慢性肝疾患(肝硬変など)の凝固異常:出血&血栓症
肝硬変などの慢性肝疾患では、血小板数が低下し、凝固因子活性も低下し、出血傾向になると考えるのが一般的だったと思います。
今回紹介させていただく論文は、この考えを否定する論文です。
N Engl J Medからの論文です。
関連記事:
先天性血栓性素因と病態、血友病、後天性血友病、抗リン脂質抗体症候群、止血剤の種類、臨床検査からみた血栓症、血液凝固検査入門、深部静脈血栓症/肺塞栓、rFVIIa
「慢性肝疾患における凝固異常」
著者名:Tripodi A, et al.
雑誌名: N Engl J Med 365: 147-156, 2011.
<論文の要旨>
肝疾患末期症例においては出血傾向(特に胃小腸出血)にあるのは間違いありません。
しかし、この出血傾向の評価が従来の凝固検査のみに依存してきたのは見直されるべきです。
トロンビン形成試験などの止血能全体を評価する検査では、凝固能低下の所見とはなりません。
そのため、肝疾患末期症例における出血傾向の原因は、門脈圧亢進、血管内皮障害、細菌感染症、腎不全などの要素も考慮すべきです。
一方、向凝固因子のみならず抗凝固因子が低下することや、第VIII因子が増加することで止血バランスは回復しています。
このことは、慢性肝疾患者で動脈&静脈血栓症を発症しにくいとは限らない理由ともなっています。
これらの患者ではトロンボモジュリンに対する抵抗性を獲得することで向凝固性になったり、VWFの増加により血小板数低下を代償しているという報告もあります。
また、ウイルス性肝炎の動物モデルにおいては免疫学的機序による肝疾患の進行に血小板活性化が重要な役割を演じているという報告もみられます。
以上、慢性肝疾患者における止血能を再評価してみると、凝固異常により常に出血傾向になるという単純なものではなく、抗凝固因子も低下することで止血能を回復していると考えられます。
実際、出血よりも血栓症が問題となることも少なくありません。
慢性肝疾患に対して従来は禁忌とされていた薬物のなかには、有用な薬物もあるのではないかと推測されます。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:59
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大動脈弁狭窄症と後天性von Willebrand症候群(AVWS)
今回も、後天性von Willebrand病に関する論文です(参考:後天性von Willebrand病の治療)
大動脈弁狭窄症と後天性von Willebrand症候群(AVWS)の話題です。
関連記事:
先天性血栓性素因と病態、血友病、後天性血友病、抗リン脂質抗体症候群、止血剤の種類、臨床検査からみた血栓症、血液凝固検査入門、深部静脈血栓症/肺塞栓、rFVIIa
「大動脈狭窄症におけるVWF異常」
著者名:Casonato A, et, al.
雑誌名: Thromb Haemost 106: 58-66, 2011.
<論文の要旨>
後天性von Willebrand症候群(AVWS)は重症の大動脈狭窄症(AS)に合併することがありますが、より止血効果の強いvon Willebrand因子(VWF)高分子マルチマーの減少によると考えられています。
著者らは、重症ASにおけるVWF異常と出血症状の関連について検討しました。弁置換術施行のAS 41症例が対象となりました。
VWFコラーゲン結合能(VWF:CB)/VWF抗原比の低下が10例(24.3%)、VWF高分子マルチマーの低下が33例(80.5%)にみられました。
VWF高分子マルチマーの低下は、VWF低分子マルチマーの増加を伴っていませんでしたし(VWFの蛋白分解亢進は否定的)、また、VWFプロペプチドの増加もありませんでしたので、VWFの半減期が短縮しているとも考えられませんでした。
VWF異常は、リウマチ性弁膜症、および弁の血管内皮50%未満の症例で多くみられました。
出血症状がみられた症例では、弁前後の圧較差が大きく、VWF高分子マルチマーの低下がより高度でした。
VWF異常の存在は周術期の出血量を増加させませんでしたが、術後1日目よりVWF異常は消失し6ヶ月後でも持続していました。
以上、重症AS(特にリウマチ性)ではVWF異常が高頻度にみられましたが、高分子マルチマーが低下していることと出血症状の関連はみられませんでした。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:17
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後天性von Willebrandの病態生理
後天性von Willebrand病に関する論文紹介を続けたいと思います(参考:後天性von Willebrand病の治療)
先天性von Willebrand病に関する論文はコンスタントに登場していると思いますが、最近は後天性von Willebrand病関連の論文を目にすることが多くなったように思います。
関連記事:
先天性血栓性素因と病態、血友病、後天性血友病、抗リン脂質抗体症候群、止血剤の種類、臨床検査からみた血栓症、血液凝固検査入門、深部静脈血栓症/肺塞栓、rFVIIa
「後天性von Willebrandの病態生理」
著者名:Shetty S, et al.
雑誌名:Eur J Haematol 87: 99-106, 2011.
<論文の要旨>
後天性von Willebrand病(AVWD)は、まれで見逃されやすい出血性素因です。先天性VWDと臨床症状や血液検査所見が類似しています。
しかし、AVWDでは、家族歴や遺伝的背景がないことが大きな相違点です。
発症機序は多様ですが、骨髄増殖性疾患や心血管疾患に合併することが最も多いです。
その他の基礎疾患としては、自己免疫性疾患(SLEなど)、甲状腺機能低下症、悪性疾患、などが知られています。
また、薬物に起因すると思われる症例も存在します。
AVWDの発症機序は基礎疾患により異なっていたり、あるいは重複していることもあります。
明らかにされている発症機序としては、自己抗体の出現、von Willebrand因子(VWF)高分子マルチマーの選択的吸着、VWFの非特異的吸着、高ずり応力におけるVWFの機械的破壊、蛋白分解の亢進などが挙げられます。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:59
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後天性von Willebrand病の治療
血液学の一流雑誌Bloodに連載されているHow I treat ?からの記事を紹介させていただきます。
今回は、後天性von Willebrand病です。von Willebrand病と言えば通常は先天性の疾患を指しますが、最近はむしろ後天性von Willebrand病の方が何かと話題かも知れません。
興味のある方は、是非原著に直接あたっていただければと思います。
関連記事:
先天性血栓性素因と病態、血友病、後天性血友病、抗リン脂質抗体症候群、止血剤の種類、臨床検査からみた血栓症、血液凝固検査入門、深部静脈血栓症/肺塞栓
「後天性von Willebrand病(How I treat ?)」
著者名:Tiede A, et al.
雑誌名:Blood 117: 6777-6785, 2011.
