感染症治療Up to Date 2012 in Ishikawa
感染症治療Up to Date 2012 in Ishikawa の御案内
日時 :2012年9月28日(金) 18:40 〜 20:40
場所 :金沢都ホテル 7階 鳳凰の間
=PROGRAM=
情報提供
『ネキシウムの有用性、安全性について』 第一三共株式会社 堀 聡敏
開会挨拶 19:00〜19:05
金沢大学医薬保健研究域医学系細胞移植学 准教授 笠原 寿郎
一般講演 19:05〜19:35
座長:金沢医科大学 臨床感染症学 教授 飯沼 由嗣先生
講演1『当院の呼吸器感染症に対する治療戦略』
国民健康保険 小松市民病院 呼吸器内科 医長 丹保裕一先生
講演2『在宅患者の呼吸器感染症におけるグレースビットの位置づけ』
水口内科クリニック 院長 水口雅之先生
特別講演 19:35〜20:35
座長: 国立病院機構 七尾病院 院長 藤村 政樹先生
『呼吸器感染症診療 Up to date 〜ガイドラインを中心に〜』
長崎大学大学院 病態解析・診断学分野 准教授
長崎大学病院 感染制御教育センター 副センター長 原克紀 先生
閉会挨拶 20:35〜20:40
金沢医科大学 呼吸器内科学 教授 栂 博久先生
※当講演会は、石川県病院薬剤師会生涯研修制度 ≪1単位≫ に該当。
主催:第一三共株式会社
後援:石川県病院薬剤師会
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:29
| 研究会・セミナー案内
PNHと血栓症(14):ソリリスと血栓症
PNHと血栓症(13):エクリズマブと血栓症より続く。
<エクリズマブと血栓症(2)>
PNH症例に対してエクリズマブ(商品名:ソリリス)を投与しますと血栓症が明らかに低下するという事実から、PNHにおける血栓症発症において補体が主たる役割を演じていることが理解できます。
C5を抑制することで、PNH血小板の活性化・障害、MP遊離が軽減する可能性があります。
また、エクリズマブによって溶血が抑制されれば、遊離ヘモグロビンが低下し、NOの消費が少なくなります。
このことは、遊離ヘモグロビンによる血管内皮障害を軽減し、NOによる血小板機能抑制や凝集抑制作用を回復させることになります。
PNH症例に対してエクリズマブ(ソリリス)を投与しますと血栓塞栓症の発症は明らかに低下します。
このような症例に対して、エクリズマブのみでなく抗凝固療法も必要かどうかに関しては議論の余地があります。
Kellyらは、エクリズマブ(ソリリス)投与が開始された症例では、血栓症の既往がなければワルファリンの投与を中止していますが、その後に血栓症発症はみられなかったと報告しています。
Kelly RJ, Hill A, Arnold LM, et al. Long-term treatment with eculizumab in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria: sustained efficacy and improved survival. Blood. 2011; 117: 6786-92.
PNH症例において血栓症の発症があった場合には、エクリズマブを開始する絶対適応になると考える専門家が多いです。
Luzzatto L, Gianfaldoni G, Notaro R. Management of paroxysmal nocturnal haemoglobinuria: a personal view. Br J Haematol. 2011; 153: 709-20.
Brodsky RA. How I treat paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 2009; 113: 6522-7.
エクリズマブを投与中に血栓症を発症した場合に、血栓症再発防止を目的に永続的に抗凝固療法を行うべきかどうかは、議論の分かれるところです。
エクリズマブ(ソリリス)が投与されていれば血栓症発症症例においても抗凝固療法を中止できる(永続的な投与は必要ない)という報告がある一方で、エクリズマブ投与前に血栓症既往のあった場合はエクリズマブと抗凝固療法の併用を行っていても血栓症を再発したという報告もあります。
Emadi A, Brodsky RA. Successful discontinuation of anticoagulation following eculizumab administration in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Am J Hematol. 2009; 84: 699-701.
Kelly RJ, Hill A, Arnold LM, et al. Long-term treatment with eculizumab in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria: sustained efficacy and improved survival. Blood. 2011; 117: 6786-92.
(続く)PNHと血栓症:インデックスへ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:04
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(13):エクリズマブと血栓症
PNHと血栓症(12):血栓症の治療より続く。
<エクリズマブと血栓症(1)>
エクリズマブは、近年開発された抗C5ヒト化モノクローナル抗体です。
補体C5に高親和性を示し、C5からC5a、C5bへの開裂を阻害することにより、終末補体活性化経路を完全に阻止し、溶血に対する劇的な抑制効果が示されています。
溶血抑制効果に伴い、ヘモグロビン尿、平滑筋緊張(嚥下障害、腹痛、呼吸困難、勃起不全)、肺高血圧症、腎不全を軽快させて、貧血を改善し輸血量を減少させることができます。
加えて、エクリズマブを投与することで血栓塞栓症の発症を劇的に抑制することができます。
エクリズマブ投与前の血栓塞栓症発症率は 7.37/100人・年であったのに対し、投与後には 1.07/100人・年へ低下します。
Hillmen P, Muus P, Dührsen U, et al. Effect of the complement inhibitor eculizumab on thromboembolism in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 2007; 110: 4123-8.
エクリズマブを投与すると血栓性病態が軽快することが血栓止血関連マーカーでも確認することができます。
本薬による治療に伴い、凝固活性化マーカーである血中トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)&プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)、線溶活性化マーカーである血中プラスミン-α2 プラスミンインヒビター(PIC)、凝固線溶活性化マーカーであるDダイマーの低下が観察されています。
また、血栓性病態のみならず、血管内皮活性化マーカーや炎症性サイトカインの低下も観察されています(上図)。
Helley D, de Latour RP, Porcher R, et al. Evaluation of hemostasis and endothelial function in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria receiving eculizumab. Haematologica. 2010; 95: 574-81.
