」
著者名:Zeitler H, et al.
雑誌名:Ther Apher Dial 18: 103-110, 2014.
<論文の要旨>
分娩後出血は、母体の死因として良く知られています。
後天性血友病(AH)は、第VIII因子に対する自己抗体が出現するまれで重篤な出血性素因です。
著者らは分娩後AHの8症例について報告しています。
7例はMBMPプロトコールで治療されました。
MBMPプロトコールは、免疫吸着療法(IA)によるインヒビター除去、免疫抑制療法、高用量第VIII因子製剤の併用療法です。
1例は免疫抑制療法のみで治療されました。
重症AH8例中7例は著者らの施設に入院となり、インヒビター力価の平均は118 BU/mLでした。
これらの症例は重症でしたが、診断までの中央値は30.5日(7-278日)もかかっていました。
IAの中央値3回(3〜5回)によってインヒビターは消失し、13回(8〜24回)で凝固因子製剤は不要となり、15回(9〜27回)でIAは中止されました。
比較的軽症であった1例(2.1 BU)は、プレド二ゾロン(1.5mg/kg)が120日間投与されました。
全例で中央値100ヶ月(56〜126ヶ月)で完全寛解がえられました。
以上、妊娠関連重症AHに対するIAは、凝固能を早く改善し、第VIII因子製剤の必要をへらし、免疫抑制療法の期間を短縮させると考えられました。
また、診断が遅れることのないように、出産後出血においてはAHもルーチンで鑑別に入れるべきと考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:46
| 出血性疾患
プロテインC欠損症の治療:プロテインC濃縮製剤皮下注
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「重症プロテインC欠損症の治療法としてのプロテインC濃縮製剤皮下注」
著者名:Minford A, et al.
雑誌名:Br J Haematol 164: 414-421, 2014.
<論文の要旨>
重症プロテイン(PC)欠損症の治療法としてPC濃縮製剤の皮下注が1996年に最初に報告されて以来、いくつかの症例報告がなされてきましたが、統一されたアプローチではありませんでした。
PC濃縮製剤の皮下注治療の行われた報告を文献検索し、また製薬会社や個人通信からの情報を収集しました。
治療の詳細は、14症例で明らかにできました。
輸注頻度が増加していた1症例を除いて、PC投与量が減少していた症例においても血栓症の発症はみられませんでした。
まずは、PCのトラフ値>0.25IU/mLを目指すべきと考えられました。
その後の維持療法としては、とくに経口抗凝固薬を併用するのであればより少量のPC製剤でも良いと考えられました。
副作用はみられませんでした。
以上、重症PC欠損症に対して、PC製剤皮下注単独療法または経口抗凝固薬との併用療法は、安全かつ有効と考えられました。
この治療法は中心静脈カテーテル管理を必要としない点で優れた治療法です。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33
| 出血性疾患
肝細胞癌と後天性血友病A:出血性&血栓性素因の共存
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「肝細胞癌に合併した後天性血友病A」
著者名:Croft J, et al.
雑誌名:Br J Haematol 164: 617, 2014.
<論文の要旨>
鼻出血、体幹および右上肢の非外傷性の広節な皮下出血がみられた62歳女性の症例報告です。
既往歴には難治性多発性の肝細胞癌(HCC)、右房内血栓、多発性肺塞栓がありました。
CTでは、肝右葉にHCCがみられ、下大静脈に浸潤していました。
エノキサパリンは中止され、鼻出血は局所治療がなされました。
APTT比>7.0(正常血漿で補正されない)、第VIII因子活性2.0IU/dl、第VIII因子インヒビターは41.5 BUでした。
後天性血友病Aと診断されました。
本症例は、治療上のジレンマを抱えたまれで対応しにくい症例です。
特に、血栓性疾患と致命的な出血症状を合わせもつために、第VIII因子インヒビターの除去治療にも利点と危険性をあわせもつと考えられました。
この論文ではこの後の経過が記載されていませんが、治療法について悩む教育的な症例と考えられます。
管理人らであれば、第VIII因子インヒビターに対して免疫療法を充分に行なって治療効果をチェックしながらエノキサパリンを再開するのではないかと思います。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26
| 出血性疾患
インヒビター保有血友病患者:APCCとrFVIIaの連続投与治療
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「インヒビター保有血友病患者の難治性出血に対するAPCCとrFVIIaの連続投与治療」
著者名:Han MH, et al.