<論文の要旨>
後天性von Willebrand症候群(AVWS)はしばしば見逃されたり、von Willebrand病と誤診される疾患です。
AVWSではvon Willebrand因子(VWF)の構造的、機能的欠陥がみられますが、自己免疫疾患、リンパまたは骨髄増殖性疾患、悪性疾患、心血管疾患、その他の疾患に伴うことが多いです。
AVWSにおけるVWF異常の原因としては、以下が知られています。
(1)抗VWF抗体によるVWFのクリアランス亢進または機能低下
(2)異形細胞や血小板表面へVWFの結合
(3)ずり応力の亢進によるVWFの分解、など。
AVWSを診断するにはいくつかの検査を行い総合的に判断するために、難しいことが多いです。
さらに、治療のためのエビデンスに基づいたガイドラインもありません。
AVWSの基礎疾患の治療(化学療法、放射線治療、手術、免疫抑制療法など)によりAVWSが寛解することがありますが、常にそれらの治療が可能で成功するとは限りません。
AVWSの発症機序は多様ですから、観血的処置などに際しての止血管理のためには、しばしば複数の治療手術が必要となります。
具体的には、デスモプレシン、VWF含有凝固因子製剤、免疫グロブリン、血漿交換、遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)などから選択します。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57
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末永孝生先生(近況報告):亀田総合病院
金沢大学第三内科(血液内科)出身で、現在、亀田総合病院の血液・腫瘍内科部長の末永孝生先生から、同門会報用の原稿をいただきました。
末永先生のご許可をいただきましたので、ブログ記事としてもアップさせていただきたいと思います。
管理人が金沢大学第三内科に入局したときに、大変お世話になった大先輩です。
関連記事:
中村忍先生(近況報告):百日紅
近況報告(亀田総合病院 血液・腫瘍内科 末永孝生先生より)
早いもので金沢を離れてからもう21年なりました。私が亀田総合病院に来た頃は医局を離れては開業以外では生きていけない位の時代でした。今のように多くの若い医者が大学を離れて様々の病院で卒後の臨床修練をつむなど考えられない位大学の医局が力をもっていました。
亀田総合病院も例外ではありませんでしたが、当時から一般の病院に比べて大学派遣の医師の割合は低く、半分くらいが医局人事、また半分くらいが医局と関係なく動いていました。現在の亀田では400人位の医者の内、医局人事で動いているのは5%程度でしょうか。ほとんどが金沢大学関連の人ばかりだった北陸の病院と違い、色々なバックグラウンドを持った個性的な人たちが多く活気に溢れていました。関東に来たんだという実感がありました。
亀田総合病院に来て最初に驚いたのが、病院に大きめの図書室があり、司書がいたことでした。北陸にも図書室のある病院はありましたが、司書を置いているところは初めてでした。さまざまの雑誌も購読してあり図書の関連の予算が当時で毎年1000万円程度ついていると聞かされました。
亀田総合病院は当時からアメリカ人の医師を研修医の教育用に雇い広く研修医を募集していましたが、当時は6−7人程度の応募しかなく応募者は全員採用していました。今は研修医の応募も多く18人の定員に対してジュニアレジデントの平均の倍率は3−5倍程度です。
血液・腫瘍内科では大体毎年1人しかとれないところに4−6人の応募があります。血液を志す医者が少ないのに贅沢なのですが、各科に割り当てられる採用予定研修医数は1−2名までなので仕方ありません。
以前は当院で初期研修を終えた後、アメリカでの臨床研修を目指す人も多くいましたが、最近は亀田での後期研修をおこなう若い人も多くなり病院の活力となっています。また欧米や全国の病院で研修後また亀田で働きたいと戻ってくるヒトも多くいます。
今でこそ全国的に名が知られるようになっていますが、当時はまだそれほど大きくなく家庭的な雰囲気がありました。病院全体での忘年会は近くのホテルを借りてとか、病院のスキー旅行、ゴルフ大会などもありました。テニスコートもあり夕方時々テニスをしていました。最近は病院が大きくなりましたが、健保組合のテニスコートは近くに6面がありいつでも利用できますし、体育館もあり利用する人も多いようです。
亀田総合病院では15年ほど前から電子カルテに取り組み現在では完全にペーパーレスとなっています。電子カルテ自体は病院のオリジナルで医師や看護婦が使いやすいようにカスタマイズされています。このための専属のプログラマー等のチームも院内にいるため必要な変更が比較的容易に行われていました。
ただ、ウィンドウズをベースにしているためウィンドウズのアップデートによってカルテシステムもアップデートしなければならない点が問題となっています。しかし電子カルテに慣れてしまうと手書きカルテでの診療録の記載は考えられなくなっています。ワープロで書くことによりカルテの内容もより詳細に整理されたものとなり、また様々の診断書、証明書のたぐいの書留等も簡便なことから今では電子カルテなしでの診療は考えにくいほどです。
血液腫瘍内科はシニアレジデント以上のスタッフは現在6人—7人でその他にジュニアレジデントや他科からのローテーションで70人前後の入院患者を診ています。
年間の患者さんは白血病20−30人、リンパ腫60−70人、骨髄腫20−30人程度です。
出身大学は様々ですが、金沢大出身も2人おりいずれもスタッフ、シニアレジデントとして活躍しています。
移植も同種移植を年間大体20−30例、自家移植を5−10例行っています。
学会発表等も積極的に行っており血液学会には毎年5−6題、またここ数年はアメリカ血液学会にも発表できるようになってきています。抄読会も大学にいたときと同じように、重要な論文の全訳を課しています。
基礎的な研究は困難ですが、電子カルテの利用とも相まって臨床的研究は大学よりも行いやすい気がします。
私の方は今でこそ自分の受け持ちは無くなりましたが50歳頃までは自分で受け持ちをしていました。IVHやヒックマンカテーテルも自分で入れていましたが、ここ数年は年に一度入れる程度です。人工呼吸器等の扱いは全くできなくなっています。
こちらに来てから変わったのが病理標本を自分で見るようになったことです。血液病理は病理の先生も苦手とする場合が多く、特にリンパ腫の診断は奥深いものがあります。
病理部長の協力をいただき、赴任と同時に導入してもらったFACSでリンパ腫の表面抗原の解析をしているうちに病理標本と対比するようになりました。5年ほど前からリンパ腫の病理を癌研の竹内賢吾先生に指導してもらっています。今ではみんなそこそこに血液疾患の骨髄生検標本やリンパ節標本をみれるようになっています。血液内科医は骨髄スメアだけではなくてリンパ節標本をみて染色も指示できる程度になっておくべきだと思うようになりました。
個人的には、60歳をこえ子供も成人してしまいこの先の残された期間何をしようかと考えるべきなのですが、実はこの文を書くまで余り考えたことはありませんでした。まだしたいことや興味のあることはいくつかありますが、それは毎日の仕事の中で出てきますしまた変化してゆきます。時々疲れたなと思うことはありますが、興味を持てることがあるうちはそれに打ち込もうと思っています。恩師の原田実根先生がphysician scientistを目指すべきだと言っておられましたが、自分もそうありたいと思っています。
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:22
| その他
中村忍先生(近況報告):百日紅
中村忍先生は、金沢大学第三内科の大先輩です(昭和44年に入局されています)。同門会報の玉稿をいただました。