Weitz IC, Razavi P, Rochanda L, et al. Eculizumab therapy results in rapid and sustained decreases in markers of thrombin generation and inflammation in patients with PNH independent of its effects on hemolysis and microparticle formation. Thromb Res. 2012 Apr 27. [Epub ahead of print]
(続く)PNHと血栓症(14):ソリリスと血栓症へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(12):血栓症の治療
PNHと血栓症(11):ワルファリンによる血栓症予防より続く。
<PNH症例における血栓症の治療>
静脈血栓塞栓症を発症してしまったPNH症例に対しては、通常の静脈血栓塞栓症の場合と同様に、急性期にはヘパリン類による加療を行い、慢性期にはワルファリン治療に移行します。
急激に発症したBudd-Chiari症候群に対しては、放射線学的な血管内治療が行われることがあります。
具体的には、経頚静脈的肝内門脈肝静脈シャント形成術(Transjugulear Intrahepatic Portosystemic Shunt:TIPS )が施行されることがあります。
ただし、TIPSによって補体活性化を生じる可能性や、TIPSは血栓を溶解する治療ではないことを認識しておく必要があります。
t-PAを用いた線溶療法は致命的な血栓症に対して試みられますが、出血の副作用(脳出血を含む)に留意が必要です。
線溶療法の適応は慎重に判断する必要があり、少なくとも一般的な治療ではありません。
エクリズマブは、血栓症の治療としても有効であるために、血栓症急性期の病期から投与することを考慮すべきです。
本治療は線溶療法のような出血の副作用が無い点もメリットです。
近年開発された、新規経口抗凝固薬(経口抗トロンビン薬、経口抗Xa薬)が、血栓症の治療や予防に有効であるかどうかはまだ未検討課題です。
(続く)PNHと血栓症(13):エクリズマブと血栓症へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(11):ワルファリンによる血栓症予防
PNHと血栓症(10):動脈血栓症と静脈血栓症より続く。
PNH症例(クローンサイズ>50%)に対するワルファリンの血栓症一次予防効果
Blood. 2003; 102: 3587-91.より引用
<PNH症例における血栓症の予防>
PNHは稀な疾患であるために、ワルファリンの血栓症発症予防に関する無作為比較試験はありません。
Hallらは、PNH顆粒球クローンサイズが大きい(50%以上)PNH症例に対して、ワーファリンによる血栓症一次予防の効果を後方視的に検討しました。
Hall C, Richards S, Hillmen P: Primary prophylaxis with warfarin prevents thrombosis in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria (PNH). Blood. 2003; 102: 3587-91.
その結果、ワルファリン内服を行っていた39症例においては血栓塞栓症の発症はみられなかったのに対して、ワルファリン内服を行っていなかった56症例においては血栓症が10年間で36.5%にみられました(上図)。
この結果は、ワルファリンの予防効果を示していますが、一方で特に血小板低下症例においては出血の副作用の懸念があります。
実際、上記ワルファリン服用者のうち2症例で高度の出血がみられています。
ワルファリンの出血副作用が出やすい症例でないかどうか慎重に判断する必要はあるものの、PNH顆粒球クローンサイズが大きい(50%以上)症例に対して、ワルファリンは推奨されて良いものと考えられます。
PNH血小板も血栓症発症に何らかの役割を演じているものと考えられていますが、動脈血栓症予防を目的とした抗血小板療法に関する報告はありません。
(続く)PNHと血栓症(12):血栓症の治療へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:42
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(10):動脈血栓症と静脈血栓症
PNHと血栓症(9):線溶(u-PAR)より続く。
<PNH血栓症の発症機序(7)>
血栓症の部位からみた病態
PNH症例の血栓症の特徴として静脈血栓症が多いことを挙げることができます。
特に腹部(Budd-Chiari症候群を含む)や脳静脈洞などの一般的でなく稀な部位での血栓症もみられます。
静脈血栓症は血小板活性化ではなく凝固活性化を主病態としていますので、既述の中で血小板活性化の機序はPNHにおける血栓症の主役とは考えにくいと思われます。
この観点からは、PNH血栓症の機序として血管内皮の役割に注目したいところです。
例えば、TFPIは微小血管に高発現しており、特に肺、肝、脳に多く存在します。
もしもGPI欠損血管内皮がこれらの臓器に存在していれば、血栓症発症の大きな機序になる可能性があります。
Van Bijnen ST, Van Heerde WL, Muus P, et al. Mechanisms and clinical implications of thrombosis in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. J Thromb Haemost. 2012; 10: 1-10.
腸間膜静脈や門脈では細菌や食物抗原の暴露を受けやすく、局所で補体を活性化して、より溶血をきたしやすい部位である可能性があります。
その結果、血管内皮障害やMP遊離が生じやすい部位である可能性があります。
一方、NOが欠損していることによって平滑筋細胞や血小板機能への影響が出て動脈血栓症の原因にはなるかも知れませんが、静脈血栓症の主因とは考えにくいです。
(続く)PNHと血栓症(11):ワルファリンによる血栓症予防 へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:49
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(9):線溶(u-PAR)
PNHと血栓症(8):マイクロパーティクルより続く。
血中u-PAR濃度の比較
NL:健常人ドナー、AA:再生不良性貧血、su-PAR:u-PARの血清濃度。
<PNH血栓症の発症機序(6)>
線溶
PNH白血球や血小板においては、GPIアンカー型蛋白であるu-PAR(u-PA受容体)が欠損していることが知られています。
Ploug M, Plesner T, Rønne E, et al. The receptor for urokinase-type plasminogen activator is deficient on peripheral blood leukocytes in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 1992; 79: 1447-55.
Sloand EM, Pfannes L, Scheinberg P, et al. Increased soluble urokinase plasminogen activator receptor (suPAR) is associated with thrombosis and inhibition of plasmin generation in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria (PNH) patients. Exp Hematol. 2008; 36: 1616-24.
また、PNH患者では血中u-PAR濃度が高くなっており(この濃度はPNH顆粒球クローンサイズと相関)(上図)、血中u-PARの高値は、血栓症の独立した危険因子でした。
Sloand EM, Pfannes L, Scheinberg P, et al. Increased soluble urokinase plasminogen activator receptor (suPAR) is associated with thrombosis and inhibition of plasmin generation in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria (PNH) patients. Exp Hematol. 2008; 36: 1616-24.