雑誌名:Blood Res 48: 282-286, 2013.
<論文の要旨>
インヒビター保有血友病患者の止血治療薬として2つのバイパス製剤が知られています。
すなわち、活性型プロトロンビン複合体製剤(APCC)と遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)ですが、いずれか単剤のみの治療では止血に成功しないこともあります。
著者らは4病院に入院となったインヒビター保有重症血友病患者で、難治性出血に対して、APCCとrFVIIaが連続して投与された症例について後方視的解析を行いました。
連続投与の定義は、12時間以内に、rFVIIaとAPCCの両者が投与された場合としました。
インヒビター保有の4症例(5回の出血)において出血はバイパス製剤単剤ではコントロールされませんでしたが、2製剤が連続投与されることで止血しました。
連続投与の方法は、APCCを1回投与の後にrFVIIaの1〜2回投与への変更であり、投与間隔は3〜6時間でした。
全ての出血は12〜24時間でコントロールされました。
連続投与治療は、2〜5日後に中止された。血栓症などの有害事象はみられませんでした。
APCCとrFVIIaの連続投与治療は副作用もなく有効と考えられました。
ただし、血栓症には留意すべきであり、今後エビデンスになるような前向き臨床試験が必要と考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17
| 出血性疾患
DDAVP投与後のステント内血栓
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「DDAVP投与後のステント内血栓」
著者名:Shah SN, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 25: 81-83, 2014.
<論文の要旨>
冠動脈(左前下行枝)近位部に薬物溶出性ステントを留置された67歳男性が、頭蓋骨外傷のために入院となりました。
帽状腱膜下血腫の出血が持続するために、DDAVPが投与されました。
その5時間後に胸部圧迫痛がみられました。
心電図検査では前胸部誘導において2mmのST上昇がみられました。
緊急心カテーテル検査では、ステントの完全閉塞が確認されました(TIMI 0度)。
別の薬物溶出性ステントを最初のステントの内側に留置したところ血流の回復(TIMI 3度)がみられました。
心臓カテーテル治療中に、低酸素血症、低血圧が進行したために挿管が行われ、ドーパミン点滴が行われ、IABP(intra-aortic ballon pump)管理となりました。
DDAVP投与後に、冠動脈ステント内血栓が形成されたという報告はこれが初めてです。
凝固異常に伴ういくつかの出血性素因に対してDDAVPは安全かつ有効と考えられていますが、DDAVP治療には血栓症の副作用がありうることに留意すべきと考えられました。
以上、DDAVPは冠動脈疾患や冠動脈ステントを有している患者には注意して使用すべきと考えられました。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:11
| 出血性疾患
インヒビター保有重症血友病A:第VIII因子製剤とIVIG
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「インヒビター保有重症血友病Aに対する血漿由来第VIII因子製剤とIVIGによる免疫寛容療法」
著者名:de Cos C, et al.
雑誌名:Blood Coagul Fibrinolysis 25: 77-80, 2014.
<論文の要旨>
著者らは、関節内出血をきっかけに生後8ヶ月で診断された重症血友病A(1991年7月に誕生)について報告しています。
出血時にon-demand療法が行われていましたが、6歳時にインヒビター(1.75〜2.5 BU)を発症しました。
免疫寛容療法(ITI)が行われましたが、インヒビターが持続する(3.75〜6.75 BU)ために、親の判断により3ヶ月で中断されました。
そのため遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)によるon-demand療法が行われました。
13ヶ月後には、インヒビター力価はピーク(37 BU)となりました。
2003年5月(11歳)時、血漿由来第VIII因子製剤(100IU/kg/24hr、連日)とIVIG(1g/kg/24hr、3週間毎に2日間)による救済ITIが行われました。
救済ITI開始16ヶ月後にインヒビターの除去が確認されました。
インヒビター除去後もFVIII+IVIGを3ヶ月間追加して、第VIII因子製剤予防投与(40IU/kg、週に3回)に変更されました。
現在においてもインヒビターはみられていません。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:03
| 出血性疾患
遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(ノボセブン)有効性&安全性
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「インヒビター保有先天性血友病患者の出血エピソードにおける遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤(ノボセブンR)の有効性および長期的安全性:10年間の市販後調査解析報告」
著者名:白幡聡他。
雑誌名:日本血栓止血学会誌 24: 593-602, 2013.