同門会報が、同門の先生、関連病院の先生方に届くのは大分先になってしまいますが、中村先生のご了解をいただきましたので、ブログ記事としてもアップさせていただきたいと思います。
「百日紅」
「百日紅(さるすべり)」のように過ごしたいと思うようになりました。
ある新聞のコラムを読みましたら、百日紅は「怠け者の木」とも呼ばれていると書かれていました。
百日紅を怠け者呼ばわりしたのは芥川龍之介のようです。彼は「朝寝も好きなら宵寝も好きなる事、百日紅の如きは滅多になし。自分は時々この木の横着なるに、人間同様腹を立てる事あり」と、このつるつるした肌の「変な木」を評しています。
春になって他の樹木が次々と新緑を付けていく中で、百日紅は一向に芽を吹く気配はなく、さては枯れたか、と心配をしているといつの間にか葉を付け、夏になると鮮やかな白やピンクの花をつけます。
3ヶ月間ほど楽しませてくれた後に秋の気配が感じられるようになると、他の木々が未だしっかりと目を楽しませてくれているのに、さっさと落葉します。怠け者ながら、出処進退を心得ているようです。
我が家にも3年ほど前に植えた百日紅が一本あります。花の少ない夏に何か心和ませるものはないかと考え植えました。しかし庭の土がよくないのか、古くから住着いているモグラのためか一向に満足な花をつけず、主人に似たようで他家の百日紅より一層「怠け者」になっています。
しかし何となくこの木が気に入っています。今後は百日紅のように、焦らずにゆっくりと暮らし怠け者でありたい、そして短くても楽しい時間を過ごしたいと願っています。
11年間の奈良暮らしからこの3月末に金沢に戻り、現在は細胞診とドック診察のパート勤めをしています。久しく細胞を観ていませんでしたので、目のリハビリをしつつ、また、ドックの結果報告書の書き方に戸惑いながらも楽しんで仕事をしいます。
余暇は有り余るほどあります。これと言って趣味のない私には、時間の使い方が分からずに苦労しています。家内からは「わしも族」「濡れ落ち葉」禁止令が出ています。
今のところ生活のペースメーカーは、陽が傾いてからの庭の草取りです。
奈良の古刹・名刹を訪ね歩いた際に庭を美しく飾る杉苔に魅せられ、我が家の赤く枯れかかった杉苔をなんとか蘇らせたいと思っていました。
先ず雑草を取り、苔が生えやすくしなくてはと思い、草取りを始めました。これがなかなか大変ですが、頭を空白にしたり、物事を集中して考えるのに意外と役立つことに気が付きました。
梅雨から夏にかけては、取っても取っても一雨毎に雑草が生え、「賽の河原」状態、おまけに蚊に刺されて、もう止めようか何度も思いましたが、気持ちが通じたのか、最近ようやく雑草の生え方も鈍り、朝露に苔が美しく光るようになりつつあります。
話は変わりますが、先日奈良医大時代の教室の人たちが、尋ねてきました。
何か食べたいものはないかと前もって問い合わせたところ、若手の先生方は、金沢の名物?の「治部煮」「ハントンライス」「チャンピオンカレー」を食べたいと言ってきました。
後の二つは全く知りませんでした。
皆さんは食べられたことがありますか?と言うことでハントンライスを試食に行ってきましたが、すごいボリュームで、勢いで食べないととても食べきれないほどのてんこ盛りです。
金沢には未だ知らないものが沢山あることを改めて感じ、美味探訪が楽しみになってきました。
このようなことで、現在のところ無事に過ごしております。時間のある方、借景が自慢の拙宅にお越し下さい。
「写真」 我が家の怠け者、「百日紅」です
関連記事:末永孝生先生(近況報告):亀田総合病院
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:53
| その他
CBT問題(コアカリ):巨核球の増加
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。
巨核球が増加するのはどれか。
A. 肝硬変
B. 急性白血病
C. 血友病
D. 骨髄異形成症候群
E. 再生不良性貧血
F. 特発性血小板減少性紫斑病
G. 播種性血管内凝固症候群
H. ビタミンK欠乏症
(解説)
巨核球が増加する疾患と言えば、コアカリ、国試であれば、特発性血小板減少性紫斑病と、1:1対応でも良いかも知れません。
(参考:ピロリ菌と特発性血小板減少性紫斑病(ITP))
(正答) F
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:36
| 医師国家試験・専門医試験対策
CBT問題(コアカリ):PT延長
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。
74歳の男性。
膵癌で入院治療中に発熱した。採血、注射部位の止血が困難。四肢に斑状の紫斑がみられる。体温38.6℃。
血液所見:赤血球290万、Hb 9.8g/dL、血小板32.7万、PT 25.3秒(基準対照11.3)、APTT 41.2秒(基準対照32.2)。
診断はどれか。
A. 肝硬変
B. 急性白血病
C. 血友病
D. 骨髄異形成症候群
E. 再生不良性貧血
F. 特発性血小板減少性紫斑病
G. 播種性血管内凝固症候群
H. ビタミンK欠乏症
(解説)
入院中に出血症状をきたしています。
血液検査での貧血は、出血のためと考えられます。
PTが著しく延長していますが、APTTの延長は軽度です。ビタミンK欠乏症と考えられます。
上記疾患のうちPTが延長するのは、ビタミンK欠乏症以外では、肝硬変、播種性血管内凝固症候群(DIC)です。
ただし、肝硬変では血小板数が中等度低下します。また、DICでは、血小板数が著減します。
ビタミンK欠乏症になりやすい3条件は、以下の通りです。
1)食事摂取量の低下(ビタミンKの摂取も低下します)。
2)閉塞性黄疸(ビタミンKは脂溶性ビタミンであり、その吸収に胆汁を必要とします)。
3)抗生剤投与(ビタミンKは腸内細菌が産生していますが、抗生剤により腸内細菌が死滅します)。
(正答) H
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:29
| 医師国家試験・専門医試験対策
CBT問題(コアカリ):関節内出血
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。
17歳の男子。一昨日、自転車で転倒し右肘を打撲した。打撲した箇所の腫脹により右肘をまげられなくなったため来院した。
幼少時より、打撲すると皮下出血や腫脹が起きやすかった。同じ症状が母方の従兄弟にもみられる。
血液所見:赤血球530万、Hb15g/dL、白血球7,600、血小板23万。PT11.1秒(基準対照11.3)、APTT 67秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン160mg/dL(基準155〜300)。
最も考えられるのはどれか。
A. 血栓性血小板減少性紫斑病
B. 血友病
C. 再生不良性貧血
D. 特発性血小板減少性紫斑病
E. 播種性血管内凝固症候群
F. ビタミンK欠乏症
G. 閉塞性動脈硬化症
H. 慢性骨髄性白血病
(解説)
幼少時から、関節内出血、打撲箇所の出血が見られています。母方の従兄弟にも同じ症状の者がおり、伴性劣性遺伝の疾患と考えられます。
血液検査ではAPTTの延長がみられていますが、PTは正常です(記載はありませんが、出血時間も正常でしょう)。
APTTの延長する代表的な疾患は、血友病A、血友病B、von Willebrand病、抗リン脂質抗体症候群(ループスアンチコアグラント陽性例)です。
ビタミンK欠乏症(後天性疾患)でもAPTTが延長することがありますがあまり目立たないことが多く、むしろPT延長の方が目立つ所見です。
ビタミンK欠乏症では、ビタミンK依存性凝固因子のうち半減期の最も短い第VII因子の低下が早いです(第VII因子はPTでは反映されますが、APTTでは反映されません)。