(続く)PNHと血栓症(10):動脈血栓症と静脈血栓症へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(8):マイクロパーティクル
PNHと血栓症(7):血小板活性化より続く。
<PNH血栓症の発症機序(5)>
マイクロパーティクル
マイクロパーティクル(MP)は、膜由来成分で、細胞の活性化・炎症・障害に伴って血中に放出されます。
細胞膜は二重膜を形成していますが、外側と内側では同一ではありません。
通常、リン脂質のうちフォスファチジルセリン (PS)は膜の内側にのみ存在するのに対し、フォスファチジルコリン(PC)は外膜に多いです。
しかし、細胞に刺激が加わりますとPSが外側に移動して、細胞骨格は変性してMPが放出されます。
細胞膜やMPに発現したPS上に、プロトロンビナーゼ(FVa/FXa)やテンネース(FVIIIa/FIXa)が集まり、凝固活性化が進行します。
GPI欠損細胞表面上において補体が活性化されますと、向凝固活性を有したMPが放出されて血栓傾向となる可能性があります。
実際PNH患者では、流血中のPS発現MP総量が多いという報告があります(プロトロンビナーゼ法で評価)。
Hugel B, Socié G, Vu T, Toti F, et al. Elevated levels of circulating procoagulant microparticles in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria and aplastic anemia. Blood. 1999; 93: 3451-6.
in vitroにおける検討でも、PNH血小板は正常血小板と比較して、MAC刺激によってより多くのMPを放出することが示されています。
Wiedmer T, Hall SE, Ortel TL, et al. Complement-induced vesiculation and exposure of membrane prothrombinase sites in platelets of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 1993; 82: 1192-6.
(続く)
PNHと血栓症(9):線溶(u-PAR)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:51
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(7):血小板活性化
PNHと血栓症(6):遊離型ヘモグロビンとNOより続く。
<PNH血栓症の発症機序(4)>
血小板機能
PNH血小板には補体阻止因子であるCD55&59がなく、血小板活性化をきたしやすい可能性があります。
ただし、赤血球とは異なり血小板は破壊されることはなく、血小板寿命も正常です。
Devine DV, Siegel RS, Rosse WF. Interactions of the platelets in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria with complement. Relationship to defects in the regulation of complement and to platelet survival in vivo. J Clin Invest. 1987; 79: 131-7.
エクリズマブによる治療を行っても、PNH血小板クローンサイズや血小板数に変化はありません。
補体は血小板を破壊させることはありませんが、血小板活性化を惹起します。
正常血小板上のCD59をブロックしたり、大量の膜障害複合体(membrane attack complex、MAC)を正常血小板に添加しますと、血小板α顆粒からの第V因子の放出をきたしプロトロンビナーゼ活性を上昇させます。
Sims PJ, Rollins SA, Wiedmer T. Regulatory control of complement on blood platelets. Modulation of platelet procoagulant responses by a membrane inhibitor of the C5b-9 complex. J Biol Chem. 1989; 264: 19228-35.
PNH血小板では、多くの第Va因子結合部位を有しており、MAC刺激によってより多くのトロンビン形成がみられるという報告もあります。
Wiedmer T, Hall SE, Ortel TL, et al. Complement-induced vesiculation and exposure of membrane prothrombinase sites in platelets of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 1993; 82: 1192-6.
(続く)
PNHと血栓症(8):マイクロパーティクル へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(6):遊離型ヘモグロビンとNO
PNHと血栓症(5):TFPIと凝固より続く。
<PNH血栓症の発症機序(3)>
遊離型ヘモグロビンとNO欠乏の意義
血管内溶血を生じますと、遊離型ヘモグロビンの量が増加します。
通常、遊離型ヘモグロビンが生じてもハプトグロビンとの結合などにより、速やかに循環血中から消失します。
しかし、この処理能力を上回った過剰な遊離型ヘモグロビンは、血管内皮に直接影響を及ぼし、内皮の炎症、増殖、酸化状態をきたすことになります。
また、遊離型ヘモグロビンは不可逆的に一酸化窒素(NO)と結合して、硝酸塩とメトヘモグロビンが形成されます。
溶血した赤血球からはアルギナーゼが遊離され、アルギニン(NOの基質)をオルニチンへ転換します。
これらの機序により、体内のNO活性は低下します。
NOには、平滑筋弛緩作用、血小板活性化や凝集に対する抑制作用、血管内皮に対する抗炎症作用があることが知られています。
そのために、PNH患者において溶血によってNO活性が低下しますと血栓傾向となります。
ただし、NO活性低下と静脈血栓症の関連はなお議論の余地があります。
静脈には平滑筋はなく、また静脈血栓症では血小板の関与が少ないと考えられるためです。
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:08
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(5):TFPIと凝固
PNHと血栓症(4):血管内皮障害より続く。
<PNH血栓症の発症機序(2)>
GPIアンカー型蛋白に結合した凝固阻止物質(TFPI、PR3)
組織因子経路インヒビター(tissue factor pathway inhibitor:TFPI)は外因系凝固活性化機序を抑制する重要な凝固阻止因子です。
TFPIは、主に血液中および血管内皮細胞上のグリコサミノグリカン(GAG)に結合した状態で存在し、その産生場所は主として血管内皮細胞ですが、血小板、単球などの細胞からも産生されます(肝での産生はありません)。
TFPIは、血管内皮グリコサミノグリカンのみでなく、未だ同定されていないGPIアンカー型蛋白を介して各種細胞の細胞膜に結合しています。
このため、PNH症例のGPIアンカー欠損単球(&可能性として血管内皮)にはTFPIが結合することができずに、凝固活性化状態になる可能性があります。
Zhang J, Piro O, Lu L, et al. Glycosyl phosphatidylinositol anchorage of tissue factor pathway inhibitor. Circulation. 2003; 108: 623-7.
血小板に関しては、非活性血小板上にはTFPIは発現していませんが、コラーゲンおよびトロンビンによって刺激された活性化血小板にはTFPIおよびいくつかの向凝固性蛋白が発現します。
GPI欠損血小板ではこの場合でもTFPIの発現はなく、血栓傾向に寄与する可能性があります。
好中球にはproteinase 3(PR3)が発現していますが、この蛋白は血栓阻止的に作用してます。
PR3は、GPIアンカー型蛋白であるNB1(CD177)を介して細胞膜に結合しています。
GPIアンカー欠損好中球ではPR3は存在せず、循環血中のPR3濃度とPNH顆粒球クローンサイズは負の相関を示すと報告されています。
このPR3はトロンビンによる血小板活性化を抑制するために、PR3の欠損したPNH血小板は活性化されやすいです。
Jankowska AM, Szpurka H, Calabro M, et al. Loss of expression of neutrophil proteinase-3: a factor contributing to thrombotic risk in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Haematologica. 2011; 96: 954-62.