<論文の要旨>
インヒビター保有先天性血友病患者の出血エピソードにおける遺伝子組換え活性型血液凝固第VII因子製剤(rFVIIa)の10年間の使用成績調査をもとに、その有効性と安全性を解析した。
有効性評価が可能な先天性血友病患者142例1,718出血エピソードについて解析した結果、rFVIIa投与から12時間以内に止血効果が認められた割合は65%、最終的に止血効果が認めらえた割合は88%であった。
rFVIIa単独治療群の1回投与量、投与回数、投与日数の中央値はそれぞれ103μg/kg、3.0回、1.0回であった。
出血部位は関節内出血が63%と最も多く、次いで筋肉内出血が14%、皮下出血が9%であった。頭蓋内出血、消化管出血、血尿では投与日数が有意に長かった。
また安全性については、144例、8,097出血エピソード、全24,778回の投与に対して、4例5件の血栓塞栓性事象が報告された。
有害事象の中でも、特に血栓塞栓事象に注意をする必要がある。
rFVIIa使用における血栓塞栓事象に対しては、特にsequential therapy等の(A)PCC製剤との併用は注意が必要であり、また尿路系の出血に対して飲水や輸液により、利尿を促すなどの対策が重要であることが示唆された。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57
| 出血性疾患
血友病A患者:Bドメイン切断型遺伝子組換え第VIII因子製剤
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「治療歴のある血友病A患者におけるBドメイン切断型遺伝子組換え第VIII因子製剤の安全性と有効性:全集団と日本人被験者集団のデータ比較」
著者名:鈴木隆史、他。
雑誌名:日本血栓止血学会誌 25: 75-81, 2014.
<論文の要旨>
ツロクトコグアルファは、Bドメインを切断した新規の第三世代ヒト遺伝子組換え第VIII因子製剤である。
本剤の安全性および出血抑制効果を検討する目的で12歳以上の重症型血友病A患者を対象に国際多施設共同第III相試験が実施された。9人の日本人を含む15カ国150人の患者に定期補充療法が行われた。
定期補充療法中の年換算出血率(中央値;回/人・年)は、全集団(150人)で3.66、9人の日本人では0であった。
報告された499件の出血エピソードの89.4%が本剤の投与2回以内で、日本人の6件の出血ではすべて1回で止血した。
止血成功率は全集団で84.5%、日本人では100%であった。
試験期間中にインヒビター発生や重要な安全性の問題は認めなかった。
本剤による血友病A患者の定期補充療法および出血時治療は安全かつ有効であり、両集団の止血治療成績は一貫するものと考えられた。
ヒト遺伝子組換え第VIII因子(rFVIII)製剤が初めて臨床利用された1990年代以降、血友病A患者の補充療法は、血漿由来製剤から血液を媒介する感染性物質の伝播の可能性の低いrFVIII製剤への需要が増加している。
第一世代のヒトrFVIII製剤は、製品化にあたり最終工程にヒト血漿由来アルブミンを添加し溶解後のFVIIIタンパクの安全性を得ていたが、その後、アルブミンに代わってショ糖の利用により安定性を得た第二世代の製剤が開発された。
続いて、培養工程中に宿主細胞の増殖を支持するために添加されていた動物血清蛋白を利用しない無血清培養法が導入された(第三世代製剤)。
第三世代ヒトrFVIII製剤は、製造工程(培養、精製、製剤化)を通して動物由来の原料物質の曝露がないために、原理的にウイルス、プリオンなどの感染性物質が製剤に混入する可能性が極めて低く、現在では感染症に対して最も安全で先進的な遺伝子組換え製剤として位置づけられている。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:52
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東日本大震災:血友病患者ネットワーク
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「東日本大震災における血友病患者の震災体験と災害時ネットワーク」
著者名:今泉益栄、他。
雑誌名:日本血栓止血学会誌 25: 82-91, 2014.