(正答) B
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:19
| 医師国家試験・専門医試験対策
CBT問題(コアカリ):血小板減少
しばらく中断しましたが、CBT問題(コアカリ)を再開したいと思います。
16歳の女子。昨日からの鼻出血を主訴に来院した。2週間前に感冒症状があった。心音、呼吸音に異常は認めない。両下肢に紫斑がみられる。
血液所見:赤 血球400万、Hb12g/dL、白血球5,600、血小板1.2万。PT11.4秒(基準対照11.3)、APTT 32秒(基準対照32.2)、フィブリノゲン236mg/dL(基準155〜300)。
診断はどれか。
A. 血栓性血小板減少性紫斑病
B. 血友病
C. 再生不良性貧血
D. 特発性血小板減少性紫斑病
E. 播種性血管内凝固症候群
F. ビタミンK欠乏症
G. 閉塞性動脈硬化症
H. 慢性骨髄性白血病
(解説)
上気道感染症が先行して、血小板数が低下し、出血症状をきたしています。
血液検査では血小板数の低下以外には、異常所見は見られません。特発性血小板減少性紫斑病と考えられます。骨髄像では巨核球が増加します。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では、
1.血小板数減少
2.溶血性貧血(赤血球破砕像)
3.動揺する精神症状
4.腎障害
5.発熱、が5主徴 です。
血友病ではAPTTが延長します(血小板数は正常)。
再生不良性貧血では、汎血球減少をきたします。
播種性血管内凝固症候群では、PT延長、フィブリノ ゲン低下がみられることはあります(FDP、Dダイマーは上昇)。
ビタミンK欠乏症では、PT&APTTが延長しますが(特にPT)、血小板数は正常です。
(正答) D
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06
| 医師国家試験・専門医試験対策
血液内科試験:骨髄像
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、骨髄像が特徴的です。
6. 73歳の女性。昨日、金沢市のすこやか健診を受けたところ、正式な結果通知の前に自宅に電話があり、血液内科がある病院での精査を勧められたため受診した。
既往歴に特記すべきことはない。
意識は清明。体温37.0℃。脈拍92/分、整。血圧148/84mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾は触知しない。右下腿に紫斑を認める。
血液所見:赤血球330万、Hb 10.2 g/dL、Ht 33%、白血球 1,800(桿状核好中球 6%、分葉核好中球 58%、好酸球 2%、単球 12%、リンパ球 22%)、血小板 2.8万/μL。骨髄塗抹像を上図に示す。
この患者の診断にあてはまる内容はどれか。3つ選べ。
a. 播種性血管内凝固症候群を合併しやすい
b. 血球貪食症候群を合併しやすい
c. 診断確定には染色体検査が有用である
d. 初期治療には全トランス型レチノイン酸が用いられる
e. 再発しやすいため同種造血幹細胞移植の適応がある
(正答) a、c、d
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:42
| 医師国家試験・専門医試験対策
血液内科試験:貧血、骨折
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
5. 62歳の男性。3か月前から続く腰痛のために来院した。眼瞼結膜は貧血様。胸部に異常なく、腹部は平坦である。
脊椎X線単純写真で第3腰椎に骨折所見を認める。骨髄塗抹像を上図に示す。
この患者の予後を予測するために必要な血液検査項目はどれか。2つ選べ。
a. ヘモグロビン値
b. 血清クレアチニン値
c. 血清アルブミン値
d. 血清β2-ミクログロブリン値
e. 血清γ-グロブリン値
(正答)
5. c、d
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:26
| 医師国家試験・専門医試験対策
血液内科試験:汎血球減少
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
4. 72歳、男性。平成18年胃癌のため胃全摘術を受けたのち、狭心症のため、近医に通院していた。
平成22年1月頃から貧血を指摘され、精査を受けたが原因が不明であったため、月に2回の赤血球輸血を受けていた。
平成23年5月頃より、貧血に加えて白血球減少、血小板減少も出現したため、当院血液内科に紹介された。赤血球数185万、Hb 5.9 g/dl,Ht 17.6%、白血球数1480(好中球40%、芽球1%、リンパ球46%、単球10%、好酸球3%)、血小板数7.0万、ビタミンB12 910(施設基準値257−989)pg/ml、血清フェリチン1440 ng/ml。
骨髄像をスライド上図に示す。この患者に対する治療として適切でないのはどれか。
(1) 赤血球輸血
(2) デフェラシロクス
(3) ビタミンB12
(4) 多剤併用化学療法
(5) G-CSF
a. (1), (2), (3) b. (1), (2), (5) c. (1), (4), (5) d. (2), (3), (4) e. (3), (4), (5)
(正答)
4. e
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:05
| 医師国家試験・専門医試験対策
血液内科試験:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫後の経過
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫後の経過のある症例問題です。
3. 60歳の女性。5年前にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対して化学療法を受け、完全寛解となった。以後血液内科を3か月に1回受診し、経過観察を受けていた。
1か月前から労作時の息切れを感じるようになった。1週間前から家族に顔色不良を指摘されたため心配になり徒歩で来院した。
身体所見:眼瞼結膜は貧血様、球結膜に黄疸を認める。両側頚部、腋窩に1-2cm大のリンパ節を数個触知する。弾性硬、可動性は良好で圧痛はない。
血液所見:赤血球数204万、Hb 6.3 g/dl,Ht 19.5%、白血球数7320、血小板数40.6万、網赤血球14.7万、LDH 405 IU/l (基準値120-214),総ビリルビン 3.8 mg/dl、直接ビリルビン1.6 mg/dl。
直接クームス試験(+)、間接クームス試験(−)。可溶性インターロイキン2レセプター 1266 U/ml。骨髄塗抹像を上図に示す。
3-1. 予想される検査所見はどれか。
(1) ヘモグロビン尿
(2) 偽ペルゲル核異常好中球の出現
(3) ハプトグロビン低下
(4) β2ミクログロブリンの上昇
(5) 末梢血中の赤芽球の出現
a. (1), (2), (3) b. (1), (2), (5). c. (1), (4), (5) d. (2), (3), (4) e. (3), (4), (5)
3-2. 初期治療として適切なものはどれか。
(1) 赤血球輸血
(2) リツキシマブを含む化学療法
(3) アザシチジン
(4) エクリズマブ(抗C5抗体)
(5) キロサイド少量療法
a. (1), (2) b. (1), (5) c. (2), (3) d. (3), (4) e. (4), (5)
(正答)
3-1. e
3-2. a
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:55