PNHにおいてGPIアンカー型蛋白が欠損していることと、血栓症との関連は充分に明らかな訳ではありません。
エクリズマブにより加療を行うと血栓症の発症は明らかに低下しますが、GPIアンカー型蛋白が欠損した白血球や血小板の割合は変化しません(赤血球ではむしろ割合が上昇します)。
一方で、GPIアンカー合成に必要な他の遺伝子であるPIG-M遺伝子の先天性欠損症では溶血をきたすことはないが血栓症発症が多いことが知られています。
Almeida AM, Murakami Y, Layton DM, et al. Hypomorphic promoter mutation in PIGM causes inherited glycosylphosphatidylinositol deficiency. Nat Med. 2006; 12: 846-51.
(続く)PNHと血栓症(6):遊離型ヘモグロビンとNO へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(4):血管内皮障害
PNHと血栓症(3):顆粒球クローンサイズより続く。
PNHにおける血栓症の発症機序
Van Bijnen ST, et al. J Thromb Haemost. 2012; 10: 1-10.より引用。
PNHにおける血栓症の発症機序は十分明らかでありません。
機序に関する多くの報告がみられますが、更に今後の検討が必要です。
Van Bijnen ST, et al. Mechanisms and clinical implications of thrombosis in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. J Thromb Haemost. 2012; 10: 1-10.
血管内皮障害
血管内皮障害は血栓症発症の重要な因子です。
PNH赤血球が溶血すると遊離型ヘモグロビンが放出されて、血管内皮を直接障害します。
あるいはGPIアンカー欠損単球が補体によって攻撃を受けると単球由来マイクロパーティクル(単球MP)が放出されて、これが内皮細胞に取り込まれると、血管内皮障害につながります。
この単球MPは組織因子(TF)を含有しているために、内皮細胞でのTF発現が亢進します。
Aharon A, et al. Monocyte-derived microparticles and exosomes induce procoagulant and apoptotic effects on endothelial cells. Thromb Haemost. 2008; 100: 878-85.
内皮障害に伴い、血管内皮由来MP(向血栓性を有する)が血中に遊離されるために、PNH症例では血中の血管内皮由来MP濃度が高くなるという報告があります。
Simak J, et al. Elevated circulating endothelial membrane microparticles in paroxysmal nocturnal haemoglobinuria. Br J Haematol. 2004; 125: 804-13.
PNH症例の血管内皮にPIG-A遺伝子変異があるかどうかは不明ですが(血管内皮前駆細胞は骨髄由来です)、興味ある検討課題と考えられます。
PNH患者から単核球を取り出して血管内皮コロニー形成細胞(ECFCs)を培養したところ、ECFCsにはCD55&59が欠損していたという報告があります。
Helley D, et al. Evaluation of hemostasis and endothelial function in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria receiving eculizumab. Haematologica. 2010; 95: 574-81.
また、マウス骨髄移植モデルでの検討では、肝血管内皮のほとんどがドナー由来血管内皮に置き換わることが示されており(肝では血管内皮の置き換え現象が置きやすい)、PNH症例においてGPIアンカーを欠損した骨髄由来血管内皮前駆細胞が肝血管内皮に取り込まれる可能性を示しています。
Gao Z, et al. Repopulation of liver endothelium by bone-marrow-derived cells. Lancet. 2001; 357(9260): 932-3.
(続く)
PNHと血栓症(5):TFPIと凝固 へ
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55
| 血栓性疾患
CHANGE2012:血栓止血領域セミナー
『CHANGE2012』(血栓止血領域セミナー)参加者募集
CHANGE2012とは
これから進路を決める先生方に血栓止血領域を紹介するセミナーです。
プログラムの特徴は、参加型ワークショップです。
止血血栓領域の基礎~臨床を学べるワークショップを通じ、次世代を担う医師として総合的なパフォーマンスを向上させるプログラムを用意しています。
募集対象:研修医及び血栓止血領域に興味をお持ちの先生(初期研修医歓迎)
開催日時:2012年10月7日(日) ~ 10月8日(月祝) 1日目: 13:15~19:30(予定) 2日目: 09:00-15:00(予定)
開催会場:梅田スカイビルタワーウエスト(大阪府大阪市北区大淀中梅田スカイビル http://www.skybldg.co.jp/skybldg/index.html )
申込方法:9/13で申し込みは閉め切られました。
名前と施設名をメール(change@ctime.co.jp)にてご連絡下さい。
折り返し申込みフォームが送付されます。
※先着50名で申込みが締め切られます。
※交通・宿泊費は、主催者負担です。
主催:ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
★ 管理人も昨年セミナー担当させていただきましたが、とても充実した内容でした。
交通・宿泊費が、主催者負担というのもありがたいですね。
研修医歓迎と書かれていますが、内容的には医師数年〜10年目の先生にも満足いただける内容になっていると思います。
<リンク>
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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:44
| 研究会・セミナー案内
内科学卒業試験(血液内科学):貧血など
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
4. 60歳、女性。
平成18年胃癌のため胃全摘術を受けたのち、近医に通院していた。平成23年4月頃から貧血を指摘され、同年8月頃より、貧血に加えて白血球減少、血小板減少も出現したため、血液内科に紹介された。