<論文の要旨>
2011.3.11東日本大震災による社会的インフラの崩壊は製剤供給と医療機能を遮断し、血友病患者は生活と診療の基盤を同時に喪失した。
本研究は、被災県血友病患者の震災体験と災害時ネットワークの調査記録である。
対象者は震災1年後の調査に回答した血友病患者62名(20歳以下18、21歳以上44;居住県:岩手13、宮城43、福島3)である。
外傷や製剤喪失など直接的被害は約10%であったが、避難環境が困難を増強した。
約50%が通院や通勤、関節症状、製剤確保や家庭注射などで困難を経験し、震災1年後も約10%が身体症状や不安•精神的問題を訴えた。
血友病ネットワークとして「医療機関」が最も有用であり、「生活周囲」「患者同士」「製薬会社」は有用と同程度に不足と感じられた。
ネットワーク状態に関する「患者同士」の良〜不良は他ネットワークの自己評価と相関を認めた。
本調査記録は血友病における災害の備えに貴重な資料となる。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:47
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後天性血友病A:原発性骨髄腺維症、急性骨髄性白血病
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「後天性血友病Aを合併し、急性骨髄性白血病へ転化した原発性骨髄腺維症」
著者名:黒田裕行他。
雑誌名:臨床血液 54: 2192-2198, 2013.
<論文の要旨>
症例は77歳、男性。
原発性骨髄腺維症(PMF)に対してthaidomideとprednisolone(PSL)の治療で良好な経過であったが、顔面•体幹•四肢の広範な皮下出血のため再診した。
APTT延長と第VIII因子活性低下およびインヒビターを認め、後天性血友病A(AHA)と診断した。
入院時よりPSLとcyclophosphamideを併用したが、免疫抑制療法後まもなく右大腿四頭筋内出血を認め、活性型プロトロンビン複合体製剤により止血した。
このためrituximabを投与したが、咽頭蓋血腫を合併して呼吸困難となり、遺伝子組み換え型活性型第VII因子製剤とステロイドパルス療法を行った。
Rituximab併用免疫抑制療法によりAHAは改善したが、Pneumocystis肺炎のため死亡した。
剖検でPMFから急性骨髄性白血病への転化を確認した。
本邦ではAHAの基礎疾患として悪性腫瘍が17%を占めるが、造血器腫瘍にAHAを合併した報告は少ない。
1984年から30年間で、AHAの基礎疾患としてAMLは3例で、著者らの自験例を含め骨髄腺維症は3例であった。
AHA治療の基本方針は止血・免疫抑制療法に加えて原疾患の治療とされているが、原病に対する化学療法のみでAHAが改善したのはMeekらの報告したAML1例のみであった。
その他の症例では第VIII因子活性やインヒビター力価は様々であったが、止血・免疫抑制療法により骨髄腺維症の1例を除き全例でAHAの緩解が得られていた。
一方で原病であるAMLの増悪による死亡も認められ、AHAに対しては奏効が得られても原疾患の治療が困難な症例は予後不良である。
本症例はバイパス療法と免疫抑制療法によりAHAの緩解が得られたが、骨髄腺維症は改善しなかった。
さらにAMLへの急性転化と免疫抑制療法のため感染症を続発して致死的転帰をたどった。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:40
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後天性凝固因子インヒビター治療:第VIII&V因子インヒビター
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「後天性凝固因子インヒビターの治療」
著者名:小山高敏
雑誌名:臨床血液 55: 67-74, 2014.