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血液内科試験:胃病変
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、胃病変のみられた血液疾患です。
2. 64歳の男性。1か月前から心窩部痛があり、近医で上部消化管検査を受けたところ、胃体部後壁に大小不同の浅い潰瘍が4つ認められた。
生検では上図のように大型の細胞が認められた。
免疫染色の結果はCD20(+)、CD79α(+)、bcl-6(+)、Ki-67 陽性細胞率60%であった。精査・治療のため、血液内科を紹介された。
2-1. 以下の項目の中で優先的に行うべき検査・処置はどれか。
(1) 大腸内視鏡検査
(2) 腹部CT
(3) 骨髄生検
(4) 耳鼻科診察
(5) ガリウムシンチグラフィー
a. (1), (2), (3) b. (1), (2), (5) c. (1), (4), (5) d. (2), (3), (4) e. (3), (4), (5)
2-2. FDG-PETでは胃の潰瘍性病変のみに強い集積が認められた。この患者に対して行われる可能性が高い治療はどれか。一つ選べ。
a. 放射線治療
b. 内視鏡的粘膜切除術
c. リツキシマブ単独療法
d. R-CHOP療法
e. 胃亜全摘術
(正答)
2-1. d
2-2. d
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 20:38
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血液内科試験:貧血
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、貧血関連問題です。
1. 50歳の男性。医師として救急外来で激務をこなしていたが、数か月前から労作時の息切れを感じるようになり、徐々に増悪した。
自分で血液を調べたところ、ヘモグロビン 6.8 g/dlと高度の貧血を認めたため、血液内科を受診した。
血液所見:赤血球数220万,Hb 6.4 g/dl,Ht 21.0%,白血球数7400,血小板数16.5万,網赤血球0.7万,LDH 140 IU/l (基準値120-214),総ビリルビン 0.6 mg/dl。骨髄塗抹標本をスライド上図に示す。
1-1. 診断のために優先的に行うべき項目はどれか。
(1) 上部消化管内視鏡
(2) 末梢血における大顆粒リンパ球の有無
(3) 薬物服用歴の調査
(4) 胸部CT
(5) 骨髄MRI
a. (1), (2), (3) b. (1), (2), (5) c. (1), (4), (5) d. (2), (3), (4) e. (3), (4), (5)
1-2. 治療方針として適切なものはどれか。一つ選べ。
a. 多剤併用化学療法
b. 輸血
c. シクロスポリン
d. 鉄剤
e. 蛋白同化ステロイド
(正答)
1-1. d
1-2. c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:24
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血液内科試験:血液凝固検査
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、金沢大学ではおなじみの血液凝固検査の問題です。
9. 血栓止血関連マーカーの変動を示した下記の記載のうち正しいものはどれか.1つ選べ.
疾患・病態 |
出血時間 |
PT |
APTT |
HPT |
Glanzmann病 |
延長 |
正常 |
正常 |
低下 |
後天性血友病A |
正常 |
正常 |
延長 |
低下 |
肝硬変 |
延長 |
延長 |
延長 |
低下 |
先天性第VII因子欠損症 |
正常 |
延長 |
正常 |
正常 |
ビタミンK欠乏症 |
正常 |
延長 |
延長 |
正常 |
PT:プロトロンビン時間
APTT:活性化部分トロンボプラスチン時間
HPT:ヘパプラスチンテスト
(解説)
HPTは、ビタミンK依存性凝固因子のうち、血液凝固第 VII、X、II 因子を総合的に評価します。
・Glanzmann病:血小板無力症とも言います。出血時間は延長しますがあとは正常です。
・後天性血友病A: 第VIII因子活性が低下します。HPTは低下しません。
・肝硬変:ほとんど全ての凝固因子活性が低下します。血小板数も低下します。
・先天性第VII因子欠損症:HPTは低下します。
・ビタミンK欠乏症:HPTは低下します。
(正答) c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:35
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血液内科試験:出血症状、APTT延長
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、出血症状の問題です。
14. 23歳女性.幼少時よりしばしば鼻出血を認めていた.3ヶ月前の出産時に大量出血をきたし止血が困難であったため、近医産婦人科より紹介された.
血液学的検査:白血球 6,800、赤血球 362万、Hb 12.0g/dl、血小板 22.6万、PT 11.2秒(基準10〜14)、APTT 67.4秒(基準対照32.2)、FDP 4μg/ml(基準10以下).
妹にも同じ疾患があった.
この患者にみられる検査所見として誤っているのはどれか.1つ選べ.
a. 出血時間の延長
b. 巨大血小板の出現
c. 血小板粘着能の低下
d. 血液凝固第VIII因子の低下
e. 血小板リストセチン凝集能の低下
(解説)
幼少時からの出血傾向、妹にも同じ疾患があったことから、先天性の出血性疾患が疑われます。
出血は鼻出血ですから、粘膜出血です。先天性出血性疾患としては、血友病も有名ですが、血友病は関節内出血、筋肉内出血が特徴的です(特に、関節内出血)。
この症例は、PTは正常ですが、APTTが延長しています。
APTTが延長する代表的な先天性出血性疾患としては、血友病A、血友病B、von Willebrand病があります。
von Willebrand病のポイント言えば、常染色体優性遺伝、粘膜出血(鼻出血など)、APTT&出血時間延長、PT正常、治療はDDAVPまたは血漿由来血液凝固第VIII因子製剤であるコンファクトF、と言ったところです。
本症例は、von Willebrand病です。
a. von Willebrand病では、出血時間が延長します。
b. 巨大血小板の出現する疾患としては、特発性血小板減少性紫斑病、Bernard-Soulier症候群(BSS)、May-Hegglin症候群などが有名です。
c. von Willebrand病とBernard-Soulier症候群(BSS)では、血小板粘着能が低下します。
d. 血液凝固第VIII因子の低下がみられる疾患としては、血友病A、後天性血友病A、von Willebrand病があります。
e. 血小板リストセチン凝集能の低下がみられる疾患は、 von Willebrand病とBernard-Soulier症候群(BSS)です。
(正答) b
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 22:50
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血液内科試験:出血・血栓傾向
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、出血・血栓傾向関連の問題です。
13. 下記の疾患のうち出血傾向,血栓傾向の両者がみられる疾患・病態はどれか.1つ選べ.