赤血球数185万、Hb 5.9g/dl,Ht 20.6%、白血球数1480(好中球40%、リンパ球46%、単球10%、好酸球3%、好塩基球1%)、血小板数7.0万、網赤血球3.8万、LDH 820 IU/l (基準値120-214)、血清フェリチン20 ng/ml。骨髄像をスライド4に示す。この患者に対する治療として適切でないのはどれか。
(1) 赤血球輸血
(2) G-CSF
(3) エリスロポエチン
(4) ビタミンB12投与
(5) 鉄剤投与
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答) a
5. 白血球増多のため来院したある患者の骨髄塗抹標本(スライド5)を示す。検査結果の解釈として正しい文はどれか。一つ選べ。
a. 骨髄異形成症候群は否定してもよい。
b. 慢性骨髄性白血病は否定してもよい。
c. ペルオキシダーゼ染色に染まらなければ急性骨髄性白血病は否定してもよい。
d. Auer小体を認めれば急性リンパ性白血病は否定してもよい。
e. エステラーゼ二重染色で特異的エステラーゼ陽性ならば単球系の急性白血病と診断してもよい。
【解説】
a. 芽球の比率が明らかに20%を超えていると思われるから。
b. 慢性骨髄性白血病の慢性期は否定できるが急性転化の可能性あり
c. AML-M0などPOXに染まらないAMLがあります。
(正答)a, d
【訂正】「二つ選べ」とすべきところ、「一つ選べ」になっていましたので、どちらか一方の記載がある場合、正解とします。
6. ある患者の骨髄塗抹標本(スライド6)を示す。この患者に対する治療に用いない薬剤はどれか。二つ選べ。
a. メルファラン
b. ハイドロキシウレア
c. 全トランスレチノイン酸
d. レナリドミド
e. ボルテゾミブ
(正答)b, c
7. 骨髄異形成症候群に関する記載の中で正しいのはどれか。
(1) 微小巨核球の増加は重要な診断根拠となる。
(2) 2系統以上の血球の減少がみられる。
(3) 好中球減少例に対するG-CSF投与は禁忌である。
(4) 7番染色体モノソミー例の予後は不良である。
(5) アザシチジンは脱メチル化作用によって効果を発揮する。
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答)c
8. EBウイルスが発症に関与していない疾患は以下のうちどれか。一つ選べ。
a. 移植後リンパ増殖性疾患
b. ホジキンリンパ腫
c. バーキットリンパ腫
d. 節外性NK/T細胞リンパ腫
e. マントル細胞リンパ腫
(正答)e
<リンク>
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播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ)へ
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 23:54
| 医師国家試験・専門医試験対策
内科学卒業試験(血液内科学):リンパ節
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
1. 26歳の男性。
10日前から咽頭痛、発熱があり、近医を受診。両側扁桃腫大を指摘され、解熱鎮痛薬と抗生物質を処方された。咽頭痛は改善したが発熱が続き、全身倦怠が徐々に増悪した。2日前に近医を再診し、血液検査を受けたところ血球減少を指摘され、血液内科に紹介された。
血液所見:赤血球数220万,Hb 6.4 g/dl,Ht 21.0%,白血球数1800,血小板数4.5万,網赤血球3.7万,総ビリルビン 0.6 mg/dl。骨髄塗抹標本をスライド1に示す。
1-1. 本疾患で予想される検査値異常はどれか。
(1) 破砕赤血球の出現
(2) 直接クームス試験陽性
(3) LDHの上昇
(4) 血清フェリチンの上昇
(5) CRPの上昇
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答) e
1-2. 本疾患の基礎疾患・原因として可能性の低いものはどれか。一つ選べ。
a. 全身性エリテマトーデス
b. 伝染性単核球症
c. 溶血性貧血
d. 悪性リンパ腫
e. 敗血症
(正答) c
2. 42歳の女性。
2か月前の入浴時に体を洗っていた際、左頚部に1cm大の腫瘤があることに気付いた。自覚症状がなかったため放置していたところ、最近に なって徐々に増大してきたため血液内科を受診した。
身体所見:結膜に貧血・黄疸なし。左側頚部に2p大のリンパ節を1個触知する。弾性軟、可動性は良好で 圧痛はない。右頚部、鎖骨窩、腋窩、鼡径部などにリンパ節は触知しない。
血算や一般的な血液生化学検査では異常は認められなかった。
2-1. 以下の項目の中で優先的に行うべき検査・処置はどれか。
(1) 頚部CT
(2) FDG-PET
(3) 骨髄生検
(4) 耳鼻科診察
(5) 可溶性インターロイキン2レセプターの測定
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答) c
2-2. 1か月後に行われた左頚部リンパ節生検の病理所見をスライド2に示す。全身CT・FDG-PETでは有意なリンパ節腫大はなく、骨髄生検や末梢血のフロー サイトメトリー検査でも異常細胞は検出されなかった。
この患者に対して行われる可能性の高い治療はどれか。一つ選べ。
a. 無治療経過観察
b. 左頚部に対する局所放射線治療
c. リツキシマブ単独療法
d. R-CHOP療法
e. フルダラビン療法
(正答) a
3. 48歳の女性。
2年前の健康診断で軽度の貧血と血小板減少を指摘されたが、無症状であったため二次検査は受けず放置していた。3か月前から疲れやすくな り、家人から顔色が悪いと言われていた。1週間前に咽頭痛と38℃の発熱があり、近医でかぜ薬を処方された。かぜ症状は改善したが倦怠感は増悪し、息切れ も感じるようになったため、大学病院を受診した。
身体所見:眼瞼結膜は貧血様、球結膜に黄疸を認める。表在リンパ節は触知せず、肝脾腫もない。
血液所見: 赤血球数290万、Hb 7.0g/dl,Ht 25.5%、白血球数1800(好中球数670)、血小板数3.6万、網赤血球6.0万、LDH 1020 IU/l (基準値120-214)、総ビリルビン 2.8 mg/dl、直接ビリルビン0.8 mg/dl。。経時的な尿の肉眼的所見をスライド3に示す。
31-1. 予想される検査所見はどれか。
(1) GPIアンカー膜蛋白欠失顆粒球陽性
(2) 尿中ヘモジデリン陽性
(3) 骨髄低形成
(4) 偽ペルゲル核異常を伴う好中球の出現
(5) 直接クームス試験陽性
a (1), (2), (3) b (1), (2), (5) c (1), (4), (5) d (2), (3), (4) e (3), (4), (5)
(正答) a
13-2 免疫抑制療法により白血球数、血小板数は正常化したが、貧血は改善せず、定期的な輸血が必要であった。貧血に対する治療として適切なものはどれか。一つ選べ。
a. 副腎皮質ステロイド
b. エクリズマブ(抗C5抗体)
c. アザシチジン