<論文の要旨>
本邦での血栓止血学会による後天性凝固因子インヒビターの実態調査では、報告全75症例のうち抗FVIII抗体が77%、抗VWF抗体が11%、抗FV抗体が7%でその他は稀である。
後天性血友病の治療目的は、致命的出血の抑制、自己抗体の除去の2つである。
診断後直ちにプレドニゾロン(PSL)単独を中心とした免疫抑制療法を行う。止
血治療は、一般にはバイパス製剤による治療が第一選択である。
バイパス製剤には、遺伝子組換え活性化第VII因子(rFVIIa)製剤、ヒト血漿由来活性型プロトロンビン複合体製剤(APCC)の2種類がある。
輸血感染症に関する安全性とanamnestic effectがない点はrFVIIaの長所だが、rFVIIa製剤は2〜3時間毎のボーラス静注投与が必要であり、最近、インヒビター保有先天性血友病では270μg/kgの高用量ボーラス単回静注も保険適用となった。
APCCは血漿由来製剤であるが、輸血感染症の安全性は現在では極めて高く、8〜12時間毎の投与でよい点が長所である。
PSL中心の免疫抑制療法により大部分の症例でインヒビターは最終的に消失する。
約20%の患者で、免疫抑制療法を中止した後に再発し、追加クールの治療または長期の維持免疫抑制療法を要する。
欧米ではリツキシマブは免疫抑制療法の第二選択薬である。
FVインヒビター症例では、無症状から致命的出血を呈するものまで様々である。
治療は、薬剤など引き金となった因子があれば、それを取り除く。
それだけで自然消失することもある。
止血必要時は、FFP、濃厚血小板の投与を考える。
血小板は豊富なFVを含み、出血部位に集中してインヒビターの効果を受けにくく、標準量のPC輸注が有効である 。
rFVIIaやAPCCが止血に有効との報告もある。
インヒビターが自然消失しない場合は、PSLを中心とした免疫抑制療法が必要となる。リツキシマブ、血漿交換、大量γ-グロブリン療法が有効との報告もある。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:34
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外傷性出血に対するフィブリノゲン製剤&rFVIIa
論文紹介です。
関連記事:APTT、血友病、後天性血友病、第V因子インヒビター、第VIII因子インヒビター、PT-INR
、クロスミキシングテスト
「外傷性難治性出血に対するフィブリノゲン製剤及び遺伝子組み換え型活性化第VII因子製剤による止血治療」
著者名:藤井輝久他。
雑誌名:臨床血液 55: 234-238, 2014.
<論文の要旨>
症例は30歳代男性。
交通外傷にて本院救命救急センターに搬送された。出血性ショックの状態であり、緊急CTにて骨盤骨折と診断した。赤血球、新鮮凍結血漿の大量輸血にもかかわらず、血圧を含めたバイタルサインが安定せず、検査上も血小板数の低下と凝固障害が継続していたため、出血が持続していると考えた。
通常の補充療法では救命困難と判断し、適応外の使用になるが、止血を得るためにフィブリノゲン製剤と遺伝子組み換え型活性化第VII因子製剤(rFVIIa)を投与した。投与直後から検査値の改善に伴い出血性ショックから離脱した。
重症の外傷による止血困難に対し、海外ではrFVIIaにより難治性出血をコントロールしたという報告も見られるが、本邦では同様な報告が少ない。今回著者らが経験した症例はフィブリノゲン製剤やrFVIIaを使用することにより止血が行われ救命できたと思われる。
外傷や分娩時の過剰出血、あるいは頭蓋内出血や心血管系手術時の出血に対して、海外ではrFVIIaの使用が試されて、多くの報告が有効であった。
rFVIIaが未だに適応外使用である理由としてエビデンスレベルの高い無作為化前向き試験の少なさを挙げられる。
rFVIIaの止血効果が乏しい場合もあり、その原因として、血小板や他の凝固因子特にフィブリノゲンの消費がrFVIIaの効果を減弱させていると想像される。
フィブリノゲン製剤の使用は本邦では先天性無フィブリノゲン症のみの適応のため、第一選択はFFPである。
しかし、FFPでフィブリノゲンの補充を試みてもフィブリノゲ値はなかなか上昇しない。
しかし他の濃縮凝固因子製剤と同様にフィブリノゲンの濃縮製剤で補うことで速やかに目標濃度に達することができる。
本症例では、止血に際し、結局何が最も有効であったかは不明であるが、rFVIIaやフィブリノゲン製剤のみで速やかな止血が得られていないことから、消費性に低下している血小板や他の凝固因子を補充しつつ、両製剤がうまく止血に作用したと想像できる。
<リンク>推薦書籍「臨床に直結する血栓止血学」
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:23
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金沢大学呼吸器グループ紹介(4)気道疾患グループ
金沢大学呼吸器グループ紹介(3)間質性肺炎グループより続く。
呼吸器グループ紹介(4)気道疾患グループ
慢性咳嗽、気道疾患に関する基礎的・臨床的研究を継続しています。
咳嗽の基礎的研究と臨床:
岡崎先生がモルモットを用いた実験を精力的に行っています.気道収縮により気道内のプロスタグランジンなどが増加していることを学会や重要な研究会ですでに報告しており,現在は,これらのメディエーターが気道収縮による咳嗽反応に影響している可能性について更に詳細な検討を続けています.