a. 高ホモシステイン血症
b. 異常プラスミノゲン血症
c. 先天性異常フィブリノゲン血症
d. 先天性プロテインS(PS)欠損症
e. 高プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI)血症
(解説)
a. 高ホモシステイン血症は、血栓傾向となります(参考:高Lipoprotein(a)[ Lp (a) ] 血症など:医師国家試験 問題対策)。
b. 異常プラスミノゲン血症は血栓傾向になります。
c. 先天性異常フィブリノゲン血症は、出血傾向、血栓傾向の両者がみられます(参考:自己免疫性血栓症 & 出血と血栓症の共存:医師国家試験 問題対策)。
d. 先天性プロテインS(PS)欠損症は、血栓傾向になります(参考:先天性血栓性素因と病態:アンチトロンビン・プロテインC&S欠損症(1))。
e. 高プラスミノゲンアクチベータインヒビター(PAI)血症では、血栓傾向になります。
(正答) c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:13
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血液内科試験:抗凝固療法/ダビガトラン(プラザキサ)など
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、抗血栓療法関連の問題です。
12. 血栓止血の臨床に関する記載として正しいはどれか.1つ選べ.
a. ワルファリンを内服すると、血中PIVKA II濃度が上昇する.
b. ダビガトラン(プラザキサ)はビタミンK依存性凝固因子を低下させる.
c. 深部静脈血栓症(DVT)に対する抗血栓療法としては,アスピリンが第一選択である.
d. 閉塞性動脈硬化症に対する抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択である.
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては,シロスタゾールが第一選択である.
(解説)
a. PIVKA IIは、protein induced by vitamin K absence II(II:プロトロンビン)の頭文字に由来します。文字通り、ビタミンK欠乏状態で誘導される蛋白の一つである(活性のない)プロトロンビンです。
ワルファリンはビタミンK拮抗薬です。ワルファリンを投与しますと、PIVKA IIは上昇します。
もっとも、ワルファリン内服中の人は、PIVKA IIが上昇しているのが当然ですので、PIVKA IIを測定することはナンセンスではありますが。。。。
b. ダビガトラン(商品名:プラザキサ)は、経口抗トロンビン薬です。言わば、次世代のワルファリンとして期待されています。平成23年3月から処方されるようになった期待の新薬です。
ただし、使用方法を間違えますと、出血の副作用がでます(このことでマスコ上でも話題になった薬物でもあります)(参考:プラザキサ vs ワーファリン 3:ダビガトランとAPTT)。
c. 深部静脈血栓症(DVT)に対する抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択です。
d. 閉塞性動脈硬化症に対する抗血栓療法としては,アスピリン、プレタール、プロサイリンなどの抗血小板療法が第一選択です。
e. 心原性脳塞栓予防を目的とした抗血栓療法としては,ワルファリンが第一選択でした。そして、平成23年3月から、ダビガトラン(商品名:プラザキサ)も強力な選択肢に加わりました。
(正答) a
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:38
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血液内科試験(BSL評価):血小板数低下
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、血小板数低下をきたす疾患です。
11. 血小板数低下をきたす疾患に関する記載として正しいものはどれか.1つ選べ.
a. HELLP症候群の3徴候は,溶血,腎不全,血小板数低下である.
b. 挙児を希望する抗リン脂質抗体症候群(APS)の女性患者に対しては,ワルファリンの内服とへパリン皮下注の併用が有効である.
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては,血小板分布幅(platelet distribution width:PDW)が上昇する.
d. 溶血性尿毒症症候群(HUS)では抗ADAMTS 13抗体が出現する.
e. 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)でピロリ菌感染が証明されれば,除菌療法が約5割の症例で血小板数を上昇させる.
(解説)
a. HELLP症候群の3徴候は,hemolysis(溶血)、elevated liver enzyme(肝障害),low platelet(血小板数低下)です(参考:金沢大学血液内科過去問題の解説:TTP、HUS、HELLPなど)。
b. 抗リン脂質抗体症候群(APS)では習慣性流産がみられます。ただし、ワルファリンには催奇形性の副作用があるため、挙児希望の女性には使用できません。
c. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)においては、血小板分布幅(platelet distribution width:PDW)および平均血小板容積(mean platelet volume:MPV)が上昇します。
d. 抗ADAMTS 13抗体が出現するのは、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)です。
e. 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)では、ピロリ菌感染が証明されれば,除菌療法が約5割の症例で血小板数を上昇させます。
(正答) c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:27
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血液内科試験(BSL評価):DICの血液検査
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
今回の問題は、DICの検査所見に関する問題です。
10. 播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する記載として誤りはどれか.1つ選べ.
a. 敗血症に合併したDICにおいては,血中α2プラスミンインヒビター(α2PI)が著減する.
b. 急性前骨髄球性白血病に合併したDICにおいては,血中トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)が著増する.
c. 転移性前立腺癌に合併したDICにおいては,血中プラスミン-α2プラスミンインヒビター複合体(PIC)が著増する.
d. 線溶抑制型DICにおいては,血中プラスミノゲンアクチベーターインヒビター(PAI)が著増する.
e. 急性前骨髄球性白血病に合併したDICにおいては,血中フィブリノゲンが著減する.