d. 低用量シタラビンシトシンアラビノシドシタラビン少量
e. 同種造血幹細胞移植
(正答) b
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:29
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呼吸器疾患の凝固障害を考える会のご案内
「呼吸器疾患の凝固障害を考える会」
日時:2012年9月14日(金) 19:00より
場所:KKRホテル金沢 3F(孔雀)
19:00〜19:10 製品説明
「リコモジュリン点滴静注用12800」 旭化成ファーマ株式会社
19:10〜19:30 レクチャー
座長:金沢大学附属病院 呼吸器内科 早稲田 優子
「凝固障害の基礎知識(仮題)」
金沢大学附属病院 血液内科 森下 英理子
19:30〜20:30 特別講演
座長:金沢市立病院 呼吸器内科 安井 正英 先生
「急性呼吸不全に対するトロンボモジュリンによる治療」
千曲中央病院 呼吸器内科 部長 津島 健司 先生
主催 旭化成ファーマ株式会社
<リンク>
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20
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内科学卒業試験(血液内科学):白血病など
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
19. 疾患名と症状・合併症の組み合わせで誤っているのはどれか。一つ選べ。
a. 急性前骨髄球性白血病 — 播種性血管内凝固症候群
b. 慢性骨髄性白血病 — 胃潰瘍
c. 真性多血症 — 低酸素血症
d. 本態性血小板血症 — 脳梗塞
e. 原発性マクログロブリン血症 — 眼底のソーセージ様静脈怒張
(正答)c
20. 疾患名と検査結果の組み合わせで誤っているのはどれか。二つ選べ。
a. 急性骨髄単球性白血病 — Faggot細胞
b. 慢性骨髄性白血病 — JAK2遺伝子変異
c. 本態性血小板血症 — 巨核球増加
d. 骨髄線維症 — tear drop cell
e. 多発性骨髄腫 — Bence Jones蛋白
(正答)a, b
21. 治療薬と副作用・合併症の組み合わせで正しいのはどれか。二つ選べ。
a. ダウノルビシン − 心毒性
b. 大量シタラビン− 末梢神経障害
c. L-アスパラギナーゼ − 肝炎
d. ボルテゾミブ − 顎骨壊死
e. シクロフォスファミド − 出血性膀胱炎
(正答)a, e
22. 疾患の予後に関する記載で正しいものはどれか。二つ選べ。
a. inv(16)を有する急性骨髄性白血病は予後不良である。
b. フィラデルフィア染色体異常を有する急性リンパ性白血病の予後はここ10年で改善した。
c. 原発性骨髄線維症の一部は急性骨髄性白血病に移行する。
d. MGUSは年10%の割合で多発性骨髄腫やアミロイドーシスに進展する。
e. 多発性骨髄腫の予後は免疫グロブリン値と血清β2ミクログロブリン値から3段階に分けることができる。
(正答)b, c
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:41
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内科学卒業試験(血液内科学):輸血学
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
15. 同種骨髄移植を行う際、移植(輸注)する骨髄液から血漿除去が必要なドナー/レシピエントの血液型組合せはどれか。二つ選べ。なお、A+はA型RhD陽性を指す。
a. A+/B+
b. B+/A+
c. AB+/A+
d. AB+/B+
e. O+/O-
(正答)a, b
16. 造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD)に関する下記の記述について、誤っているのはどれか。一つ選べ。
a. 急性GVHDは主に移植後100日以内に起こる。
b. 慢性GVHDは主に移植後100日以降に起こる。
c. 急性GVHDの主な標的臓器は、皮膚・肝・腸管である。
d. 同系造血幹細胞移植とは、親子間造血幹細胞移植のことである。
e. GVHDの標準予防法は、シクロスポリン(またはタクロリムス)+短期メトトレキセート療法である。
(正答)d
17. アルブミンの不適切使用例はどれか。一つ選べ。
a. 出血性ショック
b. 人工心肺を使用する心臓手術
c. 肝硬変に伴う難治性腹水に対する治療
d. 重症熱傷
e. 蛋白質源としての栄養補給
(正答) e
18. 輸血に関して正しいのはどれか。一つ選べ。
a. 体重80 kgの患者に赤血球製剤を2単位輸血すれば、Hbは約2 g/dL上昇する。
b. 輸血した血小板の1/10は脾臓で捕捉される。
c. Corrected count increment (CCI)の計算は、赤血球輸血効果の評価に役立つ。
d. 新鮮凍結血漿製剤は融解後3時間以内に輸注する。
e. 造血幹細胞移植時の輸血療法は、血小板輸血より赤血球輸血が中心となる。
(正答) d
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36
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内科学卒業試験(血液内科学):出産時の大出血
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
14. 20歳女性.
幼少時よりしばしば鼻出血を認めていた.2ヶ月前の出産時に大量出血をきたし止血が困難であったため、近医産婦人科より紹介された.
血液学的検査:白血球 7,100、赤血球 358万、Hb 11.9g/dl、血小板 24.5万、PT 11.0秒(基準10〜14)、APTT 71.2秒(基準対照32.2)、FDP 3μg/ml(基準10以下)、出血時間は著明に延長.妹にも同じ疾患があった.
この患者に対する止血治療として正しいのはどれか.一つ選べ.
a. 濃厚血小板(PC)
b. 新鮮凍結血漿(FFP)
c. 遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa:ノボセブン)
d. DDAVP(デスモプレシン)
e. 遺伝子組換え第VIII因子製剤(rFVIII)
(解説)
先天性の出血性素因、粘膜出血、APTTと出血時間の延長から、von Willebrand病と考えられます。
a. 無効です。
b. 無効です。
c. 第VIII因子インヒビターに対して用いられます。
d. von Willebrand病の止血治療として有効です。血漿由来第VIII因子製剤(コンファクトF)も有効です。
e. 遺伝子組換え第VIII因子製剤(rFVIII)は、血漿由来第VIII因子製剤とは異なりVWFが含有されていませんので無効です。
(正答) d.