岡崎先生の研究よって,咳喘息の病態解明に一歩近づけるかも知れません.
また,昨年,メサコリン気道過敏性試験を応用したメサコリン誘発咳嗽試験が咳喘息の診断に非常に有用であることを報告しましたが,現在の検査方法は測定手技が難しく,日常的に様々な医療機関において利用できる検査法とは言えません.
メサコリンによる気道収縮の程度を呼吸抵抗によって評価し,連続的にメサコリンを吸入させる方法(アストグラフ法)が利用できれば,より簡便な検査方法として確立できると考えられ,現在検討中です.
気道疾患に対する臨床研究:
クラリスロマイシンの少量長期投与にもかかわらず、急性増悪を繰り返すDPB症例に対するアジスロマイシン(AZM)の少量長期投与の有効性を検討する研究を継続しております.
エントリー症例数はまだまだ少ないですが,引き続き研究を続けていく所存です.『鼻炎合併喘息患者におけるQOLに関する観察研究』,『関西・北陸地区2府7県喘息患者実態追跡調査』,『黄砂中の化学物質とアレルギー症に関する研究』などを他大学や本学他学科と連携して行っており,順調に進んでおります.
今後の課題は,COPDについて新たな基礎的・臨床研究を行っていくことです。
現在ご報告できるものとしては従来の研究・活動内容ですが、今後新たな展開を目指し各員が一層努力していきたいと思っていますので皆様にもご指導ご鞭撻をお願いいたします。
最後になりますが、ご存知のように呼吸器内科医は非常に不足しています。
北陸3県は医師の絶対数としては少なくないと思いますが、呼吸器専門医の数は少なく富山・石川・福井のみならず全国の病院から「呼吸器内科医を派遣してほしい」という要望をお断り続けている現状でございます。
皆様の病院で呼吸器内科に興味がある、話を聞いてみたいという研修医がいらっしゃいましたら是非ご一報いただきたいと存じます。
(続く)金沢大学呼吸器グループ紹介:インデックス へ
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:22
| 呼吸器内科
金沢大学呼吸器グループ紹介(3)間質性肺炎グループ
金沢大学呼吸器グループ紹介(2)肺癌グループより続く。
呼吸器グループ紹介(3)間質性肺炎グループ
間質性肺炎の領域は、ピルフェニドン(商品名ピレスパ)が2008年に日本より発売され、これまで治療法がなかった特発性肺線維症(IPF)の世界に大きな変化が生まれました。
2013年には特発性間質性肺炎(IIP)のガイドラインが改訂されたことより、今後IPFを初めとして、間質性肺炎の治療に関して治療法の確立など、世界的に発展していくものと考えます。
今回、IIPのガイドラインの稀な症例に初めて加わった上葉優位型肺線維症(PPFE)に関してはガイドラインに加わる前から私達は渡辺先生を中心に研究をすすめており、当院のPPFEのまとめを報告する予定です(投稿中)。
また、筋炎関連間質性肺炎に関しては、高戸先生が抗ARS抗体陽性間質性肺炎であれば、筋炎の有無にかかわらず、間質性肺炎の特徴に差はないという報告をし(Res Med 2013)、抗ARS抗体陽性間質性肺炎の位置づけに関して大きな意味を示しました。
さらに、膠原病とは言えないが、抗ARS抗体陽性である間質性肺炎の、その他のIIPとの差異に関して早稲田先生が報告し、さらに抗ARS抗体のサブタイプによる違いに関して渡辺先生が報告しました。
IgG4関連肺疾患に関しては、早稲田先生がこれまでに引き続き厚生労働科学研究難治性疾患克服研究事業研究症例分野「IgG4関連疾患に関する調査研究班」の研究協力員として呼吸器分野に関する特徴の解析ならびに基礎的研究を行っています。
さらに渡辺先生は「移植後閉塞性細気管支炎(BO)に対するイマチニブの効果」をテーマに研究を継続しています。
(続く)金沢大学呼吸器グループ紹介(4)気道疾患グループ へ
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:12
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