(解説)
a. 敗血症(参考:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果)に合併したDICにおいては,線溶抑制型DICの病型となります。プラスミンの産生量が少ないために、α2PIの消費性低下はあまり見られません。加えて、α2PI(蛋白分画のα2分画に属しています)はacute phase reactantであるため、炎症に伴い上昇する傾向にあります。
b. 急性前骨髄球性白血病(APL)のみならず、どのようなDICであっても必ずTATは著増します。
c. 転移性前立腺癌では、線溶亢進型DIC(参考:フサン(FUT)治療が有効なDIC症例)となります。TATも、PICも著増します。
d. 線溶抑制型DIC(敗血症に合併したDICなど)においては,線溶阻止因子PAIが著増します。
e. 急性前骨髄球性白血病では線溶亢進型DICとなります。TAT、PIC、FDP(参考:Dダイマー)は著増し、フィブリノゲンが著減します。
(正答) a
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57
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血液内科試験(BSL評価):白血病、骨髄線維症、副作用
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
19. 慢性骨髄性白血病に関して誤っているのはどれか。3つ選べ。
a. 自覚症状がなく健康診断等で偶然発見されることが多い
b. 末梢血液像ではしばしば単球が増加している
c. 染色体検査でt(8;21)が検出されれば診断を確定してよい
d. 第一選択薬はインターフェロンである
e. 分子標的薬により予後が改善された
(正答)b、c、d
20. 原発性骨髄線維症について正しいものはどれか。2つ選べ。
a. しばしば巨舌を認める
b. 破砕赤血球は本疾患を疑う所見の1つである
c. 骨髄穿刺では骨髄液を採取できないことがある
d. JAK2遺伝子変異を認める例がある
e. ほぼ全例が急性白血病へ移行する
(正答)c、d
21. 急性白血病について誤っているのはどれか。2つ選べ。
a. ミエロペルオキシダーゼ染色が陰性の急性骨髄性白血病はない
b. 単球系の急性白血病ではしばしば血中リゾチーム値が高値を示す
c. 急性リンパ性白血病では中枢神経浸潤予防のために抗がん剤を髄腔内投与する
d. 急性骨髄性白血病の化学療法ではシタラビンがよく用いられる
e. 染色体異常を持つ急性白血病は全て予後不良である
(正答)a、e
22. 治療薬と副作用・合併症の組み合わせで誤っているのはどれか。1つ選べ。
a. ビンクリスチン − 中枢神経障害
b. アドリアマイシン − 心毒性
c. L-アスパラギナーゼ − 膵炎
d. エンドキサン − 出血性膀胱炎
e. ビスフォスフォネート − 顎骨壊死
(正答)a
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:37
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血液内科試験(BSL評価):リンパ増殖性疾患/貧血
内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学の問題紹介と解答を続けます。
7. リンパ増殖性疾患について正しいのはどれか。
(1) バーキットリンパ腫ではt(8;14)が特徴である。
(2) 慢性リンパ性白血病は日本人では頻度が低い。
(3) NK細胞リンパ腫の予後は新規化学療法により改善されている。
(4) 節外性の非ホジキンリンパ種のうちもっとも頻度が高いのは小腸リンパ腫である。
(5) マントル細胞リンパ種は国際予後指数によらず予後が悪い。
a. (1), (2), (3) b. (1), (2), (5) c. (1), (4), (5) d. (2), (3), (4) e. (3), (4), (5)
(正答)b
8. 貧血の治療に関する記載のうち、誤りはどれか。一つ選べ。
a. 発作性夜間血色素尿症に対してエクリズマブを投与するとLDHが著減する。
b. デフェラシロクスによって輸血依存性骨髄異形成症候群患者の予後は改善された。
c. 脱メチル化薬によって一部の骨髄異形成症候群では治癒が期待できる。
d. 5q-症候群ではレナリドマイドによって染色体異常が消失する例がある。
e. 移植適応のない重症再生不良性貧血に対する標準的治療はウサギATGとシクロスポリンの併用療法である。
(正答) c
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:34
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血液内科試験(BSL評価):輸血学
平成23年度 内科学卒業試験(BSL評価試験)血液内科学が行われました。
平成23年9月5日 月曜日
試験時間 14時〜15時(60分間)
問題と解答の紹介を、何回かに分割してアップしていきたいと思います。
今回は輸血学です。
同種骨髄移植を行う際、移植(輸注)する骨髄液から赤血球の除去が必要なドナー/レシピエントの血液型組合せはどれか。2つ選べ。なお、A+はA型RhD陽性を指す。
a . A+/AB+
b. AB-/AB+
c . AB+/B+
d . A+/B+
e. O+/AB+
(解説)
レシピエントとドナーのABO血液型が異なる移植を、ABO不適合移植と言います。
ABO不適合には、患者血清中にドナー赤血球に対する規則抗体があるABO主不適合(ABO major mismatch)、ドナー血漿中に患者赤血球に対する規則抗体があるABO副不適合(ABO minor mismatch)、その両者を含むABO主副不適合(ABO major/minor mismatch)があります。
移植する骨髄液の赤血球除去が必要なのは、ABO主不適合かABO主副不適合です。
cはABO不適合、dはABO主副不適合です。
(答え) cとd
造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(GVHD)に関する下記の記述について、正しいのはどれか。一つ選べ。
a. 急性GVHDは移植後100日以降に起こらない。
b. 慢性GVHDは主に移植1年以降に起こる。
c. 急性GVHDの主な標的臓器は、皮膚・肝・口腔である。
d. 同系造血幹細胞移植とは、一卵性双生児間造血幹細胞移植のことである。
e. GVHDの標準予防法は、シクロスポリン(またはタクロリムス)単独療法である。
(解説)
急性GVHDは移植後100日以内に起こりやすいですが、100日以降にも起こります。
急性GVHDの主な標的臓器は、皮膚・肝・腸です。
慢性GVHDは移植後100日から1年以内に多いです。
GVHDの標準予防法は、シクロスポリン(またはタクロリムス)+短期メソトレキセートです。
(答え) d
アルブミンの不適切使用例はどれか。一つ選べ。
a. 出血性ショック
b. 人工心肺を使用する心臓手術
c. 肝硬変に伴う難治性腹水に対する治療
d. 重症熱傷
e. 蛋白質源としての栄養補給
(解説)
厚労省が示している不適切使用例には、他に、「脳虚血」、「単なる血清アルブミン濃度の維持」、「末期患者への投与」があります。
(答え) e
輸血に関して誤っているのはどれか。一つ選べ。
a. 体重40 kgの患者に赤血球製剤を2単位輸血すれば、Hbは約2 g/dL上昇する。
b. 輸血した血小板の1/3は脾臓で捕捉される。
c. Corrected count increment (CCI)の計算は、血小板輸血効果の評価に役立つ。
d. 新鮮凍結血漿製剤は融解後6時間以内に輸注する。
e. 造血幹細胞移植時の輸血療法は、赤血球輸血より血小板輸血が中心となる。
(解説)
a. 赤血球製剤を1単位輸血すると、Hbは [40/体重] (g/dL)の増加が期待できます。したがって正しいです。
b. 正しいです。
c. 正しいです。
d. 新鮮凍結血漿製剤は、凝固因子の失活を防ぐため、融解後3時間以内に輸注する。
e. 正しいです。
(答え) d
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:22
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CBT問題(コアカリ):活性型プロテインC
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。