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:29
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内科学卒業試験(血液内科学):出血&血栓傾向
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
13. 下記の疾患のうち出血傾向,血栓傾向の両者がみられる疾患・病態はどれか.一つ選べ.
a. 高PAI血症
b. 高Lp(a)血症
c. Trousseau症候群
d. 電撃性紫斑病
e. Bernard-Soulier症候群
(解説)
a. 血栓性素因です。
b. 血栓性素因です。
c. 血栓性素因です。悪性腫瘍に合併する、遊走性血栓性静脈炎です。
d. 先天性プロテインC欠損症(ヘテロ接合体)にワルファリンを投与した場合、あるいは先天性プロテインC欠損症(ホモ接合体)でみられます。DICと類似した血栓傾向です。皮膚の微小循環レベルで微小血栓が多発します。二次的に、紫斑をきたします。
e. 先天性出血性素因です。血小板膜糖蛋白であるGPIb/IXの欠損症です。
(解説) d
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53
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内科学卒業試験(血液内科学):抗血栓療法
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
12. 血栓止血の臨床に関する記載として正しいのはどれか.1つ選べ.
a. ビタミンCを内服すると,出血時間が短縮する.
b. リバーロキサバン(イグザレルト)を内服すると,血中FDPが上昇する.
c. 肺塞栓(PE)の抗血栓療法としては,アスピリンが第一選択である.
d. 門脈血栓に対する抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択である.
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては, アスピリンが第一選択である.
(解説)
a. ビタミンCを内服しても,出血時間に影響はありません。
b. リバーロキサバン(イグザレルト)は、新規経口抗凝固薬です。活性型第X因子を抑制します。血中FDPには影響を与えません。
c. 肺塞栓(PE)の抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択です.
d. 正しいです。
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては, アワルファリンが第一選択である.
(解説) d.
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:45
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内科学卒業試験(血液内科学):血小板数低下の疾患
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
11. 血小板数低下をきたす疾患に関する記載として正しいものはどれか.1つ選べ.
a. HELLP症候群の3徴候は,黄疸,肝不全,血小板数低下である.
b. 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては,アスピリンの内服と線溶療法の併用が有効である.
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては,平均血小板容積(mean platelet volume:MPV)が小さくなる.
d. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)ではADAMTS 13活性が低下する.
e. 溶血性尿毒症症候群(HUS)では,ピロリ菌の除菌療法が有効である.
(解説)
a. HELLP症候群の3徴候は,溶血、肝酵素上昇、血小板数低下です。
b. 挙児を希望するAPSの女性患者に対しては,アスピリンの内服と、必要があればヘパリン皮下注の併用が有効です。
c. ITPにおいては,MPVやPDWが大きくなります。
d. TTPではADAMTS 13活性が低下します。
e. ピロリ菌の除菌療法が有効なのは、ITPです。
(正答) d
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37
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内科学卒業試験(血液内科学):DIC
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学
平成24年9月3日(月)
問題の紹介と正答の記事を続けさせていただきます。
10. 播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する記載として誤りはどれか.1つ選べ.
a. 敗血症に合併したDICにおいては,血中プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI)が著増する.
b. 急性前骨髄球性白血病に合併したDICにおいては,血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター(PIC)が著増する.
c. 腹部大動脈瘤に合併したDICにおいては,血中プロトロンビンフラグメント1+2(F1+2)が著増する.
d. 線溶抑制型DICにおいては,血中可溶性フィブリン(soluble fibrin:SF)が著増する.
e. 線溶亢進型DICにおいては,血中プラスミノゲンが著増する.
(解説)
a. 敗血症に合併したDICにおいては,血中PAIが著増します. 線溶抑制状態となるため、血栓が溶解しにくく、微小循環障害をきたします。臓器障害がみられやすいのが特徴です。
b. APLでは、線溶亢進型DICをきたします。PICは著増します。
c. 全てのDICにおいて、F1+2やTATは著増します。
d. 全てのDICにおいて、SFは著増します。
e. 線溶亢進型DICにおいては,プラスミノゲンやα2PIが低下します。
(正答) e
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:20
| 医師国家試験・専門医試験対策
内科学卒業試験(血液内科学):血栓止血関連マーカー
平成24年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)
血液内科学
平成24年9月3日 月曜日
試験時間14:30〜15:30(60分間)
問題の紹介と正答を、アップさせていただきます。
9. 血栓止血関連マーカーの変動を示した下記の記載のうち正しいものはどれか。一つ選べ。
|
|
出血時間 |
PT |
APTT |
HPT |
a |
先天性第V因子欠損症 |
正常 |
延長 |
延長 |
低下 |
b |
血小板無力症 |
延長
|
正常 |
延長
|
正常 |
c |
第VIII因子インヒビター |
正常 |
延長 |
正常 |
正常 |
d |
ビタミンK欠乏症 |
正常 |
延長 |
延長 |
正常 |
e |
アスピリン内服 |
延長 |
正常 |
正常 |
正常 |
PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
HPT:ヘパプラスチンテスト
(解説)
a. 先天性第V因子欠損症では、HPTは正常です。
b. 血小板無力症では、APTTは正常です。
c. 第VIII因子インヒビターでは、PTは正常、APTTは延長です。
d. ビタミンK欠乏症では、HPTは低下します。
e. 正しいです。
(正答) e
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:18
| 医師国家試験・専門医試験対策
PNHと血栓症(3):顆粒球クローンサイズ
PNHと血栓症(2):血栓症の頻度より続く。
顆粒球クローンサイズと静脈血栓塞栓症の発症頻度
(ワルファリンによる一次予防が行われている症例は除外されています)
Hall C, et al: Blood. 2003; 102: 3587-91.より引用
静脈血栓塞栓症の発症リスクは、PNH顆粒球クローンサイズと関連していることが知られています。
PNH顆粒球クローンサイズ>50%では、血栓症発症は10年間で44%と高頻度であるのに対して、クローンサイズ<50%では5.8%に過ませんでした(ただし、この数字であっても健常人コントロールよりは高いです)(上図)。
Hall C, Richards S, Hillmen P: Primary prophylaxis with warfarin prevents thrombosis in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria (PNH). Blood. 2003; 102: 3587-91.
日本人のPNH症例では欧米人と比較して血栓症が少ない理由としては、日本人ではPNH顆粒球クローンサイズが小さい症例が多いためではないかと考察されています。
Nishimura J, Kanakura Y, Ware RE, et al. Clinical course and flow cytometric analysis of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria in the United States and Japan. Medicine (Baltimore). 2004; 83: 193-207.