CBT問題(コアカリ):血液凝固因子 より続きます(問題は違うのですが、選択肢は同じになっています)。
Q:凝固反応を触媒し、欠損によりX連鎖劣性遺伝病を生じる。また、活性型プロテインCにより分解、不活化される。この凝固因子はどれか。
A. 第I因子
B. 第II因子
C. 第V因子
D. 第VII因子
E. 第VIII因子
F. 第IX因子
G. 第X因子
H. 第XI因子
I. 第XII因子
J. 第XIII因子
(解説)
・凝固因子関連のX連鎖劣性遺伝病といえば、血友病A(第VIII因子の欠損)、血友病B(第IX因子の欠損)です。
血友病A&Bともに、症状は同様で、関節内出血、筋肉内出血といった深部出血がみられます。
血友病A&Bでは、いずれもAPTTが延長しますが、PT、出血時間は正常です。
・活性型プロテインCにより分解、不活化されるのは、第Va & VIIIa因子です(参考:撃性紫斑病とワーファリン)。なお、活性型プロテインCが作用するときの補酵素がプロテインSです(参考:トロンボモジュリン製剤(リコモジュリン):DIC治療薬)。
(正答) E
【リンク】
投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:43
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CBT問題(コアカリ):血液凝固因子
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。
今回の記事では、血液凝固因子に関する問題を紹介させていただきます。
以前の記事で書かせていただいたように、受験者の記憶による再現問題ですので、実際の問題とは違うかも知れません。多分、今回の問題は正しく再現さえていないように感じます(あまりにも難問だからです)。
Q ビタミンK依存性凝固因子で、活性型プロテインCにより活性を抑制される。生体内において、外因系の因子によって直接活性化される。この凝固因子はどれか。
A. 第I因子
B. 第II因子
C. 第V因子
D. 第VII因子
E. 第VIII因子
F. 第IX因子
G. 第X因子
H. 第XI因子
I. 第XII因子
J. 第XIII因子
(解説)
1) ビタミンK依存性凝固因子は、第VII、IX、X、II因子です(半減期の短い順番です)(参考:血液凝固検査入門(図解シリーズ))。
2) 活性型プロテインCが抑制する凝固因子は、第Va & VIIIa因子です(第Xa因子は第Va因子を補酵素としており、第IXa因子は第VIIIa因子を補酵素としています)(参考:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果)。
活性型プロテインCは、第Va & VIIIa因子を不活化することで、間接的に第Xa&IXa因子の作用を阻止することになります。
3) 外因系の因子、つまり第VIIa因子により直接活性化されるのは、第X因子(in vitro)または第IX因子(in vivo)です(参考:凝固カスケード(PT&APTT))。
問題の再現が正しいとしますと、この問題は相当に難問です。
なお、問題文中の「生体内において」は管理人が追加しました。もし、追加しない場合には、F、Gの2つが正答になります。
(正答) F
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:06
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CBT問題(コアカリ):播種性血管内凝固(DIC)
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。
今回の記事では、播種性血管内凝固症候群(DIC)に関する問題を紹介させていただきます。
Q. 播種性血管内凝固(DIC)の発症頻度が最も高いのはどれか。
A. 急性前骨髄球性白血病
B. 急性巨核芽球性白血病
C. 特発性血小板減少性紫斑病
D. 骨髄異形成症候群
E. 多発性骨髄腫
(解説)
A. 急性前骨髄球性白血病(APL)では、DICはほぼ必発です。DICの二大症状(出血症状、臓器症状)のうち、出血症状がみられやすいのが特徴です(参考:播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解シリーズ))。
B. DICの合併はありえますが、APLよりも明らかに低頻度です。
C. 特発性血小板減少性紫斑病では、DICを合併することはまずありません。
D. DICの合併はありえますが、APLよりも明らかに低頻度です。
E. DICの合併はありえますが、APLよりも明らかに低頻度です。
(DICの基礎疾患)
1) 敗血症、その他の重症感染症(参考:敗血症と凝固・DIC/抗炎症効果)。
2) 悪性疾患:固形癌、急性白血病など(特に、 急性前骨髄球性白血病<APL>)。
3) 産科合併症:常位胎盤早期剥離,羊水塞栓など。
4) 外傷(頭部外傷、骨折を含む)、熱傷
5) 膠原病(特に血管炎合併例)(参考:抗リン脂質抗体症候群)
6) ショック
7) 大動脈瘤
8) 劇症肝炎、肝硬変、急性膵炎
9) その他
(正答) A
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:57
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CBT問題(コアカリ):汎血球減少
CBT問題(コアカリ)を続けたいと思います。 今回は、汎血球減少に関する問題です。
D5 汎血球減少をきたすのはどれか。
A. 特発性血小板減少性紫斑病
B. 遺伝性球状赤血球症
C. 自己免疫性溶血性貧血
D. 鉄欠乏性貧血
E. 再生不良性貧血
(解説)
A. 特発性血小板減少症では、血小板数のみが低下します。
B. 遺伝性球状赤血球症では、溶血性貧血がみられます(関連問題:脾摘術)。
C. 自己免疫性溶血性貧血では、溶血性貧血がみられます。
D. 鉄欠乏性貧血では、小球性低色素性貧血となります。
E. 再生不良性貧血(参考:再生不良性貧血とPNH型血球)では、汎血球減少をきたします。
(汎血球減少をきたす疾患)
再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、巨赤芽球性貧血、多発性骨髄腫、癌の骨髄転移、薬物による骨髄抑制、血球貪食症候群、肝硬変などがあります。
(正答) E
【リンク】
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投稿者:血液内科・呼吸器内科at 01:32
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北陸血栓研究会開催並びに演題募集のお知らせ
第9回北陸血栓研究会開催並びに演題募集のお知らせ
謹啓 残暑の候、先生方には益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、第9回北陸血栓研究会を下記要項にて開催致します。当日は、血栓症やDICに関する臨床検討や診断・治療に難渋した症例をご発表頂き、有意義な研究会にしたいと考えています。何卒、演題のご応募を宜しくお願い致します。
ご多忙中誠に恐縮ではございますが、多くの先生方のご出席をお待ちしております。 敬白
代表世話人 金沢大学医薬保健研究域医学系 細胞移植学 中尾 眞二
当番世話人 福井県立病院 血液・腫瘍内科 羽場 利博
日時: 平成23年10月29日(土)16:00〜18:00
場所: 金沢大学附属病院 宝ホール
特別講演
「DICの病態−血栓溶解機構を把握する臨床的意義−」
自治医科大学分子病態研究部
自治医科大学附属病院血液内科 講師 窓岩 清治 先生
<演題募集要項>
・診断・治療に困った症例や血栓症に関する臨床検討 (アンチトロンビン製剤使用症例など)
・発表時間 10分、検討時間 5分 5〜6題募集
・申し込み内容:演題名、演者名、施設名
・締切り期日:平成23年 9月22日(木)
・申し込み先 福井県立病院 血液・腫瘍内科 羽場 利博
代)CSLベーリング(株)京都支店 青木 雄一郎
E-Mail : Yuichiro.Aoki@cslbehring.com
FAX :(075)352-2365
共催 北陸血栓研究会、CSLベーリング株式会社、社団法人 石川県臨床衛生検査技師会
後援 石川県病院薬剤師会、一般社団法人 福井県臨床検査技師会
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