PNHクローンサイズが大きい症例で血栓症が大きい理由は、このような症例では溶血が多いためであるかどうかは不明ですが、溶血がほとんどないけれども血栓症を発症したという症例報告も存在しますので、単純ではありません。
Kumar KS, Malet PF, Rutherford C, et al. Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria with no evidence of hemolysis presenting as Budd-Chiari syndrome. Dig Dis Sci. 2000; 45: 2238-9.
PNHにおける血栓症は静脈血栓症の方が多いですが、動脈血栓症(脳梗塞、心筋梗塞など)もみられます。
日本人209症例における検討では3例(1.4%)での動脈血栓症が見られています。
海外での動脈血栓症の発症頻度は、0/220(0%)、8/80(10%)、7/97(7.2%)などと報告されています。
Hillmen P, Lewis SM, Bessler M, et al. Natural history of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. N Engl J Med. 1995; 333: 1253-8.
Socié G, Mary JY, de Gramont A, et al. Paroxysmal nocturnal haemoglobinuria: long-term follow-up and prognostic factors. French Society of Haematology. Lancet. 1996; 348(9027): 573-7.
Van Bijnen ST, Van Heerde WL, Muus P, et al. Mechanisms and clinical implications of thrombosis in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. J Thromb Haemost. 2012; 10: 1-10.
あるいは、各種エクリズマブの臨床所見に登録された古典的PNH症例においては、エクリズマブ投与前の血栓症のうち動脈血栓症約15%(脳梗塞13.7%、心筋梗塞1.4%)、静脈血栓症85%と報告されています(下表)。
Hillmen P, Muus P, Dührsen U, et al. Effect of the complement inhibitor eculizumab on thromboembolism in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 2007; 110: 4123-8.
(続く)
PNHと血栓症(4):血管内皮障害へ
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(2):血栓症の頻度
PNHと血栓症(1):発作性夜間ヘモグロビン尿症より続く。
日本とアメリカにおける血栓症の頻度
<PNHにおける血栓症(1)>
PNH症例における血栓症は重大な合併症で死因となりえます。
de Latour RP, Mary JY, Salanoubat C, et al. Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria: natural history of disease subcategories. Blood. 2008; 112: 3099-106.
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症/肺塞栓)が最も多いです。
腹腔内(Budd-Chiari症候群、腸間膜静脈血栓症)、脳静脈洞血栓症など、まれな部位の血栓症がみられる場合もあります。
しかも、抗凝固療法による血栓症の一次予防を行っている場合でも、血栓症を発症することがあります。
Hillmen P, Muus P, Dührsen U, et al. Effect of the complement inhibitor eculizumab on thromboembolism in patients with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Blood. 2007; 110: 4123-8.
ただし、欧米と日本では血栓症の発症頻度に大きな差異がみられ、日本では欧米と比較して明らかに低頻度です(上表)。
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業. 特発性造血障害に関する調査研究班(主任研究者 小峰光博)/PNH の診断基準と診療の参照ガイド作成のためのワーキンググループ. 発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド. 2005.
米国例では初発症状の19%が血栓症であるのに対して、本邦例では6%に過ぎません。
発症後の合併症ならびに死因を含めた全経過でみても、米国例の38%に対して、本邦例は10%と有意に低頻度でした
これらの血栓症発症頻度に関するデータは、PNH診断の精度や(クローンが大きく拡大した症例のみ診断される低感度では高頻度に算出されます)、無症候性血栓症の診断までも行っているかどうかで数字が変動する可能性があることを念頭におく必要があります。
Hillmen P, Lewis SM, Bessler M, et al. Natural history of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. N Engl J Med. 1995; 333: 1253-8.
Socié G, Mary JY, de Gramont A, et al. Paroxysmal nocturnal haemoglobinuria: long-term follow-up and prognostic factors. French Society of Haematology. Lancet. 1996; 348(9027): 573-7.
(続く)
PNHと血栓症(3):顆粒球クローンサイズへ
<リンク>
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:24
| 血栓性疾患
PNHと血栓症(1):発作性夜間ヘモグロビン尿症
発作性夜間ヘモグロビン尿症(発作性夜間血色素尿症)(PNH)と血栓症の記事をアップしてまいります。
<PNHとは>
発作性夜間ヘモグロビン尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH)は、補体依存性赤血球膜破壊に起因する後天性血管内溶血性疾患です。
病名の由来である早朝の黒褐色尿(ヘモグロビン尿)を契機に発見される患者は少ないです。
血管内溶血、造血不全、血栓症を3主徴とします。
造血幹細胞のPIG-A遺伝子に後天的遺伝子変異が生じますと、顆粒球や赤血球のグリコシルフォスファチジルイノシトール(Glycosyl phosphatidylinositol:GPI)アンカーが欠損します(PIG-A遺伝子は、GPIアンカーの合成に不可欠です)。
Takeda J, Miyata T, Kawagoe K, et al. Deficiency of the GPI anchor caused by a somatic mutation of the PIG-A gene in paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Cell. 1993; 73: 703-11.
PIG-A遺伝子変異を有する造血幹細胞がクローン性に拡大すると、PNHを発症します。
Parker CJ. Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria. Curr Opin Hematol. 2012; 19: 141-8.
GPIアンカーは、GPIアンカーに結合する蛋白質(GPIアンカー型蛋白)の細胞膜表面への局在に必要です。
赤血球は常に補体の攻撃に曝されていますが、健常者の場合、赤血球膜表面上のGPIアンカー型蛋白であるCD59&CD55(補体制御蛋白)により保護されています。
しかし、PNH赤血球では、CD59やCD55の全部あるいは一部が欠損しているため、感染症などを契機とした補体活性化時に溶血をきたします。
現在、補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体であるエクリズマブが、PNHに対して臨床の場で使用されるようになり、PNHの予後は飛躍的に向上しました3)。
Röth A, Dührsen U. Treatment of paroxysmal nocturnal hemoglobinuria in the era of eculizumab. Eur J Haematol. 2011; 87: 473-9.
PNHの発症頻度は欧米では100万人あたり15.9人、日本では推定有病者数は100万人あたり3.6人と報告されています。
大野良之:「特定疾患治療研究事業未対象疾患の疫学像を把握するための調査研究班」平成11年度研究業績集−最終報告書− 平成12年3月発行(2000年).
(続く)
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:33
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